ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『二人道成寺』 歌舞伎ミステリー
d0018433_23482361.jpg著者:近藤史恵 
書名:二人道成寺
発行:文芸春秋
脱力度:★★★☆☆ 

時々歌舞伎を見にいきます。片岡仁左衛門の殺陣がカッコイイと思います。襲名披露パリ公演での市川団十郎のフランス語での口上は見事でした。

近藤史恵氏は『凍える島』で1993年鮎川哲也賞を受賞してデビュー。趣味の歌舞伎を題材にしたミステリーでは、『ねむりねずみ』『ガーデン』『桜姫』に続いてこれが4作目。

名門出の人気女方役者 岩井芙蓉。三ヶ月前、彼の自宅が火事になり、一酸化炭素中毒になった妻の美咲は今でも昏睡状態のままだ。この火事はなぜ起きたのか?
芙蓉のライバルの女方 中村国蔵。美咲は以前「好きな人に会ってきた」と手紙に書いていたがそれは国蔵との道ならぬ恋のことなのか?
下っ端の女方役者=子菊と芙蓉の番頭=実を狂言回しにして、探偵今泉文吾が真相解明に乗り出す。


・今泉探偵の存在感のなさが際立ちます。作者は「動かない」探偵を目指した、と(確かHP(=閉鎖中) に)書いていましたが、全くその言葉通りです。
・ 第一刷では「中村芙蓉」と堂々の誤植アリ。
・ 入院中の美咲の所へ見舞いに行く場面は描写も変で、ミステリーとしても必要性がない。
etcと突っ込み所がたくさんあります。
しかし、全体に会話が多くて読みやすい文章で、歌舞伎界の決まりなどがわかりやすく書かれているのは好感が持てます。役者がいつもどんな稽古をしているのか、役者の妻は社交的でないと勤まらない(三田寛子は?)、など。
また、オチは確かに意外性はあります(拍子抜けもするが…)。

この本の場合、肩の力を抜いて、歌舞伎観賞をするという態度で読むのが、おそらく一番良いのでしょう。
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by bibliophage | 2005-05-18 23:49 | ミステリ-
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