ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『あなたに似た人』 奇妙な味の短編
d0018433_7493012.jpg著者:ロアルド・ダール
書名:あなたに似た人
発行:ハヤカワ
購入動機:他の本の記述から
奇妙な後味度:★★★★★

阿刀田高の『ミステリーのおきて102条』にとりあげられていたので読みました。
短編の名手というと、O・ヘンリーやサキくらいしか知りませんでしたが、ロアルド・ダールの短編にはもっと変な感じというか、洗練された皮肉っぽさというような雰囲気が漂っています。
 
ワインの利き酒比べでアツくなり、自分の娘まで賭けてしまう話<味>。メアリが夫を殴り殺すのに使った特別なものとは?<おとなしい凶器>。ライターにうまく火がつくかどうかに、キャデラックと手の指を賭ける<南から来た男>。客船の時間航行距離当てクイズの懸賞金欲しさに、男が取った行動は?<海の中へ>。背中の刺青が(それを描いた画家が有名になったせいで)、値打ちモノになってしまった老人の運命<皮膚>。その他、<毒><音響捕獲機><クロウドの犬>などの15編。

阿刀田氏はこの中から<味><南から来た男><海の中へ>をベスト3としています。私は1<皮膚>2<海の中へ>が好きでした。もの悲しいオチが心に残ります。

訳者の田村隆一氏によれば、ダールのテーマは二つ「賭博に打ち込む人間の心の恐さ」と「人間の想像力(間違った空想)の恐さ(と馬鹿馬鹿しさ)」で、前者の代表がダール最高の短編と言われる<南から来た男>とのこと。氏はダールの大ファンだけに、奇妙な雰囲気がよく出ている名訳ではないかと思いました。

(ひとつ残念なのは、私は<兵隊>のオチがいまだによくわからないことです。2chのミステリ板でもそのようなカキコがありました。わかる方は教えてください。)
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by bibliophage | 2005-04-12 07:54 | その他小説
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