ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『バルタザールの遍歴』 グラマラス・サイキック・ファンタジー
d0018433_8545123.jpg著者:佐藤亜紀 
書名:バルタザールの遍歴
発行:文芸春秋(文庫)
細密描写度:★★★★★ 

今をときめく恩田陸の『六番目の小夜子』を破って第三回日本ファンタジーノベル大賞を受賞(1991年)。『文学賞メッタ斬り!』でも、あの豊崎由美にベタ誉めされていました。

<1918年ウィーン貴族の長子として生まれたメルヒオール・エネスコ。その体の中にはもう一人の人格バルタザールが宿っていた。ナチスの台等とともに、彼(ら)は典型的な没落貴族の子弟として酒色に溺れ、家財を失い、僻地へと転落していく。>

著者の専門の西洋美術の知識とヨーロッパ留学体験をもとに、緻密な構成と圧倒的な描写力で迫ってきます。大聖堂を見上げているような印象です。
彼(ら)がこのまま落ちる所まで落ちて終わりなのか、と思っていると、話は思わぬ方向へ。最大の敵として現れたコルヴィッツと、文字通り「魂をかけたw」戦いが始まります。(ファンタジーにこだわったせいなのか、この展開にはやや不可思議な印象を受けました。)

ともあれ、久しぶりに密度の濃い文章を楽しめました。他の作品も是非読みたいと思いました。

佐藤亜紀氏HP  
著者インタビュー  
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by bibliophage | 2005-05-21 08:55 | その他小説
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