ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『プリンシプルのない日本』 カッコ良過ぎるジェントルマン
d0018433_13213534.jpg著者:白州次郎 
書名:プリンシプルのない日本
発行:新潮社(文庫)
直言居士度:★★★★★

最近ブーム化していて出版物が相次ぐ白州次郎。その彼が直接つづったエッセイ集。

「西洋人とつき合うには、すべての言動にプリンシプル(原則)がはっきりしていることは絶対に必要である。…残念ながら我々日本人の日常は、プリンシプル不在の言動の連続であるように思われる。(本文より)」

第二次大戦後の日本に、こんなカッコ良い人物が存在していたことにいたく感動しました。

1902年に兵庫の裕福な家庭に生まれた白州次郎は、青年期の9年間を英国で暮らし、ここでプリンシプルを持った考え方を身につけた。英国大使だった吉田茂と知り合い、45年の敗戦後外務大臣になった吉田を助け、占領軍相手の交渉を担当した。51年のサンフランシスコ講和条約締結時には、全権団として訪米。その後東北電力の会長を務めながら、政財界に対して厳しい提言を繰り返した。

凄いと思ったのは、国際情勢を良く知っていたため、42年に敗戦と食料不足を予測し、田舎に引越して農業を始めたこと。また、占領軍相手にも堂々と渡り合って自説を曲げなかったこと。
かと思うと、戦後の日本の繁栄は、アメリカの協力に負うところが多いことを素直に認め、「安保」なくしては日本の防衛は成り立たないことも書いています。さらに、学生運動に対しても「自分は同情的である」と語るなど、保守や革新といった立場でくくれないような、非常に論理的・客観的でまさにプリンシプルを体現したような人物です。

このようなさわやかな人物が現代の日本にいるでしょうか?少なくとも政治家にはいないでしょう。

是非、青柳恵介氏による評伝「風の男 白州次郎」も読んでみたいと思いました。
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by bibliophage | 2006-07-16 13:25 | 評論
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