ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『感染症は世界史を動かす』 ペストから鳥インフルエンザまで
d0018433_6595795.jpg著者:岡田晴恵 
書名:感染症は世界史を動かす
発行:筑摩書房
警鐘度:★★★★☆

感染免疫学の専門家による感染症の世界史。

「しかしスペインかぜウイルスの場合のように、鳥のウイルスがそのまま人型に変身した場合には、…強い病原性は、…新型ウイルスに引き継がれる可能性が高い。(本文より)」

タイトルが抜群にいいので、これだけでもかなり部数を稼いでいることでしょう。
取り上げられている感染症は、
ハンセン病・ペスト・梅毒・結核・インフルエンザです。
いずれも多くの歴史資料に当たり、当時の社会の状況とからめて感染症の実態を伝えています。ペストと中世、梅毒とルネサンスなど。

まるで見てきたかのように語る文章で、劣悪な衛生状態・過酷な労働条件・堕落した聖職者などの様子が目に浮かびます。ただ、内容が重複してちょっと冗長な印象を受けるところもあります。

が、現代のインフルエンザの話になると、トーンが一転してシャープで科学的な描写になります。
今、世の中を騒がせているH5N1型の鳥インフルエンザがなぜ怖いのか?…ウイルス表面のHA蛋白が体中すべての細胞に入りやすい構造であり、全身感染を起こし、致死率50%の高毒性であるからです。現在はトリからヒトに感染している状況ですが、もう一変異が加わりヒトからヒトに感染する型になると、大変なことが起きます。輸送手段の発達した現代では、感染は飛行機に乗ってあっという間に…。
この辺りの恐さがよく理解できました。

感染症恐るべし、です。
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by bibliophage | 2006-03-23 07:00 | 新書
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