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ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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疑惑の韓国ES細胞論文
ソウル大学黄教授のヒトES細胞についての論文が、でっちあげである疑惑が報じられました。 →asahi.com

そもそもES細胞とは、発生初期の細胞で、無限に増殖し、どんな細胞にもなり得る(=多分化能を持つ)もののことです。
(→・ES細胞とは) 
1981年にマウスではじめてつくられ、ブタ、サルと来て、1998年ヒトでも作製されました。この時は、体外受精で余った受精卵からES細胞を作っています

黄教授の場合は、未受精卵の核を抜き、そこに患者の皮膚細胞の核を入れ込んでいわゆるクローン胚を作って、そこからES細胞を作ったことが画期的だったわけです。
このES細胞は、多分化能があるため、その患者に必要な臓器の細胞(神経細胞など)を(拒絶反応がない形で)作りだすことが理論上可能であり、再生医療の発展に大きな寄与をした、と考えられていました…最近までは。

クローン胚は、胎盤に入れるとクローン人間の誕生につながるため、キリスト教の影響が強い先進国中心に厳しい研究の制限が設けられてきました。韓国はこの制限を大幅に緩和して進めた結果、すなわち倫理無視で抜け駆けで突っ走ったことで、この分野で独走することができた…ハズでした。

そのES細胞自体が実は存在していなかった(または途中で使い物にならなくなった?)らしいです...orz

国民的英雄の失墜で韓国の受けた衝撃は大きく、「国辱の日」と言われています。
きっと、netで嫌韓厨の韓国叩きが吹き荒れたことでしょう。

とはいっても、日本でも同様の論文疑惑は多数報じられています。
(→阪大の例。 他にも東大工学部 RNA 関連 ) 
競争の激しい最先端の科学の世界では、どこの国に限らず、起こりえることなのです。

・ES細胞疑惑について詳細なblog↓
   end-point     幻影随想
by bibliophage | 2005-12-17 02:39 | ニュース関連
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