ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『史記』 その5  前漢統一の後
d0018433_23334642.jpg著者:横山光輝 
書名:史記 第7、8巻
発行:小学館(コミックス、My First WIDE版)
骨肉闘争度:★★★★☆

横山漫画「史記」のフィナーレ。劉邦死して世乱れる。

第7巻「後継者争い」:

劉邦は前漢統一後、歴戦の部下を粛清した。韓信、彭越、黥布など。蕭何(しょうか)だけがなんとか最後まで生き延びる。劉邦死して後、実権を握ったのは皇后だった呂后。彼女は、劉邦の寵愛を独占した戚姫の手足を切断して復讐。呂氏一族は国を支配したが、陳平と周勃(しゅうぼつ)の働きで呂后死後2ヶ月で滅ぼされた。その後、漢には官僚が育ち始める。文帝を補佐した直言居士の袁盎(えんおう)、景帝の側近となった晁錯(ちょうさ)。しかし、晁錯のとった厳しい中央集権政策に対して呉楚七国が反乱を起こす。晁錯は殺害され、呉王の死によってこの反乱は鎮圧された。

第8巻「義に殉ずる」:

北方民族の話と史記に書けなかった人物たちの列伝。
秦の蒙恬によって追い払われた匈奴。前209年になり、冒頓(ぼくとつ)は父を殺して単于(ぜんう、=君主)となった。そして東胡や月氏を征服し、前漢に匹敵する一大国家を作り上げた。その後、漢朝では、7代の武帝が歴代の友好政策を放棄し、匈奴を追い詰めた。始皇帝をしのぐ領土を手にした武帝は、仙人になるための儀式「封禅」をおこなった。
恩義に対して命をかけて答えた晋の余譲と斉の聶政。遊侠の徒として活躍した朱家や郭解。法による厳しい取締りをおこなった漢朝の郅都、寧成、王温舒。杜周の厳しい裁きは武帝に気に入られ、副宰相にまで出世した。

やはり史記は、春秋戦国の時代や項羽と劉邦の頃が最も面白いですね。漢朝が成立してからは、粛清、内輪もめがひどいし、大きな人物が現れないしでもうひとつでした。
全体を通して、史記というのは「人物にスポットを当てて書く事で、歴史を生き生きと描き出している」という指摘を実感できました。人物描写ということでは、横山氏に勝る漫画家はいないでしょう。ぴったりの相性だと思います。

全巻通じて最も心に残った人物は韓信でした。
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by bibliophage | 2006-07-25 23:46 | 漫画
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