ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『無痛』 メディカル・ノワール
d0018433_1194284.jpg著者:久坂部羊 
書名:無痛
発行:幻冬社
暗黒度:★★★★☆

大阪大出身の医師・作家久坂部氏の三作目。
覆面作家かと思っていたら写真が載っているblogがありました。

<神戸の閑静な住宅街で、一家4人を襲った凄惨な殺人事件が起きた。その近くで粗末な診療所を営む為頼と、先端医療の病院の院長で天才外科医の白神。二人の対照的な医師に共通する点は、患者を診るだけで余命がわかる力だった。臨床心理士の菜見子、その元夫でストーカー行為を続ける佐田、そして白神の患者で痛覚が先天的に欠如した伊原。彼らの間の複雑な関係によって、新たな事件が発生していった。>

またもや衝撃作登場。
私はこういうのも好きですが、一般的にオススメかは疑問w。
同じ医師作家でも『チーム・バチスタ…』の海堂氏なら、久坂部氏は明らかに。この作品からも、オドロオドロしさが立ち昇ってきます。
途中に「カタルシス」を通り越してしまうエグい場面が登場しますので、要注意。この辺が作者の真骨頂でもあるのですが…。

為頼と白神。二人の医師の超診断力はなかなか面白い発想なので、その力比べになるのかと思うと、さにあらず。
最大のインパクトは無痛症のキャラ伊原でした。ちょっと『脳男』を思い起こしました。忘れられない名文句…「時間です」。

医学ミステリーとして、保険の混合診療の問題や刑法39条の心身喪失の問題なども作品中に取り上げています。特に後者は、メインプロットの一つ。
しかし、「生来犯罪者説」や「犯罪者に共通する外見的特徴」はさすがにアウト・オブ・デートで、小説とは言え、かなりつっこまれそうな所だと思われます。
triviaとして、「為頼は亡き妻のガンをなんでもっと早期に見つけられなかったんじゃ!」と書いておきます。超診断力の限界なのか?

厚い本(508ページ)ですが、すらすらと読めました。リーダビリティの高さはさすがです。最後が to be continued になっており、ターミネーターは帰って来そうです。怖っ…。
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by bibliophage | 2006-05-22 01:23 | ミステリ-
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