ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『花まんま』 昔の大阪、そのまんま
d0018433_1035824.jpg著者:朱川湊人 
書名:花まんま
発行:文芸春秋
形而上度:★★★★☆

2002年オール読物推理新人賞を獲得してデビューした朱川氏の、あっという間の直木賞受賞作。東野圭吾はもうだめぽ…。

30年以上前の大阪の長屋街を舞台にした6編の奇妙な話。子供の地縛霊、前世を知る女の子、人を安楽死させる呪文、など。

朱川氏の子供時代の記憶に、心霊話をからめて構成されており、とても読みやすく面白い内容でした。関西生まれの私には「パルナスのケーキ」というのが、いたくなつかしく思えました。
朝鮮人、被差別地域出身者、地方の貧しい島の娘、などの人々の悲哀が、ストレートに表現されていて、とても好感が持てました。最近の小説の、意味も無くハッピーエンドにもっていこうとする傾向と違って、リアリティが感じられます。時代を昔に設定したことで可能になる表現かも知れませんが。

デビューまでの期間が長かった朱川氏ですが、文章はとても練れていて、話の落とし方も上手く、ユーモアもあり、今回の受賞はフロックではないと思います。(相手にも恵まれた感あり、文芸春秋の計算通りか)
今後の作品に期待します。
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by bibliophage | 2005-07-30 10:05 | その他小説
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