ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『容疑者Xの献身』 オタクの深情け
d0018433_80917.jpg著者:東野圭吾 
書名:容疑者Xの献身
発行:文芸春秋
叙述度:★★★★★

何を書いてもはずさない東野氏の新刊は、物理学者VS数学者の知恵比べ。

金をせびりにきた昔の夫を殺してしまった母と娘。母の方に好意を持っていた隣人、数学教師の石神はそれを知り、死体処理と事件の隠匿を図る。石神の大学時代の友人、物理学者の湯川は、その事件の裏に隠された真相を推理する。


相変わらずページをめくらせる手腕がすごく、時間を忘れて読んでしまいました。
犯人がわかっていてそれを追い詰める倒叙の形式で、湯川博士がまさに刑事コロンボの役割です。元夫の描写を読んでいると、殺されてしかるべきひどい奴だな、と思えるし、母親が昔の知り合いの男性とデートしたりすると、よくそんなことができるな、と腹が立ってくる、という具合でいつのまにか感情移入してしまいます。

石神のしくんだ母と娘のアリバイ工作について考えていると、完全にこちらまでだまされてしまいました。一種の叙述トリックともいえるでしょう。

そのトリックとからむ真相についてですが、「やはりそこまではやらないだろう」というのが一点。それと、「与えられた資料だけからは、(物理的に)湯川博士は真相に到達し得ないだろう」、というのが一点。以上が若干引っかかったポイントです。後期クイーン問題みたいな話なので、言うだけヤボかもしれません。

真相がすごくて完全に想定外だったので、やられた感は相当強かったです。
『白夜行』 『超・殺人事件』 についで、(今のところ)三番目に気に入った東野作品でした。
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by bibliophage | 2005-10-19 08:07 | ミステリ-
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