ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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カテゴリ:ユーモア( 14 )
『もものかんづめ』 『まる子だった』 クールな視線
d0018433_10124499.jpgd0018433_10125499.jpg著者:さくらももこ 
書名:『もものかんづめ 』『まる子だった』
発行:集英社
客観視度:★★★★☆ 

百年の誤読』でベタ誉めされていたので(遅まきながら)読んでみました。

1. 『もものかんづめ』:1991年のベストセラー1位(出版年鑑)。
他には、『Santa Fe 宮沢りえ』、シドニィ・シェルダン『真夜中は別の顔』、ビートたけし『だから私は嫌われる』、小川洋子『妊娠カレンダー』 などがこの年売れています。

嫌われ者だった祖父の死を面白おかしく書いた「メルヘン翁」や親族紹介で失敗する父がオカシイ「結婚することになった」など、自分やその周囲の人間のドジぶりを、客観的にみつめて描写しています。肉親の死を茶化すというタブーをやってのけたのは、当時かなり衝撃的だったのではないかと思います。
そのクールなさくら氏が、自分に関する根も葉もない話(『たま』の知久氏との関係)にいたく怒って、その掲載雑誌を「女性器陰語名週刊誌」と書いていたのは意外性があって面白かった点です(隠語→陰語は文庫版の誤植か著者の意図か不明)。

文庫巻末の対談では、土屋賢二氏の自虐ユーモアに食われてしまっているのが残念でした。

2. 『まるこだった』: 『あのころ』に続く子供時代エッセイ第2弾。

授業中に空想の世界にひたっていたため、参観で母に恥をかかせた話「『うわの空』の詳細」、山口百恵に感動して‘女神降臨‘と書いた「モモエちゃんのコンサート」など17編。

ラジオ体操中にふと冷静になって「なんでこんなことやってるんだ」と思ったり、ずる休みが好きで風邪をなるべく長引かせたり、と変な小学生だった一方、捨て犬を飼えなくて泣いたり、七夕祭りの金魚すくいを楽しんだり普通の子供らしい面も書かれていて、そのアンバランスさのさじ加減が絶妙です

巻末の糸井重里氏との対談で、プロというのは「おれでも書ける」と思わせて「絶対書けない」ことを書くのが大事、ということで二人が一致しているのが印象的でした。
ほぼ日刊イトイ新聞」で5/9より同じ二人による対談が掲載されています。
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by bibliophage | 2005-05-14 10:23 | ユーモア
『オトナ語の謎。』 社会人1年生のマストアイテム?
d0018433_9112517.jpg監修:糸井重里 
書名:オトナ語の謎。
発行:新潮社
クール度:★★★☆☆ 

言いまつがい』と同様に、「ほぼ日刊イトイ新聞」の人気連載をまとめたもの。

社会人が会社業務を円滑に進めるために使う略語、謙譲語、ヨコ文字などを、ナナメからみつめて解説しています。
クールな視点と「オトナ語」というネーミングがさすがに糸井さん。

自分が使わないコトバで面白いモノがいくつかありました。
例:なるはや→なるべくはやく
  オンスケ→オンスケジュール
  シズル感→そそらせる感じ (ホントに使うのか?)
  ウインウイン→お互いハッピー (『7つの習慣』かよ…)

とはいえ、ぶっちゃけた話、オトナ語をルーティンで使う身としては、う~ん…部分的にはいいんだけど、デフォルト感が漂い過ぎて、わたし的には、ちょっと……弱いかと。

TV番組をオトナ語でアレンジするコーナーの「8時だヨ!全員集合」はウケました。
「人事の加藤です。本日の確認事項を…1.歯磨きの有無 2.入浴の有無…ではまた来週の定例会で…」

学生と社会人1年生はかなり楽しめると思います。
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by bibliophage | 2005-05-07 09:45 | ユーモア
『笑犬樓の逆襲』 いつまでも前衛的な老大家
d0018433_7432051.jpg著者:筒井康隆
書名:笑犬樓の逆襲
発行:新潮社
購入動機:著者のファン
スラップスティック度:★★★★☆

(以下このエッセイ風に…)
わはははははははははは。
これは筒井康隆が、『噂の真相』に書いたエッセイで、断筆解除後の1998年8月から、休刊の2004年4月までのものをまとめたものだ。30歳でデビューした時からメチャクチャな話ばかり書いてきた奴だが、60を過ぎた今でもハチャメチャで年令相応の落ち着きなどとは無縁である。ただ、評論家斬りの過激さは、本人も言うようにかなり薄くなってはいるが。

断筆中は税金が払えないというのでホリプロに「タレント」として所属し、芝居に出たり、CFに出たりしていたようだが、災い転じて福となしたのか、復帰後は作家と役者の二股で活躍している。こともあろうに天皇の前にのこのこ出かけていって、紫綬褒章までもらっている始末だ。

筒井作品の中で特にわしの心に残っているのは、『最高級有機質肥料』と『狂気の沙汰も金次第』の二つだ。前者は卒倒するくらいに発想が斬新で、後者は「ことわざの合成」という言葉遊びが身の毛もよだつほど素晴らしい。「暑さ寒さも胃がんまで」なんてブラックユーモアの極地ではないか。

実は『朝のガスパール』以降、筒井の作品にはとんとご無沙汰だったのだが、『パプリカ』なんぞは読んで気が狂った奴が出たようだし、『愛のひだりがわ』もじわりと面白そうだ。そうそう、ちょっと前にテレビでフカキョン主演の『富豪刑事』もやっていたなあ。自選の短編集も文庫であるようだし、久しぶりにまた読んでみるとするか。

それにしても、9.11のテロを「面白かった」なんて書いて許されるのはこの筒井くらいのものだろう。シラクとブッシュに大阪弁で本音を言わせている箇所も痛快だった。ああそうだ。この本の最後に「筒井康隆のすべてを知るための50問50答」というのがあるが、この聞き手が実に優秀で、絶対読むべきところだとわしが思ったことも付け加えておこう。
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by bibliophage | 2005-04-27 07:39 | ユーモア
『言いまつがい』 電車の中で読んではいけない
d0018433_711865.jpg監修:糸井重里 
書名:言いまつがい
発行:新潮社
購入動機:書店で目について
笑撃度:★★★★★

糸井重里さんの有名なサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」(通称:ほぼにち)の、言い間違いについての投稿を集めたものです。「言いまつがいは唇のどろんこ遊び」とはさすがに糸井さんですね。

フロイトの「精神分析入門」を読んで、言い間違いが「抑圧された無意識の表れ」だと知って驚いたことをチラリと思い出しました。そういった典型的なものもあれば、単なる無知・勘違いに基づくものなどの集大成で、とにかく笑えます。

(例)
・ 友達が大笑いして、「いや~、はらわた煮えくり返るほど、おかしい!」と言った。
・ はじめて患者の死を看取った研修医が緊張して、家族に「オダブツさまです」と告げた。

一番笑ったのは、
・5才の娘が「スターウォーズ・エピソード1」のことを、「『すたあ坊主、海老騒動』ってなに?」と聞いた。

歌舞伎の襲名みたいですね。洋画の題名をふざけた邦題にするサイトでみられるような面白さです。

「真剣さが必要な場所では読まないでください」という編集部のお願いにウソはありません。電車の中で読んでいて思わず吹き出しそうになり、あわてて花粉症のふりをしてごまかしました。気をつけてください。
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by bibliophage | 2005-04-23 07:08 | ユーモア