ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『凶笑面』 民俗学ミステリー
d0018433_20315414.jpg著者:北森鴻 
書名:凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルⅠ
発行:新潮社(文庫)
本格度:★★★☆☆

鮎川哲也賞作家北森氏による民族ミステリー短編集。ダカーポおすすめ。

<東敬大学助教授、端整な顔立ちの女性学者、蓮丈那智。今日も彼女の元には、不可思議な風習についての民俗学的調査の依頼が届いていた。助手の内藤三國を連れて現地に赴く那智だったが、なぜか彼らは殺人事件に巻き込まれていく。>

解説に書かれているように、ひとつひとつの話にかなりの資料が使われていて、とてもハードワークだと思いました。横溝正史作品のようなおどろおどろしさに走らず、民族学の面白さを取り入れた点でとてもユニークな作品と言えると思います。

しかし、ちょっと読みにくいのが難点。持って回った言い方も好きになれませんでした。
例:声は続かなかった。怒りとは別の感情が、声帯の機能を停止させたらしい。
d0018433_20331395.jpg
また巻頭に、諸星大二郎先生の「妖怪ハンター」に捧ぐ、とありましたが、比較するとかなりあっさりした印象。もう少しエグさがあってもいいかも。

主人公の蓮丈那智は能面のような印象で、美人のようですが、萌えキャラではないですねw。


法月綸太郎氏による分析では、
1. 民族学的調査依頼
2. 関係者の殺害
3. 民俗学的討論と事件のデータ提示
4. 民俗学的謎と殺人事件の解決
というパターンを持ち、助手の三國を含めてシャーロック・ホームズの様式を踏襲している、とのことでした。

密度が濃い作品であることは確かなので、今度は長編の方を読んでみたいと思います。
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by bibliophage | 2006-09-18 20:35 | ミステリ-
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