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ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『そんな言い方ないだろう』 「問題な日本語」への実践的対処方
『そんな言い方ないだろう』 「問題な日本語」への実践的対処方_d0018433_7382544.jpg著者:梶原しげる 
書名:そんな言い方ないだろう
発行:新潮社
実学度:★★★★☆

文化放送出身のアナウンサー梶原氏による「口の聞き方」講座。

ファミレスで「お席のほうはカウンターで大丈夫だったでしょうか」と聞かれて、また、TVのCMで「家族って大切ですよね」と言われて、カチンと来る皆様のストレス発散に(前書きより)。

ことばに最も敏感であるアナウンサーだけあって、現在の変な「言い方」を取り上げて適切な解説をしてくれます。
上記「…ですよね」は、自分の価値観を押し付けて相手をなめている表現であるとか、「よろしかったでしょうか?」は、すでに店側が判断をすませていてその承認を客にもとめる傲慢な言い方であるとか。言われてみればその通りで、よけいに腹が立ってきますよね(笑)。

言い間違いの例では、幕間(まくあい)、年俸(ねんぽう)などの読み違え、「檄をとばす」「姑息」の正しい使い方などがあり、役に立ちます。

最も面白いのは敬語に関する章で、紀宮と婚約した黒田慶樹氏を「ユーモアも含んだ見事な敬語の使い手」と誉めています。また、サービス業の「マニュアル敬語」については、「お会計のほう一万円になります」「千円からお預かりします」などを、世論調査で「気になる」と答える人の割り合いが増えていることを取り上げ、飲食業界側でも「非常識用語の撲滅キャンペーン」が始まっていることを教えてくれます。

「ABO型別口の聞き方」は血液型→口の聞き型に変えただけで新味はありませんが、こういう風に直せばよいという注意例は参考になります。

この新書も『問題な日本語』を中心とする「日本語ブーム現象」本の一つですが、プロのことばの使い手としての実践的なところが評価できると思います。
by bibliophage | 2005-07-09 07:43 | 新書
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