ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『「負けた教』の信者たち』 難しいニートの気持ち
d0018433_2291320.jpg著者:齋藤環 
書名:「負けた教』の信者たち
発行:中央公論新社
多面的分析度:★★★★☆

精神科医の齋藤氏によるニート・ひきこもりを含む現代の若者・子供論。

若者の「コミュニーケーション・スキル」重視の影響で、それが苦手な人々は自分のことを「負け組」に分類してしまう。彼らは「負けたと思いこむ」ことにより、何とかプライドを温存しようとする「自傷的自己愛」にすがるしかない若者たちである。

「フリーター」が420万人、「ニート」が40万人、「社会的ひきこもり」が41万世帯もいるということに、まず驚きました。
精神科医の立場から、ひきこもりに対応する方法として、「家族に本人のひきこもり状態を徹底的に受容するよう指導する」とか「必ず小遣いは渡す」とかいうのもなるほどと思いました(後者は「消費は社会参加の基本」だから)。

また著者によれば、「共同体」の衰弱によって個人間の「関係性」が薄くなり、さらに携帯電話やネットの発達がそれを助長していく中で、子供は阻害され異物化される。その結果として、少年犯罪やひきこもり、さらに児童虐待などが起きてくるということでした。

著者は、少年犯罪にもどちらかというと同情的な立場に立っている印象で、アメリカの「被害者・加害者和解プログラム」を紹介して、これには「可能性がある」と言っています。しかしこれにはあまり同意できませんでした。

全体的には、色々な角度から現代の若者の精神病理に切り込む形で、考えさせられることも多い内容でした。「ひきこもり」の人たちの気持ちを理解することはやはり難しかったですが。
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by bibliophage | 2005-08-05 02:32 | 新書
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