ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『孤虫症』 実家に寄生虫…
d0018433_644998.jpg著者:真梨幸子 
書名:孤虫症
発行:講談社
つつがあり度:★★★★☆ 

第32回メフィスト賞を受賞した寄生虫サスペンス小説。

36歳の私は高層マンションに住み、大手電器会社勤務の夫、成績優秀な娘と暮らしている。幸せな生活を送っているように見える私には秘密がある。別に借りたアパートで週三回、違う三人の男と寝ているのだ。
私は最近、下腹部の痛みが気になっている。そんなある日、トイレで何かが排出された…。


なかなか恐い話です。「私」の周りの人間が次々と亡くなっていきます。
帯を見ると、携帯サイトで配信されていたとのこと。翌日も読みたくなるように、細かい話のヤマがつながっている感じです。
寄生虫の生理的な恐さとともに、人間の恐さもじわじわと描いてクライマックスの謎解きに至ります。最後の部分で、ある女流作家の作品が思い起こされます。
謎解きと言っても、決して「本格」ではありません。むしろ1章はアンチミステリーというか、なんというか…。

Sex描写が今までの女流と違って、具体的で粘着性のある文章です。おそらく作者は、本文に出てくるような女性専用の某賞にも応募歴があるのでは、と思わせます。また、この粘着描写が、本筋とも効果的にからんできます。

最後をもっとアウトブレイクにする手もあったように思いますが、渋く論文で終わるこの形もシンプルで良いと感じました。魅力的な作品だと思います。
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by bibliophage | 2005-05-26 06:47 | ミステリ-
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