ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『安徳天皇漂海記』 マルコの冒険
d0018433_063994.jpg著者:宇月原晴明 
書名:安徳天皇漂海記
発行:中央公論社
怪異度:★★★★☆

山本周五郎賞受賞。ダカーポ誌上でかの豊崎・大森コンビが一押し。

<源実朝は鎌倉3代将軍ではあったが、実権は北条氏に握られ、和歌の世界の人となっていた。ある日、実朝は従者の若者とともに江ノ島の洞窟に導かれ、壇ノ浦に沈んだはずの安徳帝が琥珀に包まれた姿で存在することを知る。時・所は移ってクビライ・カーンに仕えるマルコ・ポーロ。マルコは帝のその不思議な話を聞き知っていたが、滅び行く南宋の少年皇帝の元で実際に安徳帝の姿を見ることになった。>

鎌倉歴史ファンタジーとでも申しましょうか。とにかく不思議な物語です。

パート1:実朝編。パート2:マルコ・ポーロ編。
パート1は「吾妻鏡」の記述に従い、実朝の歌をfeature しながら、安徳幼帝との不思議な出会いから実朝の死までを語ります。ややテンポが遅めで、古文が入ったりするので読み進みにくい印象がありました。
それに比してパート2はマルコ・ポーロが主人公で小気味好く話が進みます。彼は南宋皇帝の最期と安徳帝の昇天?を見届けます。

時折、素晴らしく美しい風景イメージ描写が出てきます。実朝を海へと導く真っ赤な幕の場面、南方の島での蜜でできた湖の場面など。

平家物語の名調子を中国風?に訳した節が心に響きます。
「サヘートの庭に響く鐘の音は
あらゆるものがうつろいゆくことを教えてくれる
サーラ樹の花の色は…」


先入観では「安徳天皇が生き返って大活躍!」かと思っていましたが、全然違いました。もしそうだったならライトノベルになってしまいますねw。
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by bibliophage | 2006-09-23 00:04 | その他小説
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