ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『モーツァルト 天才の秘密』 モーツァルトの伝記、決定版。
d0018433_8475672.jpg著者:中野雄 
書名:モーツァルト 天才の秘密
発行:文芸春秋
神童度:★★★★★

音楽プロデューサー中野氏によるモーツァルト伝。

「仮に器楽作品や宗教音楽が一曲も書かれなかったとしても、《歌劇 フィガロの結婚》の作者でさえあれば、モーツァルトの名は音楽史に「革命児」として刻まれ、末永く語り継がれることになったであろう。(本文より)」


これは面白い。
モーツァルトがいかに天才であったか、どうして天才に成り得たか、そのわりに定職に就けなかったのはなぜか、などがこの本を読むとわかります。

最高の音楽教師であった父、本人の桁外れの学習能力、就職活動のための繰り返される演奏旅行、優れた他の才能との出会い、などがモーツァルトの中で交じり合って素晴らしい作品群として昇華されたようです。

d0018433_84816100.jpgアマデウス」で描かれたあの軽薄モーツァルトはここには存在しません。当時の音楽の最高権威サリエリは彼を問題にしていなかったようで、毒殺などありえないハズです。

また、各章末に書かれるおすすめCDの解説が、音楽プロデューサーならではの名表現にあふれています。
「ターティスはヴィオラを…独奏楽器として市民権を獲得せしめた歴史的巨人。歌舞伎の大見得を切るような演奏で、第二楽章はまさに号泣。(協奏交響曲変ホ長調 K364)」

モーツァルトの音楽表現が深く難しくなり過ぎていき、オペラで被支配階級にスポットライトを当てた結果、ウィーン貴族から見放されて落ちぶれる様は悲哀に満ちています。

d0018433_848345.jpg久々に新書で感動しました。プロローグを読むときっと全部読みたくなると思います。

今年はモーツァルト生誕250年、ということで記念CDがたくさん売り出されていました。
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by bibliophage | 2006-03-26 08:49 | 新書
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