ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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カテゴリ:評論( 40 )
『警察裏物語』 警察の体質がよくわかる
d0018433_1661196.jpg著者:北芝健 
書名:警察裏物語
発行:バジリコ(株)
マッチョ度:★★★★★

早大卒、元刑事で漫画原作者の北芝氏による警察の裏話。

「ケンカの張本人の顔を見てびっくり。顔なじみの刑事同士が店の中で取っ組み合いの真っ最中。…パトカーがしっかり通行止めにし…あとは心いくまで殴りあうという寸法だ。(本文より)」

おいおい、ホンマかいな、という上記のような話が満載で、なかなか面白い。

最初に、伝説の警察官として、一日署長の女性タレントとすぐに仲良くなってしまう絶倫警官や、横山小説のような落としの名人警官、職務質問の天才警官などが登場します。

他には、刑事時代の経験で、爆弾処理の怖さや、株主総会シーズンでのヤクザいびり、内通者との付き合い方、など興味深い話が書かれています。

文化人については、久米宏…アンチ自民だが、警察にはフェアでバランス良し、だとか、田原総一郎…左翼性が希釈されてきた好々爺、だとかいう評価をしています。

一流大卒の著者ですが、腕っ節にも自信があって、武勇伝やら女性にモテタ話やらが載っていました。さすが「まるごし刑事」の原作者ということで、話にオチがあって上手い文章だと思います。

しかし、骨の髄まで警察官という、モロにマッチョな内容なので、読んでいてアレルギーが起きるかもしれません。

警察官の実情を知りたい方には必読といえるでしょう。
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by bibliophage | 2006-08-06 16:07 | 評論
『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』 裁判傍聴のノウハウ
d0018433_11122538.jpg著者:北尾トロ 
書名:裁判長!ここは懲役4年でどうすか
発行:文芸春秋(文庫)
人生ドラマ度:★★★★★

雑誌「裏モノJAPAN」に北尾氏が書いた傍聴記事をまとめた本。

<小さな事件だからこそクッキリと浮かび上がる犯罪ドラマ。人間関係ドロドロな骨肉の争い…ワイドショーなどとは比較にならないリアルさである。(「はじめに」より)>

これも面白かった。
誰でも可能な裁判の傍聴。この本を読めば、「裁判員制度」が現実になる前にその実態をのぞき見ることができます。

被告では、
・ ジャニーズ系のルックスの強姦魔
・ ドクロマークの服で「この度は申し訳ありません」と誤る交通事故で過失致死の被告(表紙絵参照)
・ 組長の退場時に、一斉に立ち上がって「アニキ、お元気で!」と最敬礼した組員たち などなど。

被告でない側では、
傍聴に女子高生が多いと裁判官が大いに張り切ったり、
やる気のない国選弁護人が鼻をほじったり、
著者の人間観察とその事件の描き出すドラマのユーモアあふれる解説が面白い。

できるだけ傍観者でいようとしても、つい感情移入する様子や、慣れてくるに従い、「この判決は4年」とか自分で予想がつくようになるところも興味深いところでした。

自分がいつあの被告の席につかないとも限らない」という著者の実感もわかるような気がします。
裁判というものをぐっと身近にしてくれる本でした。
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by bibliophage | 2006-07-22 11:15 | 評論
『プリンシプルのない日本』 カッコ良過ぎるジェントルマン
d0018433_13213534.jpg著者:白州次郎 
書名:プリンシプルのない日本
発行:新潮社(文庫)
直言居士度:★★★★★

最近ブーム化していて出版物が相次ぐ白州次郎。その彼が直接つづったエッセイ集。

「西洋人とつき合うには、すべての言動にプリンシプル(原則)がはっきりしていることは絶対に必要である。…残念ながら我々日本人の日常は、プリンシプル不在の言動の連続であるように思われる。(本文より)」

第二次大戦後の日本に、こんなカッコ良い人物が存在していたことにいたく感動しました。

1902年に兵庫の裕福な家庭に生まれた白州次郎は、青年期の9年間を英国で暮らし、ここでプリンシプルを持った考え方を身につけた。英国大使だった吉田茂と知り合い、45年の敗戦後外務大臣になった吉田を助け、占領軍相手の交渉を担当した。51年のサンフランシスコ講和条約締結時には、全権団として訪米。その後東北電力の会長を務めながら、政財界に対して厳しい提言を繰り返した。

凄いと思ったのは、国際情勢を良く知っていたため、42年に敗戦と食料不足を予測し、田舎に引越して農業を始めたこと。また、占領軍相手にも堂々と渡り合って自説を曲げなかったこと。
かと思うと、戦後の日本の繁栄は、アメリカの協力に負うところが多いことを素直に認め、「安保」なくしては日本の防衛は成り立たないことも書いています。さらに、学生運動に対しても「自分は同情的である」と語るなど、保守や革新といった立場でくくれないような、非常に論理的・客観的でまさにプリンシプルを体現したような人物です。

このようなさわやかな人物が現代の日本にいるでしょうか?少なくとも政治家にはいないでしょう。

是非、青柳恵介氏による評伝「風の男 白州次郎」も読んでみたいと思いました。
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by bibliophage | 2006-07-16 13:25 | 評論
『オシムの言葉』 壮絶、ユーゴ崩壊
d0018433_7232497.jpg著者:木村元彦 
書名:オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える
発行:集英社
緊迫度:★★★★★

新しく日本代表監督となったオシム氏のサッカー人生。ベストセラーになっています。

<W杯で母国をベスト8に導き、ギリシアでカップ戦を制した名将が退団を表明するや、レアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘンを筆頭にあまたのオファーが殺到した。(本文より)>

W杯での日本惨敗の直後、川淵氏の口すべり事件を機に、あっと言う間に決まったオシム監督就任。当時、書店は軒並みこの本の在庫がなく、図書館では予約28番目でした。7月に入って増刷されてやっと手に入りました。

この本はすごい!多くのインタビューに基づいた充実した構成。
東欧民族問題の専門ジャーナリストである木村氏入魂の作品といえるでしょう。

1990年W杯の初戦。セルビア、クロアチア、ボスニア、モンテネグロ、ムスリムという他民族からなるユーゴの代表監督であったオシムは、うるさい各国記者の意見どおりに攻撃タレント重視のオールスターメンバーで先発を組み、わざと(!!)負けてみせた、という。
記者らを沈黙させた以後は、適材を選んでベスト8まで進んだ。
なかなかできることではありません。

1992年4月にセルビア包囲戦が始まり、家族と会えなくなったオシム。彼は代表監督をやめ、ユーゴチームもヨーロッパ選手権会場スウェーデンから強制送還になってしまいました。

彼の言葉が含蓄を含んで直接的でないのは、このユーゴでのストレスフルな監督経験からきているようです。

今回のドイツW杯の対オーストラリア戦をみて、監督の能力にいかに差があるかよくわかりました。その上でこの本を読むと、オシム・ジャパンへの期待がますます高まります。最低な状況の現在の日本代表。オシムはここにやり甲斐を見出したに違いありません。

まずは誰が新生の代表に選ばれるのか。走って踊れる(?)選手とは?興味深々です。
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by bibliophage | 2006-07-13 07:26 | 評論
『危ないお仕事!』 ウラ仕事百科
d0018433_715090.jpg著者:北尾トロ 
書名:危ないお仕事!
発行:新潮者(文庫)
珍妙度:★★★★★

ウラ稼業・変な仕事の実態。

「メルマガ・ライターの勢いもいまだ衰えず…ダッチワイフ製造業者は今日も新製品の開発に余念がない。(「あとがき」より)」

これは面白かった。
北尾氏がインタビューや実体験をおこなうことで、ウラ仕事の実際をルポします。

小説でも新書でも、最も重要な点は新奇性だと思っています。その点、ここで取り上げられたお仕事の内容は、私にはとても新鮮でした。

1.捜査のお仕事:
万引きバスター:常習者の多彩なテクニックにいどむ警備員。
他に、私立探偵、警察マニア。
2.アタマのお仕事:
タイの日本人詐欺師:タイ語もわからない日本人移住者はカモ。
メルマガ・ライター:20以上のメルマガで月収100万円。
他にフーゾク専門の不動産屋、超能力開発セミナー講師。
3.エロスのお仕事:
ダッチワイフ業者:元機械屋さんの裏人形師。
他に主婦モデルや汁男優(!)
4番外編:
新聞拡張団:完全歩合制のキツイ営業、そのノウハウ。

この中では、次々に新製品を開発するダッチワイフ業者と実態を始めて知った新聞拡張団が特に面白かった。「新聞とってよ」といつもうるさい彼らに親近感がわいてきました。
また、メルマガ・ライターの薄く広くのアフィリエイトのテクニックは、『ウェブ進化論』 の内容に通じる真理が含まれていると思いました。

福満しげゆき氏によるオタク青年の挿絵も味があります。
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by bibliophage | 2006-06-16 07:06 | 評論
『ヒルズ黙示録』 空前のマネーゲーム
d0018433_042279.jpg著者:大鹿靖明 
書名:ヒルズ黙示録 検証・ライブドア
発行:朝日新聞社
詳述度:★★★★★

アエラ記者によるライブドア事件の全貌。

「互いに刺激しあって、天まで届けと高みに登り続ける六本木ヒルズの競争は、もはや自分たちでは止められない自己肥大化…。堀江、三木谷、村上、そしてリーマン・ブラザースにゴールドマン・サックス。(本文より)」

この本は読む価値があります(厚いけど)。
これを読むまではライブドア事件のことは何も知らなかったと言っても過言ではありません。

関係者の綿密な取材を通して、浮かび上がるライブドアの「自社株食い」の手口。
また、ライブドア対フジテレビの息詰まる攻防が、まるで実況中継のように書かれており、経済小説を読んでいるようでした。

堀江や三木谷も凄いが、彼らを巧みにそそのかし、その上前をはねる村上世彰こそが、最も恐ろしいやり手であることがよくわかります。

ニッポン放送株買収において、戦術を考え、何百億といった金を動かしたのが、ライブドアの20代二人、塩野と熊谷、だったのもびっくりしました。

自分の想像をはるかに超えるマネーゲームに目が点になるばかりでした。

本書の感触では堀江・宮内らは大きな罪には問われない模様です。
彼ら無きあと、USENが大株主となった新生ライブドアはどこへいくのでしょうか?
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by bibliophage | 2006-05-21 00:48 | 評論
『瀬川昌司はなぜプロ棋士になれたのか』 色々な要素の組み合わせ
d0018433_783338.jpg著者:古田靖 
書名:瀬川昌司はなぜプロ棋士になれたのか
発行:河出書房新社
高揚度:★★★★☆

強すぎるアマ、瀬川さんの将棋プロ入り問題の総括。

「しかし当時の感覚では元奨励会員がプロになれる可能性は限りなくゼロに近く 「針の穴にバスケットボールを入れるようなもの」 だった。(終章より)」

社会現象にまでなった瀬川さんプロ入り問題。
この本を読むと、色々な要因が偶然に重なって瀬川棋士が誕生したことがわかります。

もちろん、第一に彼が対プロ成績が16勝6敗と抜群によかったことが前提にあります。奨励会を年齢規定で3段で退会した後、将棋に打ち込んでさらに強くなった珍しいケースです。

次に、応援してくれた人々の存在。遠藤氏らトップアマたち、自身も強豪である読売新聞担当記者の西條氏、瀬川氏と仲のよかった野月プロなど。
彼らの声援に支えられて、瀬川氏は連盟に嘆願書を出し、これを会長になったばかりの米長氏がサポートしました。

背景には、将棋人気の衰えからくる連盟の収入減少が大きく存在しており、とにかくこの企画で将棋を盛り上げようという機運が高まったことがあげられます。

これらの内容を淡々と、しかし的確に漏れなく描写した本書は、今回のイベントにかかわる知らなかったエピソードが満載で、とても読みやすいものでした。

しかし、世の中の移ろいは速く、瀬川フィーバーもいつの間にか忘れさられようとしています。彼のプロとしての今後は、現在勝率が5割以下(2勝4敗)であることからみて、かなり厳しいものでしょう。プロたちも、彼にだけは負けたくない、と気合を入れているようですw。

本書も力作であるだけに、もう少し早く出版して欲しかったところではあります。
今後の瀬川氏の活躍と第二弾 「その後の瀬川」 が書かれることを期待したいと思います。
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by bibliophage | 2006-03-30 07:10 | 評論
『グーグル完全活用本』 知らなかった使い方満載
d0018433_76993.jpg著者:創芸舎 
書名:グーグル完全活用本
発行:三笠書房
徹底度:★★★★☆

Googleの使い方の詳細な解説。

グーグルは“ただの検索サイト”ではない。よく指摘されるように、一種の「人工知能」とも言うべきものだ。(「はじめに」より)

私の場合、検索するときは、まずヤフーでやってみて、イマイチなときにグーグルのウェブ検索を使っています。また、イメージ検索は便利なので、よく使っています。

しかし、この本を読むと、グーグルの機能の百分の一くらいしか活用していなかったことがわかりました。「I’m feeling lucky」検索もクリックしたことがなく、「これは広告サイトかな?」と思っていたくらいですw。

不要な情報をカットする「マイナス検索」やうろ覚えの固有名詞の場合に「ワイルドカード検索」、ことばの意味を調べる「~とは?」検索etc。

驚いたのは、世界中の風景の航空写真サイト「グーグルアース」でした。
また、「ローカル検索」で、マウスで手軽に移動できる地図というのも便利だと思いました。

他の方には当たり前のことでも、グーグル素人の私には知らなかったことばかりです。ということで、さっそく「グーグルツールバー」でもダウンロードしてみようと思います。
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by bibliophage | 2006-03-15 07:07 | 評論
『SEの不思議な生態』 システムエンジニアの仕事とは…
d0018433_23565314.jpg著者:きたみりゅうじ 
書名: SEの不思議な生態 失敗談に学ぶ成功のための30か条
発行:幻冬社(文庫)
実用度:★★☆☆☆

元SEのきたみ氏による業界の苦労話。

「SEさんのお仕事はむちゃくちゃざっくばらんに言って「要求定義」「設計」「製造」「試験」「納品」という五つの段取りに分かれています。(本文より)」

SEという職種の仕事内容に興味があったので読んでみました。

感想としては、1. ある程度の雰囲気はつかめたけれどイメージが沸きにくい、
2. 漫画と文章で書いてあることがダブるので、内容の希釈感がする、
3. 最後の章「実用的…かもしれない仕事術」を最初にもってきた方がわかりやすい、といったところでした。
読者の「要求定義」に合うような「設計」の工夫がもう少し欲しい感じです。

しかし、SEには徹夜が付き物、プログラミング(製造)よりもその前段階が重要、納期を守る+仕様を守る+バグを出さないのがプロ、などというのは興味深い点でした。
また、SEといってもコミュニケーション力が重要、迷ったら紙という「アナログデバイス」に立ち返る、などというところは意外性がありました。

4コマ漫画だけを流し読みするのもいいかもしれません。
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by bibliophage | 2006-02-13 23:58 | 評論
『今日は残りの人生の最初の日』 王道の自己啓発書
d0018433_915065.jpg著者:ロビン・シーガー、小川敏子(訳) 
書名:今日は残りの人生の最初の日 Natural Born Winners
発行:サンマーク出版
正統派度:★★★★☆

29歳で悪性リンパ腫と診断され、それを克服したイギリス人著者による成功法則。

「夢を実現するなんて無理だ、と自分に思い込ませるのはたやすい。しかし、それではあまりにもったいない。あなたには成功できる力があるのだから。(はじめにより)」

サンマーク出版といえば、1995年の大ベストセラー春山茂雄氏『脳内革命』が思い出されます。胡散臭いと思いながらもタイトルに惹かれて読んでみました。

d0018433_9192715.jpg読んでみると非常にまともな啓発書で、潜在意識に繰り返し働きかける、決してあきらめずに粘るなど、この手の本の王道を歩む書、という印象です。ノートに書くことが重要だ、というところは神田昌典氏の『非常識な成功法則』にも通じる点でした。

シーガー氏の「成功するための7つの法則」とは、
①目標を明らかに ②明確なプラン ③自信 ④使命感 ⑤失敗を恐れない ⑥まるごと引き受ける(決してギブアップしない) ⑦自分を祝う(ほめる)、
だそうです。
d0018433_9193664.jpgS.コヴィー氏『7つの習慣』ほど堅苦しくない感じでしたw。

本書は今まで11言語に訳され60カ国で出版されたとのこと。ちょっと目を通してみるのもいいかもしれません。
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by bibliophage | 2006-01-31 09:21 | 評論