ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『号泣する準備はできていた』 超絶なる感受性
d0018433_15191440.jpg著者:絵國香織 
書名:号泣する準備はできていた
発行:新潮社(文庫)
感覚度:★★★★★

直木賞受賞短編集。

「隆志から朝、電話があった。木がなくて電飾だけのクリスマスツリーの夢を見たと言う。彼とは旅先で出会って、同棲もしていた。だけど別の女性と仲良くなって、半年前に部屋を出て行った。今でも時々連絡があり、私は隆志のことを忘れられずにいる。(表題作)」

女流作家の作品は正直、不得意です。
「センセイの鞄」とか「博士の愛した数式」とか全くダメでした。

しかし、この短編集はとても良かった。
出てくる女性たちがちょっと暗くて、典型的な幸せ状態にはない所が気にいったのかも知れません。この設定で長編を書いてもおかしくないのに、と思うものが短編になっているので、密度が濃いと感じたからかも知れません。

アマゾンのレビューを見ると点数が低いのにちょっとびっくり。ハーレクインが好きで、安定を好むような女性読者には確かに受けないかも知れませんね。

話が余韻をもって終わるところ。決め細やかな情景描写。アンニュイというか、ちょっとさめたような会話。

この本を読んで、著者は並外れた感受性の持ち主なのだな、と感じました。
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by bibliophage | 2006-11-19 15:20 | その他小説
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