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ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『妄想人生』 作家と学者の中間的存在
『妄想人生』 作家と学者の中間的存在_d0018433_15155394.jpg著者:島田雅彦 
書名:妄想人生
発行:毎日新聞社
サヨク度:★★★★☆

作家二十年選手の島田氏によるサンデー毎日の連載エッセイ。原題「気宇壮大のススメ」。

「小説家はあらゆる職業のターミナルといわれる。小説家なんてさまざまな職業を転々として、最後に辿り着けばいいのだ。(本文より)」


島田氏の文学作品は未読でした。知っていることは、芥川賞候補に何回もなって取りそこね、女性に人気で、料理が得意なこと、です。
このエッセイを読むと、流れるような軽妙な文章で、料理だけでなく、政治、クラシック、歴史、アダルトなどについて、薀蓄を傾けながら、しっかり自分の意見を語っている、という印象を受けました。ちょっと気取ったシニカルなところもいい感じです。
「プロ意識の高い娼婦は優れた女優たらねばならない」
「神話や歴史に人間の感情や生活のディテールを肉付けするとにわかに物語となって立ち上がる」
とか。

作家というより、文化人という趣きですが、演劇や詩でも活躍していたのですか。
法政大国際文化学部教授。偉いヒトなんですね。
2chの自分に関するスレッドを読んで腹を立てているところなども好感が持てました。

ちょっと自分の認識不足を恥じて、「彼岸先生」でも読もうか、と思います。

島田雅彦氏のHP
by bibliophage | 2005-10-08 15:16 | 評論
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