ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『慟哭』 『葉桜…』 どんでん返しの優劣
d0018433_1425553.jpg著者:貫井徳郎 
書名:慟哭
発行:東京創元社
世界反転度:★★★★☆ 

貫井作品として最初に『殺人症候群』を読んだのですが、これは陰惨極まりなく、細かいアラが気になったので別の作品になかなか進めませんでした。しかし、『慟哭』が文庫になって非常に売れていること、netでもそのオチが常に評判になっていることから読んでみました。

連続幼女誘拐事件を担当するキャリア出の捜査一課長佐伯。捜査は難航し、魔の手は彼の家族にも伸びる。一方、自分の心の虚しさを宗教にのめり込むことで埋めようとする松本。二つの話が交互の章で語られます。

リーダビリティが非常に高く、緊迫感を生む文体です。カルトや黒魔術の記載が詳しく、警察内部の描写が行き届いています。
私自身はレヴューを読みすぎたせいで、最後は想定内になってしまいましたが、先入観がなければぶっ飛ぶオチでしょう。読み戻ると伏線がしっかりしていることに気づきます。トリッキーではありますが、優れたミステリーと言えるでしょう。

d0018433_14312951.jpg同じくどんでん返しで有名な、歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』については、私はイマイチと感じました。伏線は「骨折」でしょうか。あの娼婦はないでしょう~、と突っ込みたくなりました。何で「このミス2004」で1位だったのか理解できません。

オチで驚かせて、ああそうだったのかと納得・感激させるのがミステリーの本道だと考えます。
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by bibliophage | 2005-05-16 14:38 | ミステリ-
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