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ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『鎮火報』 情報としては面白い
『鎮火報』 情報としては面白い_d0018433_0201496.jpg著者:日明恩(たちもりめぐみ) 
書名:鎮火報
発行:講談社
くすぶり度:★★★☆☆

『それでも、警官は微笑う』で第25回メフィスト賞を受賞した日明氏の作品。

不法滞在外国人のアパートばかりを襲う不審な火事。新米消防士の大山雄大は、知り合いの資産家、守らの力を借りて犯人を追う。

消防士の仕事・日常生活が細かくわかるというユニークさがあり、キャラクターも立っています。
雄大:主人公。不良あがりでいい加減だが、熱血漢です。
守:中年の謎の金持ち。盗聴などの情報収集力あり。
仁藤:雄大の幼なじみにして先輩消防士。マジメで自他ともに対し厳しい。

設定は結構面白いのですが、いかんせんリーダビリティが低い。雄大の一人称で、不良っぽさを強調するためのふざけた物言いや、多用される体言止めがうるさい印象です。最初の部分で慣れるまでは、何回か挫折しそうになりました。ノベルス版で分厚いし…。

真犯人とその動機については、あまりぱっとしない感じがしました。ミステリーというよりエンターテインメント情報小説という方が正しいでしょう。外国人の問題についてはよくかかれていると思いました。ニャン救:ネコを救う仕事、というものもあるのには笑いました。

続編を意識して守についての謎がそのままになっているのも、(私にとっては)ネガティブでした。シリーズ新刊『埋み火』が出ていますが、現在のところまだ食指が進みません。
by bibliophage | 2005-11-24 00:44 | ミステリ-
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