ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『下流社会』 耳の痛い事実を無理やり教えてくれる本
d0018433_1215829.jpg著者:三浦展 
書名:下流社会
発行:光文社
正論度:★★★★☆

マーケティングの専門家三浦氏による二極化する階層の分析。

「下流とは、単に所得が低いということではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、…総じて人生の意欲が低いのである。」(「はじめに」より)


売れています。確か35万部と新聞広告にありました。タイトルが上手いです。内容から言うと「二層化社会」という方が正確ですが、それだと売れないでしょうね。
おおざっぱに言えば、意欲・向上心を持たなくなった中流が下流に流れていって、上流との2層になる、という内容です。

第一章:中流化から階層化に社会がシフトすると、「中」に集中して大量生産するのではなく、「上」向けの高級品を売ることが必要になり、トヨタのレクサスや新宿伊勢丹メンズ館の高級化がこの例である、という主張はなるほどと思います。「LEON」が人気なのもそのせいでしょうか。

第二章:女性を、ミリオネーゼ系、お嫁系、普通のOL系、かまやつ系、ギャル系の5つに、男性はヤングエグゼクティブ系、ロハス系、SPA系、フリーター系の4つに分類し、消費者としての傾向を論じます。こういう類型化は無理があることが多いですが、この場合はインタビュー調査などに基づいていて、それなりに説得力があります。

第三、四章:特に団塊ジュニアの世代の下流化についての話。
第五章:「自分らしさ」を求めるのは下流の意識である、という厳しいご意見。『ドラゴン桜』の例をあげ、生活態度を改めて努力すべきことを語ります。
第六、七章:団塊ジュニアの階層別の消費と趣味のトレンドを調査に基づいて述べます。「下層」男性は、政治意識が強く、フジテレビとスポーツ観戦が好き、というのが興味深い点でした。

全体を通して気になった点は、調査・集計の標本数が少ないこと、上・中・下の分類が個人の意識という主観的な指標でなされていること、でした。
感心した点は、新しいものを取り入れるのが上手いこと。(「ロハス」「ドラゴン桜」に加え、斎藤環 『負けた教の信者たち』 の引用など。)また、下流に対するはっきりとした叱咤激励の態度です。ウザく感じられるかも知れませんが…。
未読の方は、立ち読みで「はじめに」だけでも読んでみるとよいと思います。
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by bibliophage | 2005-11-16 01:26 | 新書
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