ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『K・Nの悲劇』 タイムリミット・幽霊・サスペンス
d0018433_23563697.jpg著者:高野和明 
書名: K・Nの悲劇
発行:講談社(文庫)
娯楽度:★★★★☆

「13階段」の高野氏の三作目。

夏樹果波は幸せの絶頂にあった。フリーライターの夫の本がベストセラーになり、高級マンションに引っ越すことになったからだ。しかし、ここで果波は妊娠してしまう。夫の修平は、経済的理由から中絶を望んだ。するとその後から、果波にもう一人の人格が現れてそれを拒むようになった。これは精神疾患か、それとも憑依現象か?修平はその解明を、精神科医の磯貝に依頼した。

相変わらずリーダビリティが高くて、なかなか読む手が止まりません。
ポイントは、果波の状態は病気か霊障か、その一点です。純粋な精神疾患とする磯貝の意見と、霊のしわざだと思う自分の考えの間で、修平が右往左往するところが一番面白いところでしょう。
霊をビデオに収めようとしたり、真っ暗な神社の中を真夜中に歩いていったりするところは、かなり怖いです。

途中からタイムリミット・サスペンスになるところがまた上手い。元映画スタッフだけあって、この人の作品は本当にイメージが浮かんでくる面白さです。
最後がこういう感じで終わるのは、個人的にはあまり好きではありませんが…。

一種のホラー小説を、母性の問題と真面目に絡める、というのもなかなかできることではありません。超一流のエンターテインメント作家だと再認識しました。
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by bibliophage | 2006-02-18 23:58 | ミステリ-
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