ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『スープ・オペラ』 おいしい小説
d0018433_12504897.jpg著者:阿川佐和子 
書名:スープ・オペラ
発行:新潮社
ソープオペラ度:★★★★☆

エッセイスト阿川氏の長編小説。

主人公ルイは35歳独身。叔母であるトバちゃんとずっと二人暮らしを送っていた。でもある日突然、トバちゃんは彼氏ができて、家を出ることになった。それから一ヶ月、ルイは60台の画家トニーさん、若い編集者康介の二人と出会い、三人による奇妙な共同生活が始まった。

私は、インタビュアーとしての阿川さんの大ファンです。週間文春の対談「この人に会いたい」は必ず読みます。あのインタビューの魅力は、阿川さんの下調べの見事さと人間性の前に、相手の本質があぶり出されていく点だと思います。ちなみに今週は茂木健一郎さんでした。

さて本書ですが、場面場面で料理、特にスープがいろいろと出てきて、とても食欲をそそる内容でした。soap ならぬ soup opera なんて上手いタイトルですね。
主人公が受動的な性格のせいか、話は淡々と流れていく感じですが、トニーさん、康介、タバちゃんなどのキャラクターが面白く、すらすらと読めます。
一番魅力的なのはやはりトニーさんで、生き別れたルイの実の父親なのかという謎もあり、かつ「センセイの鞄」的な雰囲気も漂って、不思議な人物でした。

作品には作者の内面が少なからず反映されると思いますが、性格はいいけれど、ちょっと覚めている感じの主人公ルイはまさに阿川さんのイメージでした。登場人物が、俗物の小説家を含めて、結局は良い人として描かれるという点は、個人的には好みではありませんが、これも作者の世界観を反映しているのでしょう。

ほのぼのと温かい作品が好きな方にはおすすめできると思います。
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by bibliophage | 2006-02-11 12:54 | その他小説
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