ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『天使のナイフ』 けなすのが難しいハイレベルの作品
d0018433_19204057.jpg著者:薬丸岳 
書名:天使のナイフ
発行:講談社
綿密度:★★★★☆

第51回江戸川乱歩賞受賞作。著者は脚本家。

4年前妻を殺したのは3人の中学生だった。桧山は少年法に守られた彼らを憎み続ける。そんなある日、桧山の職場の近くで加害者の1人が殺害された。嫌疑を受ける桧山。続いてもう一人が、混雑した駅の桧山の近くで線路に突き落とされた。犯人は誰なのか?調べを続ける桧山の前に、妻の事件の隠された真相が徐々に明らかになってくる。

緻密にプロットが作られていて、それが無理なくつながっていて、文章も上手い。これは最終審査で満場一致で選ばれるのもうなずけます。こんな作品と比べられた他の候補者は不運だったというしかありません。

選考委員のあとがきにも書かれていますが、少年犯罪の問題だけでなく、贖罪にまで踏み込んでしっかり書かれているところが凄い点です。ある意味、東野圭吾の『さまよう刃』を超えています。普通は被害者の苦しみとその復讐を主点に、カタルシスを追及する形になるところですが、プロットが三段階くらいになっているので、それで終わらない工夫が施されています。

しかしさすがに東野圭吾の作品の方が面白いのは、本作はけれん味がないというか、真面目すぎるというか、そこまでは求めすぎだと思いますが…。
乱歩賞受賞作で読んだものでは、個人的には 『Twelve Y.O.』 『脳男』 『滅びのモノクローム』よりは明らかに上の作品だと思います。
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by bibliophage | 2005-09-03 19:24 | ミステリ-
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