粗製♪濫読
2007-05-19T09:20:48+09:00
bibliophage
ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
Excite Blog
『6時間後に君は死ぬ』 予知能力者、運命に挑戦
http://nightshift.exblog.jp/5435393/
2007-05-19T09:20:48+09:00
2007-05-19T09:20:48+09:00
2007-05-19T09:20:48+09:00
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その他小説
著者:高野和明
書名:6時間後に君は死ぬ
発行:講談社
緊迫度:★★★★★
『13階段』の高野氏の連作短編集。
<心理学の大学院生、圭史は特殊な予知能力を持っていた。それは目の前にいる相手の非日常的な未来が見えてしまうという力だった。>
やはりストーリーの運び方が上手いですねぇ。
素材、表題、人物のバックストーリーとかはかなりベタなのに、話の展開が巧み過ぎるので、ついつい引き込まれてしまいました。
作風は違っても、東野圭吾を思い浮かべました。
1.『6時間後に君は死ぬ』:圭史に「6時間後にあなたが死ぬビジョンが見える」と言われてあわてる美緒。
2.『時の魔法使い』:脚本家を目指している未来(みく)は、ふとしたことで子供時代の自分に遭遇する。
3.『恋をしてはいけない日』:交通事故現場に居合わせた未亜は、そこで出会った男性を好きになる。
4.『ドールハウスのダンサー』:美帆はプロのダンサーを目指して練習を続ける。その彼女の運命を以前から知っていた女性がいた。
5.『3時間後に僕は死ぬ』:火災事故に巻き込まれて自分が死ぬ場面が見えた圭史。それは美緒が働くウェディング施設でのことだった。
1.と3.はオチが上手く決まりました。
5.は文字通りカウントダウン・ミステリー。ギリギリまで引っ張るので、とてもハラハラさせられます。運命は変えられるのか、ということに答を出して終了。
2.や4.はなかなか夢が実現しない女性の葛藤が書かれていて興味深く思いました。
全体に、見事な筆運び、という印象で、楽しめました。
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『裁判官の爆笑お言葉集』 名言、直言、珍言の数々
http://nightshift.exblog.jp/5274104/
2007-04-28T09:53:29+09:00
2007-04-28T09:53:29+09:00
2007-04-28T09:53:29+09:00
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評論
著者:長嶺超輝
書名:裁判官の爆笑お言葉集
発行:幻冬舎
人間味度:★★★★★
20万部突破のベストセラー!
「裁判官は建前としては「法の声を語るべき」とされていますが、法廷では・・・私情を抑えきれず思わず本音がこぼれてしまうことも…(「はじめに」より)」
これはコンセプトの勝利と言えるでしょう。
右ページに裁判官の面白いコメント(説諭、質問など)を載せ、左ページにその裁判の経過、ポイントを書く。
長く(7年)司法浪人をしてきた筆者だけあって、裁判のまとめ方が上手くとてもつかみやすい。
タイトルこそ「爆笑お言葉集」となってはいますが、心を打つ名言も多し。ほのぼのとした感じがします。
「死刑はやむを得ないが、私としては、君には出来るだけ長く生きてもらいたい。」など。
裁判官も血が通った人間なのですねぇ。
最高なのは、「変態を通り越して、ど変態だ。普通の父親では絶対に考えらない、人間失格の行為。」。罪の内容は推して知るべし。
まだまだ売れそうですね。一読をおすすめします。
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『パチンコの経済学』 30兆円の謎
http://nightshift.exblog.jp/5238478/
2007-04-24T07:49:55+09:00
2007-04-24T07:49:55+09:00
2007-04-24T07:49:55+09:00
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評論
著者:佐藤仁
書名:パチンコの経済学
発行:東洋経済社
総括度:★★★★★
元パチンコチェーン店役員による業界の歴史、現在と未来。
「不思議なことにこの業界には産業統計やガイドブックといった類のものが存在しない。・・・その多くは攻略本である。…一般の人が業界の概要を知りたくても、知る方法がない…(「はじめに」より)」
個人的にはパチンコの趣味はありませんが、これは貴重な本だと思いました。ちょっと読みにくいですが、内容は充実しています。新書で出したら売れただろうと思うのですが…。
まず、現在のパチンコ業界の問題:技術介入、換金、射幸性、ギャンブル依存etcがよくわかります。
技術介入とは、パチンコでは釘を読む、パチスロではリーチ目を記憶する、などの努力や経験が反映する技能のこと。だから攻略本などがあって、実際に効果があるといいます。これがグローバルスタンダードに合わないらしいです。
また、店内での換金が法律的にできない(刑法、風俗営業法)ため、店外の景品交換所でお金にする。これはカジノ法が成立することになると、法律の改正が避けて通れない点です。
戦後のパチンコの歴史としては、正村ゲージ→連発式→チューリップ→フィーバー機→カードリーダー機、という風に変遷しています。それにつれて射幸性が高まった結果、最近では乳児置き去り事件、借金苦などが社会問題化してきているとのこと。
パチンコ人工は減少しているのに売り上げ30兆円は変わらない訳は、高い射幸性のためにヘビーユーザーだけが残って高額をつぎこんでいるためでした。しかもそのヘビーユーザーは「下流」の階層と一致する、というのですから、上述の社会問題にもなるというもの。
今後はカジノ導入の成否がどう影響するかに興味が湧きます。
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『大学病院のウラは墓場』 待ったなし!医療崩壊。
http://nightshift.exblog.jp/5101076/
2007-04-06T08:01:33+09:00
2007-04-06T08:01:33+09:00
2007-04-06T08:01:33+09:00
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新書
著者:久坂部羊
書名:大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す
発行:幻冬舎
率直度:★★★★★
ベストセラー『破裂』の久坂部氏による大学病院論。
「大学病院の医師たちは、世間の無理解を嘆くが、積極的に誤解を解こうという気はないようだ。ひとつには忙しすぎるからであり、いまひとつにはマスコミに操られる世間に深い諦念を抱いているからだ。(「はじめに」より)」
とても興味深い内容でした。
元医局に所属した医師として、以前の同僚からのインタビューなどを踏まえて、大学病院の内と外両方からの視点で書かれています。
大学病院の医師が何を考えているか、マスコミと世間がいかに誤解と偏見と無知の中にいるのか、などがわかりやすく書かれていました。
「許される人体実験をおこなう所」それが大学病院、という指摘は面白い。
大学病院の欠点をあげつつも、同じ医師として非常に同情的なまなざしが感じられます。
一つだけ気になるのは本のタイトル。内容はもっと中立的なものであり、幻冬舎の売らんかなの商業主義をひしひしと感じて鼻白みました。何だかなぁ・・・。
ともあれ、(多くの不勉強な)マスコミの医療担当者は必読ですね。
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『死刑のすべて』 極刑の作法
http://nightshift.exblog.jp/5069971/
2007-04-01T11:10:00+09:00
2007-04-01T13:19:57+09:00
2007-04-01T11:10:36+09:00
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評論
著者:坂本敏夫
書名:元刑務官が明かす 死刑のすべて
発行:文芸春秋社(文庫)
実録度:★★★★★
映画『13階段』のアドバイザーも務めた、元刑務官の著書。
「本来求められている裁判官への期待は、真実と冤罪を見抜くことであって、量刑の加減の巧みさでもないし、名奉行の裁きでもない。(本文より)」
これは面白かった。
死刑囚の生活ぶり、刑務官の仕事、死刑のやり方、殺人事件の顛末、死刑廃止運動、などについて細かく書かれており、非常に興味深いものがありました。
特に、劇画による死刑の行われ方が強烈。こんなの描いていいのかなと思ってしまいました。
また、拘置所の中の腐敗と出世をめぐる人間関係を書いたノンフィクションもとてもリアル。これは続きを書けば立派な小説になります。
また、死刑反対運動が盛り上がると、逆に死刑執行が早まるというのが何とも皮肉。個人的には死刑廃止には反対ですが…。矯正不能な人間は必ず存在するので。
やや気になったのは「冤罪による死刑は必ずあるはずだ」と書いていること。
また名古屋刑務所の事件のつっこみが弱い。やはり身内はかばうのですかねぇ。
ともあれ、非日常の世界を知ることができる貴重な本でした。
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『ロマンチックウイルス』 何故にヨン様
http://nightshift.exblog.jp/5023500/
2007-03-24T23:20:34+09:00
2007-03-24T23:10:54+09:00
2007-03-24T23:10:54+09:00
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新書
著者:島村麻里
書名:ロマンチックウイルス ときめき感染症の女たち
発行:集英社
ミーハー度:★★★★☆
韓流ブームが巻き起こった理由、その総合的分析。
「感染者は、従来のおとなミーハーのペースよりも明らかに速いスピードで、熱狂と妄想の花園へと、よりディープにのめり込むようになっている。わたしはそう見ています。(本文より)」
とてもわかりやすくて納得しました。「ロマンチックウイルスの感染」というキャッチフレーズが上手いですねぇ。
2004年の『冬のソナタ』とペ・ユンジュンから始まった韓流の熱狂。それも、今までと違った中高年女性の異常なのめり込み。いったいどうして起きたのか?
著者によれば、これだけアウトブレイクした理由は以下の如し。
1. TVで簡単に見ることができた。
2. 韓国の国家的バックアップ。
3. ミーハーの初心者が多かった。
4. マスメディアのすり寄り。
5. 甘くソフトで程よい古臭さ。
6. ネットでお仲間が見つかりやすい。
7. 中高年女性は今まで性的に抑制されてきた。…などなど。
一方、筋金入りのミーハーである著者(中年女性)は今回のブームに乗ることはなかったとのこと。
とにかく、このブームは「安全な妄想の上に成り立つ性的欲求の解放」ということのようです。そう考えると、たとえ妻がウイルスに感染したとしても、夫もちょっと安心できるかもしれませんね。多少、お金はかかるかも知れませんが。
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『夏季限定トロピカルパフェ事件』 小市民シリーズその2
http://nightshift.exblog.jp/4983486/
2007-03-18T20:51:00+09:00
2007-03-31T00:48:17+09:00
2007-03-18T20:51:29+09:00
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ミステリ-
著者:米沢穂信
書名:夏季限定トロピカルパフェ事件
発行:東京創元社(文庫)
諧謔度:★★★★☆
『春季限定いちごタルト事件』(未読!)の続編。
<波風の立たぬ小市民的生活をめざす高校生、小鳩常悟朗と小山内ゆき。高2の夏休み、ゆきは「スイーツセレクション・夏」と称する甘いものめぐりに常悟朗を誘う。ゆきの真意を測りかねながらもそれに付き合う常悟朗。そして2人は薬物乱用事件と誘拐事件に巻き込まれていく。>
『犬はどこだ』の前の肩慣らしに読んでみました。
日常の小さなできごとを大マジメに本格推理する1章は笑いました。シャルロットを1個多く食べたのを隠そうとして、ゆきに見破られる常悟朗。
ライトノベルの限界に挑戦する作品という感じか。
2章の地図暗号の話が最後に効いてくるという構図も面白い。
そして最終章で「スイーツセレクション」の目的が判明!いやはや手練のあざとさですねぇ。
最後のゆきの独白の必要性はちょっとわかりませんが。
どうしても推理好きの本質がでてしまう常悟朗とゆきには、小市民的生活は難しそうです。
全体的には、こういうのもアリなんだ、と納得させられました。なかなか面白かったです。
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『鴨川ホルモー』 ホルモーって何?
http://nightshift.exblog.jp/4967909/
2007-03-16T07:34:00+09:00
2007-05-19T09:07:29+09:00
2007-03-16T07:34:02+09:00
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その他小説
著者:万城目学
書名:鴨川ホルモー
発行:産業編集センター
奇想度:★★★★☆
第4回ボイルドエッグス新人賞受賞作。
<2浪の末京大に合格した俺(安倍)は、京大青竜会なるサークルの飲み会に誘われる。そしてそこで出会った早良京子に一目ぼれし、たまたま知り合った高村とともに例会に出席するようになった。あるとき、そのサークルの活動目的が明らかになった。それは4大学対抗の「ホルモー」に参加することなのだ。>
いやぁ、発想の勝利ですね。対抗戦の「ホルモー」という語感も何やら怪しげでよろしい。
途中までは、『太陽の塔』と同じやん、と思っていましたが、ホルモーが何かわかってからが面白い。あるものを操っての戦い。安倍晴明もびっくりでしょうね。
あと、やはり京都は地の利がありますね。京都を舞台にすると、移動しているだけで小説になってくるから凄い。まあこの話は京都以外では成立しないでしょうが。
ちゃんと青春小説(少女漫画的)の形にもなっていてうまく着地します。文章もさらりと読めていいですね。
安倍氏の1人称で書かれていますが、1ヵ所だけメタ的にこちらに語りかけてくるところも印象的でした。
1作目としてはとても完成度が高いと思います。
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『ロング・グッドバイ』 待ち焦がれた新訳
http://nightshift.exblog.jp/4945821/
2007-03-12T23:41:00+09:00
2007-04-01T11:15:26+09:00
2007-03-12T23:41:16+09:00
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ミステリ-
著者:レイモンド・チャンドラー
訳:村上春樹
書名:ロング・グッドバイ
発行:早川書房
完成度:★★★★★
遂に発売!村上春樹氏入魂の翻訳。
<マーロウは酔いつぶれたテリー・レノックスに出会い、なぜか彼を見捨てられずに介抱する。大金持ちの逆玉に乗ったレノックスだったが、放蕩な妻を殺した容疑をかけられ、マーロウに助けられてメキシコへ逃走する。その後マーロウは、流行作家の美しい妻アイリーンに夫の行方探しを依頼される。マーロウが連れ戻したその作家ロジャー・ウェイドはアル中で、何かに怯えていた。ある日、マーロウはウェイドに自宅に呼び出され、そこで事件は起きた。>
半年くらい前から話題沸騰。どう考えてもミスマッチな、村上春樹とフィッリップ・マーロウ。
どうなることかと思って読んでみたら、もの凄くまともな訳でした、って当たり前なのだけれども。
とにかく読みやすい。リズムがいいからひっかからない。斜め読みせずに一字一句拾っているのに、本文533ページがあっと言う間に終わってしまいました。とにかく素晴らしい訳に違いありません。
清水俊二氏訳 『長いお別れ』 を読んだのは学生時代で、内容は完全に忘れていました。しかしこの村上訳のように、風景や人物が浮き上がってきたという印象はなかったような気がします。というか、名文家チャンドラーの魅力を完全に伝えている春樹氏はやはり凄い!
原作の内容もオーソドックスなミステリーでとても楽しめました。やはりマーロウがカッコイイですね。チェス好き、酒好き、女好き。芯が通って義理堅く、皮肉屋でロマンチスト。ケンカも強いし、頭も切れる。
で、ミステリーのオチには納得しましたが、最後のセニョール・マイオノラスの登場は蛇足に感じました。
今回の訳(あるいは文章)で面白かった箇所。
p31「お座敷プードルのような生活」
p54「冷ややかで尊大な…警官の目だ。彼らは警察学校の卒業行進のときに、そういう目を一揃い授けられるのだ」
p78「警官のバッジをつけた与太者」
p103「それこそ釈迦に説法でしょうが」
p106「お前は五セント玉みたいなはんちくなんだよ」
p158「トスカニーニから見たオルガン弾きの猿みたいなもの」
p512「フランス人というのは・・・どれもがうまくつぼにはまる。さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ」
最後の有名なセリフは意外とシンプルな訳でした。
1ヶ所だけ気になったところ。
p121「ルイ・ロペス(チェスの古典的な開始法)にとりかかったのだが…」
()注釈は村上氏がつけたものと思われますが、「開始法」は「オープニング」がベター。トリビアですが。
今回のあとがきは『グレート・ギャツビー』ほどの熱情はみられませんでした。その代わり45ページもあって読み応えあり。チャンドラーの文章の上手さ、ハメットやヘミングウェイ、フィッツジェラルドなどの影響、チャンドラーの生涯などについて詳しく語られています。
清水訳を「古き良き時代ののんびりした翻訳」と書いたのはいささか僭越のそしりを受けるかもしれないですが。やれやれ。
とにかくこの厚い本を読んで、私の人生に新たな彩りが加えられたことは確かです。
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『ジャズの歴史』 All that jazz
http://nightshift.exblog.jp/4925881/
2007-03-10T01:21:00+09:00
2007-03-10T01:22:03+09:00
2007-03-10T01:21:04+09:00
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新書
著者:相倉久人
書名:新書で入門 ジャズの歴史
発行:新潮社
明快度:★★★★★
ジャズのベテラン評論家による入門書。
「こうして元をたどれば同じ根を持つ音楽が、ときには言葉が通じ合わないほど異相を競い合う百花繚乱、あるいは百鬼夜行のジャズ・シーンが出現したのです。(1章より)」
非常にわかりやすい(というか割り切った)内容でとてもよかったです。
私にとっての暗黒大陸であるジャズに、光を与えてくれました。
南北戦争で解放されたニューオーリンズの奴隷が、南軍軍楽隊のブラス・バンドの楽器を演奏する、これがジャズの始まり。そして、娼館や酒場での演奏が仕事になってきます。
そこにヨーロッパ近代の象徴としてのピアノが加わって活性化され、トランペットのルイ・アームストロングが出て、即興演奏が始まりました。
第一次大戦により娼館が閉鎖されるとジャズメンはシカゴに向かいます。
その後、デューク・エリントン、ベニー・グッドマンでスウィングしていたのが、ビ・バップになって、マイルス・デイビスがクールを持ち込んだと思ったら、フリージャズが誕生し……。
読んでいると何となくわかったような気になりました。
とにかくジャズというのは、色々な要素が交じり合って発展していくという性質の音楽のようです。
で、まず、アコースティックなマイルスを聞いてみることにしました。
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『巨大人脈SNSのチカラ』 mixiだけじゃない
http://nightshift.exblog.jp/4878957/
2007-03-03T19:02:00+09:00
2007-04-07T09:45:00+09:00
2007-03-03T19:02:03+09:00
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新書
著者:原田和英
書名:巨大人脈SNSのチカラ
発行:朝日新聞社
ポジティブ度:★★★★☆
Sorcial Networking service の概説的入門書。
「確かにSNSはよい面だけでなく、ネガティブな面も存在する。…しかし、少なくともSNSは…世界の構造を変えてしまう可能性を持った存在である。(「はじめに」より)」
興味深い内容でした。 mixiの強さ の秘密は、
1. ユーザーの声を聞く
2. センスがよくて女性受けする
3. 先駆者利益 とのことでした。なるほど。
世界のSNSの例として、
音楽SNSのMyspace、ビジネス用のLinkedln、学生専用のthefacebook、写真用Flickrnが紹介されていました。
問題点としては、
プライバシーがのぞかれる、繋がりたくない人を避けられない、人間のランク付けやSNS八分、などがあげられています。
それでも、まさにSNS世代である若い著者は未来にとてもポジティブです。
SNSを通して、「何を」より「誰を」知っているか、が重要になってくると書いています。
さて、もっとSNSを使いこなさなくては・・・。
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『フィッシュ・ストーリー』 伊坂節冴えてます
http://nightshift.exblog.jp/4825672/
2007-02-25T00:48:00+09:00
2007-03-16T23:50:47+09:00
2007-02-25T00:48:49+09:00
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その他小説
著者:伊坂幸太郎
書名:フィッシュ・ストーリー
発行:新潮社
ホラ話度:★★★★☆
色々な趣向を持った伊坂氏の短編集。
<20数年前…昔の日本の小説を引用したロックの曲がカーステレオから流れていた。雅史は曲中の無音箇所で、女性の悲鳴を聞く。
現在…システム・エンジニアの麻美が乗った飛行機がハイジャックされた。
30数年前…売れないロックバンドが最後のレコーディングを一発録りでおこなった。
10年後…麻美はネットワークの不審から、国際的なハッキング計画に気づく。(「フィッシュ・ストーリー」)>
どの話も面白かったです。さらっと読めました。
上記表題作では、いくつかのエピソードが細い糸のようにつながって時間的な流れになっていくという、まさに壮大な?フィッシュ・ストーリー(ホラ話)でした。時間を前後させた構成が渋いですね。
他には、その人物がいるだけで動物がなごむ動物園の元飼育係りの話(「動物園のエンジン」)、東北の山村のある風習の謎(「サクリファイス」)、空き巣の今村、その母、同棲相手大西らがかかわっていく話(「ポテチ」)の3編が収録されています。
「動物園のエンジン」は三崎亜記氏の短編を思い起こしました。って、こちらの方が先でしたね(2001年)。
4編の中ではミステリー仕立ての「サクリファイス」が最も良かった。‘おこもり様’の謎のせいで先へ先へとページをめくらされます。ここに出てくる黒澤は例によって「ポテチ」の登場人物でもあるようですね。
「ポテチ」は、会話のユーモアが素敵でした。特に大西のつっこみ。
伊坂氏の文章の上手さ、ストーリー作りの見事さを再認識しました。
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東京マラソン2007 当日
http://nightshift.exblog.jp/4775680/
2007-02-19T02:09:01+09:00
2007-02-19T02:09:01+09:00
2007-02-19T02:09:01+09:00
bibliophage
スポーツ
第1回の東京マラソン(2/18)に参加してきました。
都庁前の駅を降りると凄い人数のランナーが集結していました。トイレを待つのも一苦労でした。
スタート時、雨。
皆さんさすがに用意がいい。キャップ、ロングパンツ、ポンチョと完璧ないでたち。
スタートラインで傘をさしている人までいて感心。私は配布されたポンチョをかぶりましたが、頭はずぶ寝れ。この状態で待つこと25分。さ、寒い。
しかし、スタートするとすぐ寒さを忘れました。新宿の靖国通りを走ります。沿道に多くの人がいて声援が聞こえます。都心の目抜き通りをずっと走るということで、コースはとても良かった。
1km5分20秒くらいで抑えて走っていましたが、尿意のため日比谷公園のトイレへ。今回は寒いせいもあり、トイレ事情は最悪。どこかにまとめて簡易トイレを多量に設置して欲しかった…。その後、品川までの往復に向かいました。
20km過ぎから足が張ってきて、スピードが上がりません。銀座を走っているところで何やら大声援が…。対面の既に折り返したランナーの中に有森裕子さんが走っていました。やはり早い!とてもキレイでした。
次に浅草へ向かいます。異様にお腹がすいた感じで、だんだんスピードが落ちてきます。これは低血糖の症状。エイドの食べ物を期待して走っていたのに、あるはずのバナナがない!よく見ると前のランナーが全部消費していて、残ったのは皮だけ。
石原さん、用意悪杉ですよ。今回このエイドが最悪で、結局、アミノバリューのなけなしのカロリーでずっと走らされました。荒川マラソンを見習って欲しいですね。
最後お台場へ向かう時にはもう余力がありませんでした。37km過ぎから歩いたり走ったりして、4時間を大きく越えてゴール。今回はきつかったです…。
このままでは収まらないので、是非来年も挑戦したいですね。]]>
東京マラソン 前日
http://nightshift.exblog.jp/4761187/
2007-02-17T11:16:50+09:00
2007-02-17T11:16:50+09:00
2007-02-17T11:16:50+09:00
bibliophage
スポーツ
第一回ということもあって、大層な盛り上がりとなり、フルマラソン2万人募集のところ、3倍の応募がありました。
その抽選をなんとか乗り越え、私も明日出走予定にしています。
今回は大規模なためか、受付が当日にはなく、昨日と今日東京ドームでおこなわれます。
東京在住の私は昨日行ってきました。
ドームの中は関係各社のイベントのブースがたくさんありました。一番人気は当日のコースを車から見た風景ビデオの紹介コーナーでした。
昨日は早い時間だったので人出は少なかったのですが、今日の午後は混みそうです。
当日の天気は雨の予報ですが、大降りにならないことを期待しています。
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『時間はどこで生まれるのか』 物理学的時間考
http://nightshift.exblog.jp/4711468/
2007-02-10T17:59:00+09:00
2007-02-10T18:01:21+09:00
2007-02-10T17:59:58+09:00
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新書
著者:橋元淳一郎
書名:時間はどこで生まれるのか
発行:集英社
哲学度:★★★★★
京大物理学科出身のSF作家・カリスマ物理教師による時間論。
「時間の創造は宇宙の創造であり、われわれはそれに参画しているのだ(本文より)」
相対性理論・量子論の解説を読むのは久しぶりで、以前よく読んだブルーバックスのシリーズを思い出しました。頭に強力な刺激を受けました。
決してよく理解できたとは思えませんが、印象に残った内容を記します。
・ 相対論では、今現在の私を規定するのは過去の他者であり、今現在の私は未来の他者しか規制できず、私と現在を共有できるのは「非因果的領域=あの世」しかない、と説明できる。(図を見ないと何のことやらわからないでしょうが…)
・ ミクロな量子系では、時間は存在せず、因果律も否定される。
・ マクロな世界ではエントロピー(乱雑さ)が増大する方向に進む。
・ そのエントロピーの流れに逆らって秩序を維持しようという意思が、生命の創造につながった。
・ その意思こそが、自由な未来をつくり、ここに主観的な時間が創造される。
結局エントロピーの法則に逆らうことが、重要なのですね…ってイマイチよくわかりませんが…。結論は物理学的というより哲学的な気もしますね。
また、マクタガートの時間系列(A系列―主観的な時間、B系列―年表のような客観的時間、C系列―時間とは無関係な配列)については、もう少し詳しく説明して欲しいと思いました。
私の以前からの卑近な疑問:相撲の仕切りの時間は昔(子ども時代)はいやに長いと感じたのに、今ではあっと言う間だ、はこの本を読んでも解決できませんでしたw。残念。
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