ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
『オシムの言葉』 壮絶、ユーゴ崩壊
d0018433_7232497.jpg著者:木村元彦 
書名:オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える
発行:集英社
緊迫度:★★★★★

新しく日本代表監督となったオシム氏のサッカー人生。ベストセラーになっています。

<W杯で母国をベスト8に導き、ギリシアでカップ戦を制した名将が退団を表明するや、レアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘンを筆頭にあまたのオファーが殺到した。(本文より)>

W杯での日本惨敗の直後、川淵氏の口すべり事件を機に、あっと言う間に決まったオシム監督就任。当時、書店は軒並みこの本の在庫がなく、図書館では予約28番目でした。7月に入って増刷されてやっと手に入りました。

この本はすごい!多くのインタビューに基づいた充実した構成。
東欧民族問題の専門ジャーナリストである木村氏入魂の作品といえるでしょう。

1990年W杯の初戦。セルビア、クロアチア、ボスニア、モンテネグロ、ムスリムという他民族からなるユーゴの代表監督であったオシムは、うるさい各国記者の意見どおりに攻撃タレント重視のオールスターメンバーで先発を組み、わざと(!!)負けてみせた、という。
記者らを沈黙させた以後は、適材を選んでベスト8まで進んだ。
なかなかできることではありません。

1992年4月にセルビア包囲戦が始まり、家族と会えなくなったオシム。彼は代表監督をやめ、ユーゴチームもヨーロッパ選手権会場スウェーデンから強制送還になってしまいました。

彼の言葉が含蓄を含んで直接的でないのは、このユーゴでのストレスフルな監督経験からきているようです。

今回のドイツW杯の対オーストラリア戦をみて、監督の能力にいかに差があるかよくわかりました。その上でこの本を読むと、オシム・ジャパンへの期待がますます高まります。最低な状況の現在の日本代表。オシムはここにやり甲斐を見出したに違いありません。

まずは誰が新生の代表に選ばれるのか。走って踊れる(?)選手とは?興味深々です。
[PR]
by bibliophage | 2006-07-13 07:26 | 評論
<< 『プリンシプルのない日本』 カ... 祝!W杯イタリア優勝 >>