ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『使命と魂のリミット』 手練の作品
d0018433_6371942.jpg著者:東野圭吾 
書名:使命と魂のリミット
発行:新潮社
論理性度:★★★★★

「赤い指」に続く東野氏の最新刊。

<父健介が、東都大学で大動脈瘤の手術後に死亡した。当時中学生だった夕紀は、執刀医の医療ミスの疑いを捨てきれないまま、今研修医となって同病院の心臓外科に勤めている。そんな折、病院を爆破する、という警告文が届いた。不安な状況の中、財界の大物に対する心臓外科の大手術が開始された。>

上手いなぁ、という印象でした。
最近、医療モノはちょっと食傷気味でしたが、東野氏の手にかかるとかくも見事なお話が作られてしまうことに感心しました。

父の手術の執刀医、現在の教授である西園。その西園と母との関係。いきなり謎が出てきて、疑念が生まれ、話の内容に引き込まれます。
医療ミスによる被害と車の設計ミスによる被害。最近のトピックを対比させるように話が進んでいきます。

医療の現場についてもよく調べられていると思いました。また。犯人の大掛かりな仕掛けは、理系技術者であった東野氏ならではという感じがします。

最後はタイムリミットサスペンスとなり、思わぬ展開になります。ちょっと都合よく行き過ぎますが、すべての謎に答を出して着地します。この論理性がやはり魅力ですね。
細かいところまで考え抜かれているのにも感心。犯人が本名でホテルを予約した理由など。

当代の人気作家の実力を見せ付けられた作品でした。
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by bibliophage | 2007-01-11 06:40 | ミステリ-
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