ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
『シャドウ』 複雑なプロット
d0018433_23282330.jpg著者:道尾秀介 
書名:シャドウ
発行:東京創元社
意外度:★★★★☆

このミス2007 第3位。

<咲枝が癌の再発で亡くなり、夫の洋一郎と小学5年生の息子鳳介が残された。そして、それを追うかのように、咲枝の友人の恵が飛び降り自殺をした。遺書には夫の徹を責める言葉が残されており、娘の亜紀は動顚の余り車にひかれてしまう。その後、洋一郎の言動におかしな点が目立つようになり、鳳介は精神科医の田地に相談をする。>

それにしても複雑なプロットを考えだしたものです。

各章の視点が違う人物のものになっており、同じ出来事も何人かの目で見ると、解釈が変わってくる。その点を上手く利用して謎を仕掛け、ほのめかしを多用して読者を煙に巻く。そういった作者の意図は成功していると思います。

文章もほとんど修辞を使わないシンプルなもので、すらすらと読み進むことができました。
鳳介君の探偵ぶりも良かったです。全体に、とても意外性に富む展開で、飽きることがありませんでした。

残念なのは、意外性を追求する余り、真実に必然性がないこと。もう少し伏線を入れないととても本格とは言えず、TVの2時間推理ドラマみたいに唐突な印象を受けてしまうかもしれません。あぁ、そうだったのか!感が乏しいのです。

面白いのは認めますが、第3位はちょっと買い被り過ぎかな…。
[PR]
by bibliophage | 2007-01-05 23:32 | ミステリ-
<< 『使命と魂のリミット』 手練の作品 『風光る』 少女漫画の醍醐味 >>