ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『夜市』 プロットが全く新しい作品
d0018433_12385788.jpg著者:恒川光太郎 
書名:夜市
発行:角川書店
斬新度:★★★★★

第12回日本ホラー大賞受賞作。さらに、いきなり直木賞の候補に!

大学生のいづみは高校の同級生裕司に不思議な夜の市に誘われた。裕司の目的は、幼少時にいなくなった弟を買い戻すことだった。彼らは穏やかな老紳士に出会い、人さらいの店をみつけだした。夜市から出るためには、必ず何かの品を買わなければならない。裕司は弟を連れて帰れるのか。(『夜市』)

これは、面白いです。
辛口の審査員3名、荒俣、林、高橋各氏とも珍しく絶賛していました。
文章は淡々としているのに、情景が浮かんでくるようだし、何より話の構成がユニークです。物語の途中でオチがわかるのですが、よく考えられているなぁ、と感心。こんな話は聞いたことがありません。
スプラッターのホラーの対極にあるような、ダーク・ファンタジーという印象でした。
日本ホラー大賞(特に短編)は本当にレベルが高いです。

書き下ろしの『風の古道』も、不思議な異空間の道に紛れ込んだ少年たちの話です。雰囲気は『夜市』に似ていますが、趣向は全く異なり、こちらも楽しめました。
(一ヶ所、「全体的な状況では正当防衛かもしれないが…」のくだりは12歳らしくない物言いですねぇ。triviaですが。)

次回作がとても待たれるところですが、今度はかなり毛色の違うものを書く必要がありそうです。その時は、また直木賞候補になって、朱川湊氏に続くかもしれません。(さすがに今回は無理でしょう。)
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by bibliophage | 2006-01-09 12:41 | その他小説
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