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ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『砂漠』 新たな青春小説に感動…なんてことは、まるでない。
『砂漠』 新たな青春小説に感動…なんてことは、まるでない。_d0018433_122215.jpg著者:伊坂幸太郎 
書名:砂漠
発行:実業之日本社
青春度:★★☆☆☆

伊坂氏の一年半ぶりの書き下ろし長編。

仙台の国立大学に入学した僕(北村)。僕には、遊び好きの鳥井と愚直な西嶋という友人ができた。僕らは、無口で超能力を持つ南、クールビューティーの東堂の二人の女性となぜか麻雀を打つ。僕たちはその後、ある事件に巻き込まれ、鳥井が大怪我をする。

う~む。期待して読むと大きくはずれると思います。
大学の新入生の話というのは、非常にありふれた題材であって、そこを伊坂氏がどう料理するかが見物。しかし、最初の「春」の章では何も事件は起きないし、謎も提示されません。

キャラクターはそれなりに立っています。西嶋に存在感があって、行動の意外性が面白い。しかし、モデル並の容姿の女性がこういう変な男に惹かれる、という設定がまた漫画的というか、よくある話だと感じられました。
「夏」の章から事件が起きていきますが、常に話は淡々と流れていきます。最後に鳥井の活躍する場面でようやく盛り上がりが見られました。

相変わらず文章は軽やかでノリがいいのですらすらと読めます。ですが、全体的にはTVドラマのノベライズといった印象でした。
直木賞候補だった伊坂氏、こんな調子で大丈夫でしょうか?
by bibliophage | 2005-12-16 01:07 | その他小説
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