ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『金春屋ゴメス』 ユニークな設定の時代小説
d0018433_647102.jpg著者:西條奈加 
書名:金春屋(こんぱるや)ゴメス
発行:新潮社
ファンタジー度:★★★☆☆

第17回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

近未来、「江戸」は北関東から東北にまたがる領土を持ち、日本から独立した国だった。辰次郎は運良く江戸入国を果たし、奉行所の配下として働き始める。江戸では鬼赤痢と呼ばれる伝染病が流行っていた。辰次郎は奉行のゴメスの指示の下、その原因を探り始める。

設定がとてもユニークです。タイムスリップせずに同時代に昔の江戸を存在させた点。大賞受賞の理由はまさにこの構想にあると思われます。
登場人物では奉行のゴメスの存在感が際立っており、冷酷無比、非道のむくつけき親分で、仁王のようなイメージです。そのくせ実はXXXであるというのも意外性があり笑えます。

江戸時代の風俗・考証も色々と考えられていて丁寧に書かれているという印象を受けました。また、感染症ネタの落とし所も納得できるものでした。

ただ、メインの話は全く普通の時代小説であり、これがファンタジーノベル大賞だと言われるとやはり違和感が…。もう少し現代とのずれをストーリーに組み込まないと、構想倒れといわれかねないと思いました。

かの 『後宮小説』 や 『バルタザールの遍歴』 を輩出した輝かしい同賞の過去を考えると、少し寂しい気がしました。
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by bibliophage | 2005-12-28 06:48 | その他小説
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