ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『ワイルド・ソウル』 打倒ブラジル!
d0018433_11232476.jpg著者:垣根涼介 
書名:ワイルド・ソウル(上・下)
発行:幻冬社(文庫)
迫力度:★★★★★

垣根氏の最高傑作、文庫化。

<1961年、日本からブラジルへの移民船に衛藤は乗っていた。バラ色のうたい文句とは逆に、アマゾン奥地は農業には不適なジャングルだった。入植者たちは次々に感染症で死んでいく。そこを逃げ出した衛藤は後年、その地で生まれたケイ、松尾らとともにある計画を実行する。>

確かにこれは文句なしに面白かったです。
前半はドキュメンタリー風、南米移民たちの悲惨過ぎる生活の話。後半は、エンターテインメント犯罪小説。スケールが大きい話ですねぇ。

特に前半の移民生活。綿密な取材によって、ブラジルの情景が浮かび上がってくるような見事な描写になっています。衛藤らが苦労に苦労を重ねる様は、読んでいるのが辛いほどの臨場感。彼らといっしょになって、外務省の棄民政策とブラジル政府の対応のひどさに腹が立ちました。こんな国にサッカーで負けてはいけませんw。

後半も、女性記者貴子とケイのラブストーリーをからめた痛快な復讐劇が炸裂します。松尾が首都高を改造車で爆走する描写は凄い迫力。ニュース製作の現場、警察の人質救出作戦なども真に迫っていました。

完全にブラジル人気質のケイが魅力的で、映画化であれば金城武しかいないだろう、と思いました。
ちょっと後味良く作り過ぎの感じですが、前・後半で2作分楽しめるので、不満はありません。
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by bibliophage | 2006-05-27 11:25
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