ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『喜劇の手法』 客を笑わせる技術
d0018433_23514686.jpg著者:喜志哲雄 
書名:喜劇の手法 笑いのしくみを探る
発行:集英社
詳述度:★★★★☆

英米演劇の専門家による喜劇の分析。

「シェイクスピアなりモリエールなりという劇作家が、どんな手法を用いて観客を(または読者を)笑わせるかを吟味するのが、この本の主な目的なのである。(序より)」

変装、双生児、誤解、傍白、スラップスティック、パスティーシュ、夢など計23種類の喜劇的手法について、豊富な作品例を用いて、説明しています。
解説される喜劇の例としては、シェークスピア「十二夜」「間違いの喜劇」「じゃじゃ馬ならし」「尺には尺を」、オスカー・ワイルド「真面目が大事」、バーナード・ショー「ピグマリオン」、モリエール「守銭奴」、ジョルジュ・フェードー「自由交換ホテル」、ニール・サイモン「おかしな二人」、サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」、グレアム・グリーン「慇懃な恋人」、ゴーゴリ「検察官」、エドモン・ロスタン「シラノ・ド・ベルジュラック」などなどです。

有名な作品のあらすじをこれでもかと投げつけてくる本書はとても刺激的で、自分がいかに戯曲というものを知らなかったがわかりました。

「笑い」が生じるためには、事件からある程度の距離を保つことが必要で、劇においては、劇中人物には未知の情報(ある男の妻は不倫しているetc)を観客に与えることがおこなわれる、などという指摘も私には新鮮なものでした。

読み始めた当所は、各作品における欧米人の登場人物の名前が覚えにくく、説明がやや堅苦しいことで、若干苦労しましたが、この新書一冊に書き込まれた圧倒的な情報量には感嘆しました。
あとがきの最後がまたカッコイイです。
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by bibliophage | 2006-02-22 23:52 | 新書
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