ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『熊の場所』 煙か土か村上春樹
d0018433_6295515.jpg著者:舞城王太郎 
書名:熊の場所
発行:講談社(文庫)
猛進度:★★★★☆

『阿修羅ガール』で三島賞を受けた舞城氏の短編集。

1.「熊の場所」: 小学生の僕は「まー君」が猫を殺しているのを知ってしまった。その恐怖に打ち勝つために、僕は彼と友達になった。この村では、次に犬がいなくなり、ついに人間まで行方不明になった。
2.「バット男」: バットをやたらに振り回しては、逆にみんなにいじめられているいかれた男。僕の同級の亜紗子はその「バット男」とやったらしい。彼女はバスケ狂いの大賀が大好きで、彼の気を惹きたいがために他の男と仲良くしてしまうのだった。
3.「ピコーン!」: 哲也と私は暴走族の仲間。哲也はケンカっぱやいけど、セックスは最高。でもIQの高い私は、この状況から脱出しようと大検の勉強をする。哲也にもきちんと働いて欲しい私は、彼に頼まれるままに唇で奉仕する。

相変わらず、1文の長い特異な文体が、機関銃のようなリズムで、炸裂していきます。サーフィンをするようにこの文章にうまく乗れれば、舞城ワールドを堪能することができるでしょう。

私はこの中では表題作「熊の場所」が最も面白く、何やら村上春樹作品をイメージしてしまいました。それは、内容をほのめかしながら進む文章や、「熊を射殺する」という象徴的エピソードを挿入してある構成、のためではないかと思います。井戸の中の描写もあったし…。って、全然似てないかもしれないですが…。
また、男の子が発達の段階で通過する同性愛的な傾向や、性のめざめについての描写が、素晴らしいと思いました。

バット男」は一言で言うと、「ボーダーライン」の女性の話。前半と後半のつながりがイマイチよくわかりませんでした。
ピコーン!」は、4文字言葉が頻出・続出。カラッとした描写なのであまり気にはなりませんが…。推理小説仕立てのところは 『煙か土か食い物』 風で、犯人像は 『阿修羅ガール』 風でした。この作品中に村上春樹の引用あり。

文庫185ページなのでサクッと読めてしまいます。
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by bibliophage | 2006-03-10 06:33 | その他小説
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