ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『パイロットフィッシュ』 ソフトで快適にした春樹的世界
d0018433_28893.jpg著者:大崎善生 
書名:パイロットフィッシュ
発行:角川書店
購入動機:著者のファン
快適度:★★★★★

私は大崎氏の文章が好きです。ダ・カーポの西荻日記は必ず読みます。文に温かみがあって、ジョークのツボがいいです。ダジャレ好きで週一回行きつけの店でダジャレ大会、というのも笑えます。「将棋の子」もとても面白かったです。

40過ぎの編集者である「僕」(山崎)に、大学時代の恋人だった由希子から19年ぶりに電話がかかってきます。それから、由希子との出会いから別れまでの昔の記憶と、出版社での仕事や編集長沢井の死という現在の状況との間を行きつ戻りつして話が進みます。

とにかく話の流れがうまくつながっていて、伏線が必ず後で効果的に働いてきます。恋人を寝取られたスウェーデンのバンド(アバ?)の女性の話が最初の方で出てきて、同じような状況になった由希子はその話になぞらえて「僕」に別れを告げます。ここが最高にいい場面です。

優しい性格の「僕」は、色々な薀蓄を傾けながら料理もし、女の子とも仲良くなって…って何かに似てると思ったら、村上春樹じゃないですか。実際、大崎氏のインタビューを読むと彼は相当な春樹ファンのようです。
 
とにかく、久しぶりに気持ちのよくなった小説でした。これはおすすめです。
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by bibliophage | 2005-04-15 02:14 | その他小説
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