ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『徳川将軍家十五代のカルテ』 まるで将軍のご典医
d0018433_6541910.jpg著者:篠田達明 
書名:徳川将軍家十五代のカルテ
発行:新潮社
個人情報度:★★★★★

整形外科医で作家の篠田氏による徳川将軍たちの持病や死因についての話。

歴代徳川将軍にとって、もっとも大事なつとめは政務でも軍務儀式でもなく、ひたすらに子作りにはげむことだった。…どんな健康状態にあり、どんな養生法を心がけていたかに興味をいだいた。…そこで本書では…彼らのメディカル・チェックをしてみようと思う。(プロローグより)

これは面白い!15代将軍の健康状態を『徳川実紀』などの資料を使い、医者としての知識と想像力を動因して、まるで見てきたかのように再現しています。

家康はとにかく自分の健康に留意し、スポーツとしての鷹狩りをおこない、自ら薬草などを調合して使ったとのこと。最晩年には少女と同衾したが、セックスはせず、精気回復を目的とした(「性の森林浴」と表現)など。死因は伝えられている食中毒ではなく、胃癌であったと推察しています。

家康の次男結城秀康は梅毒、3代家光はうつと脳卒中、5代綱吉はマザコンと内分泌異常による低身長。
9代家重は脳性麻痺で言語障害とし、肖像画の特徴より「不随意運動型」と断定しています(知的レベルは正常)。

最も印象的なのは11代家斉で、正室+16人の側室をもち57人の子供を作っています。(しかし、うち32人が5歳までに死亡。)
将軍になるには、水痘、痘瘡、はしかなどを克服して生き延びることが必要なので、健康が絶対な条件だったわけです。
当時の医療事情もよくわかる内容で、死因として脚気が多いことも意外なことでした。

直木賞候補にもなった篠田氏の文章は滑らかで、ユーモアを含みとても読みやすくなっています。
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by bibliophage | 2005-08-30 06:55 | 新書
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