ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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カテゴリ:漫画( 24 )
『天才ファミリー・カンパニー』 のだめプレリュード
d0018433_0155434.jpg著者:二ノ宮知子 
書名:天才ファミリー・カンパニー スペシャル版1~6巻
発行:幻冬社(コミック)
立志度:★★★★☆

「のだめ…」でブレイクした二ノ宮氏の作品。

<アメリカで経済を学ぶことを目指す天才高校生夏木勝幸。彼は食品会社に勤務する母親良子と二人暮らしだった。その良子の再婚相手は、料理の得意な作家の荘介で、しかも同じ高校生の男の子:春もいっしょだった。その後、良子の退職によって、勝幸の人生設計も狂いだし、ガールフレンド京子の父親の本屋でアルバイトをすることに。さらに、荘介の知り合いの中国人林じい、とその孫の唯香、アメリカの天才少女アミィらが加わって、話は複雑になっていくのだった。>

1巻がこじんまりとした内容だったのに、巻を追うごとに話が大きくなっていき、最後はアメリカで成功して目出度し目出度しになるという内容でした。その大雑把でアメリカンなところが魅力だと思います。

天才的でクールな男の子とちょっとドジな女の子という組み合わせは、まさに「のだめ…」の原型。洗練された「のだめ…」と比べると、こちらは登場人物もちょっと作られっぽい感じがしました。特にメキシカンのような荘介とその子である自然児の春。この2人のキャラは個人的にはちょっと苦手でした。

色々な人の力を借りて成功していく勝幸君の立志伝としては、なかなか面白いと思います。
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by bibliophage | 2007-02-06 00:18 | 漫画
『北条時宗』 時宗VSフビライ
d0018433_6295936.jpg著者:さいとう・たかを、原作:高橋克彦 
書名:北条時宗 前・中・後編
発行:リイド社(漫画)SP Wide版 
(画像→はオリジナル版)
ダイナミック度:★★★★☆

北条氏とフビライ兄弟の物語を並列。

<北条時頼は執権に就任したが、同族の北条時幸や有力豪族三浦氏との権力争いは続いた。一方モンゴルでは4代目の皇帝にモンケが着き、フビライは中国方面の総督になっていた。時頼は蒙古の来襲を恐れ、子の時宗にその備えの必要性を説く。フビライはモンケの病死後、5代皇帝となって南宋を滅ぼし、いよいよ日本侵略を決意する。>

鎌倉時代の日本で北条氏の話を中心とし、その一方で世界帝国を築いたモンゴルの英雄たちの物語も並べて進めるという構造がとても面白い。
最後は、蒙古来襲に収束するというわけです。

日本でもモンゴルでも内輪ゲンカ、兄弟ゲンカがあったのですねw。
モンゴルの天幕式住居の絵がとても興味深かった。

人物では、北九州の貿易商の子である謝太郎(高橋氏の創作か)がとても魅力的で、北条氏を助けて忍者のように活躍します。時宗の腹違いの兄時輔もお忍びで宋を訪れるし、この辺の虚構は小説ならではです。

面白かったので420ページX3巻を一気読みしたら、さすがに目がかすみました。
スケールの大きなところに感動です。
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by bibliophage | 2007-01-23 06:32 | 漫画
『風光る』 少女漫画の醍醐味
d0018433_1231224.jpg著者:渡辺多恵子 
書名:風光る 1~21巻
発行:小学館(コミックス)
キャラ立ち度:★★★★★

超ロングセラー連載の幕末少女漫画。第21巻が最近発売された。

<家族を長州の侍に殺された少女セイは、兄の意志を継ぐべく男装をして壬生浪士組(後の新撰組)に入隊する。命の恩人である沖田総司を想い続けながら、セイは清三郎として、剣の修行を続ける。>

これは相当面白いです。
少女と新撰組のミスマッチは、「セーラー服と機関銃」に通じるところがあります。

d0018433_1241512.jpg内容は歴史を虚実織り交ぜた、堂々たる少女漫画になっています。
メインプロットは、清三郎が恋しているのに、総司がそれを気づかずにやきもきする、というよくあるものです。そこに新撰組の多種多様なキャラクターがからみ、ボーイズラブ(当時の呼び名は衆道)がフィーチャーされて、ハチャメチャな展開となっていきます。

まず、絵がきれい。そして、考証がよくされていて、話の運び方が上手い。また、ジョークのセンスがいい。
d0018433_1233530.gifさらに、キャラがとても魅力的。特に、新撰組3番隊長の斉藤一が、几帳面で無表情、腕が立って、隠密業務をこなし、かつ清三郎を密かに想っている、という人気キャラです。
新しい登場人物としては、18巻後半から出てくる遊び人浮之助が素晴らしい。実はその正体は、○○だったという、遠山の金さんもびっくりの内容。これは驚きました。

現在はコミックフラワーズで連載中。最新21巻の後半は、もう終わりなのかな?と思える展開になっているのが心配ですが、関係する掲示板をみると連載は続いている様子。歴史的にはまだまだ書くネタはあるハズなので、できる限り頑張って続けて欲しいものです。
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by bibliophage | 2007-01-03 01:26 | 漫画
『プーねこ』 クールな猫が笑える
d0018433_653134.jpg著者:北道正幸 
書名:プーねこ 1、2巻
発行:講談社(コミック)
シュール度:★★★★☆

コミックアフタヌーン連載のネコギャグ漫画。

<・武蔵野の立派な屋根を好んで生活する少女イラカ。その愛猫はクロベエ。(「イラカの夢」)
・ 捨てネコのニャンプーを拾った小学生芹菜。家ではリストラパパが今日もお料理。(「日和見な日々」)
・ 探偵事務所を構えるネコ、天智小五郎。事件の知らせがあっても、面倒だから弟子ネコのコパヤシ君におまかせ。(「虹色仮面」) >

これは面白かったです(特に第1巻)。
上記のストーリー漫画と4コマ漫画を集めたもので、第1巻は2005年1月販売で、現在15刷と売れています。
可愛い少女とネコの掛け合い漫才のような内容で、ネコが無表情にクールな言葉をつぶやくところがシュールで良いです。
例:ニャンプーが芹菜に、「まあそういわずに頼むよキミ。 ご近所付き合いは最初が肝心なんらぜ」と散歩をねだる場面。

しかし、ギャグ漫画をレベルを保って続けるというのは相当に難しいようで、第2巻はやや失速気味なのが残念でした。

最も爆笑したニャンプーと芹菜ちゃんのシリーズの続きを是非読みたいと思います。
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by bibliophage | 2006-12-25 06:54 | 漫画
『55歳の地図』 お遍路放浪マンガ日記
d0018433_7191241.jpg著者:黒咲一人 
書名:55歳の地図
発行:日本文芸社
解脱度:★★★★☆

干された漫画家の四国放浪記。雑誌ダカーポのおすすめ。

<連載が全くなくなり55歳で漫画家をやめた黒咲氏。家財、漫画の原稿などを捨て、ホームレスとなって、新しい道を探すため三輪自転車を押しながら四国遍路の放浪の旅を始めた。>

どこかで見たような劇画の絵柄ですが、黒咲氏の作品は今まで読んだことはありませんでした。漫画家は人気商売だけに、(当たり前ながら)連載がなくなると生活できなくなるのですね。

四国八十八ヶ所の第一番札所「霊前寺」到着が2003年11月23日。八十八寺を打って(=回って)高野山に行った後、一番に戻ったのが2004年1月23日。
丁度2ヶ月の旅ですが、冬季に回ったせいで何度も危ない目にあっています。そこで人々の有難い助け、慈悲を借りて何とかやり遂げたというのがウリになっています。

作品中に出てくる漫画家仲間の描き方が面白い。本宮氏はサラリーマン金太郎風で、高橋よしひろ氏は犬の姿!でした。

吾妻ひでおの「失踪日記」とは違った味わいで、四国遍路の実際がよくわかりました。しかし「失踪日記」ほどバカになり切れていないというか何と言うか…。やはり、あれほどのインパクトはなかったですね。

とは言え、自分を捨ててこの作品を生み出した黒咲氏ですので、また新たな活躍を期待したいです。
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by bibliophage | 2006-09-04 07:21 | 漫画
『うつうつひでお日記』 すごい読書量に脱帽
d0018433_1174859.jpg著者:吾妻ひでお 
書名:うつうつひでお日記
発行:角川書店
どん底度:★★★★☆

あの「失踪日記」の著者による漫画日記。

「この本はまるごとあじま(=著者)の日記になっていてすごくうっとおしいです。…日記ですのでオチはありません。…一気によむと鬱になるかもしれないので注意してください。(「まえがき」より)」

うわぁ、ほんとにオチがありません!「失踪日記」みたいなモノを期待すると大きくハズレることでしょう。

アル中は脱却しているものの、仕事が少なかった2004年7月~2005年2月までの日記。図書館へ行って、アイスや麺類を食べて、少しだけ仕事して、鬱に悩まされて、本を読んで、といった単調な生活が描かれています。はじめは、(脈略なく入っている)美少女のイラストを見ながら何とか先へ読み進むといった感じでした。

しかし著者の読書量はハンパではありません。笠井潔、絲山秋子、T.J.パーカー、小川勝己、舞城王太郎、その他何でも手当たり次第にすごい猛読。ここにマンガも加わり、「ホムンクルス」「デスノート」「ああっ女神様」etc etc…。この読書内容と著者の評価を見るためだけでも読む価値があります。

プロとして他の人気漫画家に嫉妬するようなところも素直に描いているのが凄い。
森博嗣のマンガ本(!)を読んで、「マンガ家でもやっていける」「これをどういう技術で描いてるのかわからない」などと驚く様が、正直で笑えます。

結局、「失踪日記」が大ヒットして終わるというオチ(?)があるのですが、それまでの苦労・悩みがこの本のウリでしょうね。

ギャグ漫画家の寿命は本当に短い。紆余曲折を経てなお問題作を放つ吾妻氏はその意味では大したものです。
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by bibliophage | 2006-08-27 01:29 | 漫画
『ニッポン幸福哀歌』 貴重な水木マンガ
d0018433_6182886.jpg著者:水木しげる 
書名:水木しげるのニッポン幸福哀歌
発行:角川書店(文庫)
哀愁度:★★★★☆

週刊漫画アクションに連載された「日本の民話」(昭和42-44年)シリーズ。

<難破した島でみつけた不思議な「人面相」、恵比寿と大黒が作ったパラダイスの「島」、願いをかなえてくれる「管狐」、手袋の好きな妖怪「ぬっぺふほふ」、など20編>

水木漫画でよくある容姿の人物(表紙参照):さえない中年の男が怪奇現象、妖怪に出会ってひどい目にあったり、自分を見つめ直したりする内容の短編集です。
パラダイスに住んでみたらだんだん飽きてきたとか、未来が見える三つめの目玉をもらったら世の中に嫌気がさした、など教訓的な話や、美しい妖怪の女性(雨女、影女etc)と仲良くなるという妄想的な話が多く見られました。

このシリーズは今まで読んだことがありませんでした。連載の関係なのか一遍の長さが短いのがやや物足りない感じもしますが、私のような水木ファンにとっては貴重な文庫です。
d0018433_6202722.jpg
昨日のニュースで、水木氏の故郷境港市の「妖怪そっくりコンテスト」というのがありました。「子泣き爺」に似せようと奥歯2本を抜いた、という人にはびっくりしました。
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by bibliophage | 2006-08-22 06:25 | 漫画
『月館の殺人』 テッちゃん殺人事件
d0018433_8185988.jpg著者:佐々木倫子・綾辻行人 
書名:月館の殺人(上、下)
発行:小学館
本格度:★★★★☆

月刊IKKI連載漫画の単行本。

<沖縄の女子高生空海(そらみ)は、両親を亡くして一人ぼっちになった。そこへ存在も知らなかった祖父の代理人が現れ、遺産相続のために北海道に来るように告げる。祖父のいる月館へ向かう列車「幻野号」に乗った空海だったが、そこで殺人事件に巻き込まれる。>

不思議な話ですね~。上巻読んでいてあまりにモタモタするのでもう止めようかと思いましたが、下巻まで読んだら結構面白かったという印象でした。

魅力の一つは何といっても「テツ」の知識。(空海の)祖父の鉄道王に選ばれし鉄道オタク=テッちゃんたちが幻野号に招待され、そのオタク的トリビアを披露しあいます。「テツ」と呼ばれたくないのに、ツボに入ると鉄道好きが全面に出てしまうところに可愛げがあります。
殺人の動機もテツがらみだし…。

列車殺人が一瞬にして館モノ風に切り替わるという大仕掛けも歌舞伎のようでよかったです。ここは漫画ならではの表現の面白さでした。

真相は全く予想できないものでしたw。限定はされない結論ですが、矛盾なく、なるほどと思わせてくれます。探偵役の人物があまりべらべらと口上を述べないところもあっさりしていて好印象でした。

絶滅しかけている「本格」ですが、綾辻先生はまだまだ色々と考えてくれそうです。
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by bibliophage | 2006-08-14 08:22 | 漫画
『手塚治虫 ザ・ベスト 衝撃ホラー編』 手塚漫画を堪能
d0018433_865016.jpg著者:手塚治虫 
書名:手塚治虫 ザ・ベスト 衝撃ホラー編
発行:集英社(漫画)
充実度:★★★★★

不滅の漫画家手塚氏のベスト版。

<ペーター・キュルテンの記録、火の鳥(異形編)、どろろ(百鬼丸の巻)、はなたれ浄土、ブラックジャック(春一番)、ZEPHYRUS、七色いんこ(誤解)、など>

実在の連続殺人鬼を描いた「ペーター・キュルテン…」が最もホラーというべき内容でした。
「リボンの騎士」を思わせる女性剣士の輪廻の話「火の鳥(異形編)」。この2作が特に面白いです。
他に「アルジャーノン…」の本歌取りである「ZEPHYRUS」。
どろろ」「はなたれ浄土」も一度読みたいと思っていた作品でした。

この本を読んで、手塚漫画に出てくる女性がとても可愛いことを再認識しました。コマ割りもうまいし、絵は丁寧だし・・・。
やはり手塚氏は、日本漫画史上永遠にNO.1の存在ですね。

Book Off に行ったら早速この本が300円で売られていました。定価600円で、たぶん購入するのが一割の60円。Book Offさん、いい商売してますねぇ。
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by bibliophage | 2006-08-04 08:12 | 漫画
『史記』 その5  前漢統一の後
d0018433_23334642.jpg著者:横山光輝 
書名:史記 第7、8巻
発行:小学館(コミックス、My First WIDE版)
骨肉闘争度:★★★★☆

横山漫画「史記」のフィナーレ。劉邦死して世乱れる。

第7巻「後継者争い」:

劉邦は前漢統一後、歴戦の部下を粛清した。韓信、彭越、黥布など。蕭何(しょうか)だけがなんとか最後まで生き延びる。劉邦死して後、実権を握ったのは皇后だった呂后。彼女は、劉邦の寵愛を独占した戚姫の手足を切断して復讐。呂氏一族は国を支配したが、陳平と周勃(しゅうぼつ)の働きで呂后死後2ヶ月で滅ぼされた。その後、漢には官僚が育ち始める。文帝を補佐した直言居士の袁盎(えんおう)、景帝の側近となった晁錯(ちょうさ)。しかし、晁錯のとった厳しい中央集権政策に対して呉楚七国が反乱を起こす。晁錯は殺害され、呉王の死によってこの反乱は鎮圧された。

第8巻「義に殉ずる」:

北方民族の話と史記に書けなかった人物たちの列伝。
秦の蒙恬によって追い払われた匈奴。前209年になり、冒頓(ぼくとつ)は父を殺して単于(ぜんう、=君主)となった。そして東胡や月氏を征服し、前漢に匹敵する一大国家を作り上げた。その後、漢朝では、7代の武帝が歴代の友好政策を放棄し、匈奴を追い詰めた。始皇帝をしのぐ領土を手にした武帝は、仙人になるための儀式「封禅」をおこなった。
恩義に対して命をかけて答えた晋の余譲と斉の聶政。遊侠の徒として活躍した朱家や郭解。法による厳しい取締りをおこなった漢朝の郅都、寧成、王温舒。杜周の厳しい裁きは武帝に気に入られ、副宰相にまで出世した。

やはり史記は、春秋戦国の時代や項羽と劉邦の頃が最も面白いですね。漢朝が成立してからは、粛清、内輪もめがひどいし、大きな人物が現れないしでもうひとつでした。
全体を通して、史記というのは「人物にスポットを当てて書く事で、歴史を生き生きと描き出している」という指摘を実感できました。人物描写ということでは、横山氏に勝る漫画家はいないでしょう。ぴったりの相性だと思います。

全巻通じて最も心に残った人物は韓信でした。
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by bibliophage | 2006-07-25 23:46 | 漫画