ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
『ドグラマグラ』 空前絶後のミステリー
d0018433_8271493.jpg著者:夢野久作 
書名:ドグラマグラ
発行:社会思想社、角川書店
幻惑度:★★★★★…∞ 

家畜人ヤプー』『虚無への供物』と並ぶ日本三大奇書の一つ。映画化もされています。

一回読んで驚愕し、二回目を読んで話の構成をノートして、三回目でようやく全貌が理解できました。

気がつくと「わたし」はコンクリート四方の部屋にいた。しかし、自分が何者であるのかわからない。やがて訪れた若林教授によって、「わたし」が九大の精神科の入院患者であり、前任の正木教授が考案した「解放治療」の被実験者であったことを知らされる。その正木博士は一ヶ月前に自殺したという。

・ 正木博士は、先祖の心理が胎児に伝わるという論文「胎児の夢」を書いた。
・ その証明のために「わたし」はある絵巻物を見せられた。
・ それを見た「わたし」の精神は…。


正木博士の実験は「空前の成功にして絶後の失敗」に終わります。この意味は?
正木博士の前任の斎藤教授の死の秘密とは?
正木博士と「わたし」の関係は?


以上すべての謎が最後に解かれます。『虚無への供物』と違って、話はミステリーとしてもきれいに着地します。

話がメタ構造になっているのと、「わたし」の「離魂病」のために時間がずれるのを気にせずに、途中の「キXガイ外道祭文」という歌を読み飛ばせばOKです。

最大のキーワードは「心理遺伝」。
作者が「十年考え、十年書き直し抜いた」という、まさに空前絶後のミラクル・ミステリーです。
[PR]
by bibliophage | 2005-05-05 08:33 | ミステリ-
<< 『そうだったのか手塚治虫』 わ... ラグーナ >>