ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
『少女には向かない職業』 小娘ハードボイルド
d0018433_10533033.jpg著者:桜庭一樹 
書名:少女には向かない職業
発行:東京創元社
クール度:★★★★☆

「このミステリーがすごい2006年版」第20位。

中学2年生の大西葵は学校では冗談好きな明るい少女。一方家では、母、アル中の義父と鬱屈した暮らしを送っていた。そんな時、クラスでは目立たない宮乃下静香と友人になる。ある日、静香の考えたいたずらのせいで、人が死ぬハメに。実行犯となってしまった葵に静香はつぶやいた。「あたしも殺したい人がいるから、今度は協力してね」と。

なかなか面白いです。
外面とは異なり、内省的な性格の葵の一人称で、中学生の女の子同士の会話や行動が、とても鮮明に描写されています。葵の気持ちの移り変わりがとても自然に受け止められます。下関の島の風景も、目に浮かぶように描かれていました。
この段階で、ライトノベルではなく「初の一般向け作品」という触れ込みにウソはないと思いました。
後半、静香の告白の後から、何が真実なのかが判然としなくなってきます。「わらの女」の引用で、よけいわからなくなり、一気にクライマックスの巨大迷路の場面へ…。
1件目は殺人というより事故ですが、2件目は立派な事件です。
どうなることかと思ったら、ああ、そういう結末なんですね…。まあ、これも1局というところでしょうか。

特に前半の描写力には感心しました。桜庭氏は少女の気持ちがよくわかるようです。(←あ、すみません、女性作家だったのですね…。)
[PR]
by bibliophage | 2006-01-03 10:56 | ミステリ-
<< 直木賞(+芥川賞)候補作発表と... 謹賀新年 >>