ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『震度0』 ドロドロの警察小説
d0018433_875173.jpg著者:横山秀夫 
書名:震度0
発行:朝日新聞社
内部抗争度:★★★★☆

横山氏にしか書けない警察小説の最新刊。

阪神・淡路大地震が起きた日にN県警の警務課長が失踪した。以前の県議選とのからみか、それとも女性問題か。キャリアの本部長・警務部長、ノンキャリアの刑事部長らがお互いの利害・思惑の下、真相解明にしのぎを削る。

完全警察内部小説といってよい内容で、失踪したのが警務課長の不破。関係する主要幹部(巻頭に表あり)が上から順に、
キャリアの椎野本部長・冬木警務部長、準キャリアの堀川警備部長、ノンキャリアの藤巻刑事部長・倉本生安部長・間宮交通部長となっていて、他の登場人物もほとんどが警察関係者です。
部長の中でまともなのは震災被害にかかわる堀川だけで、あとの5人は自分の保身のために、部長会議でも情報を共有せず、少しでも有利な展開になるよう、くっついたり離れたりして争うことになります。
また全員が公舎に住んでおり、妻通しの人間関係もからんで、ドロドロの愛憎劇が繰り広げられます。
このドロドロの評判はあまりよくないようですが、私は嫌いではありませんw。

N県警内部を知り尽くしていないと書けない内容で、部長間の駆け引きがとにかく面白い。優劣が一瞬にして入れ替わり、先の読めない展開をします。現実にはあり得ないでしょうが、キャリア通しで罵倒しあったりもします。

横山氏の作品ではいつもオチで違和感を覚えるのですが、本作ではそれはありませんでした。気になったのは、①震災と事件の関係性と②倉本の設定がちょっとやり過ぎ、の2点です。
個人的には、横山作品の中では 『半落ち』 『ルパンの消息』 よりも気にいっています。
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by bibliophage | 2005-08-10 08:09 | ミステリ-
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