ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
<   2006年 04月 ( 15 )   > この月の画像一覧
『リアルワールド』 女子高生の世界
d0018433_9332568.jpg著者:桐野夏生 
書名:リアルワールド
発行:集英社(文庫)
現実度:★★★★★

<高校三年のトシちゃん(十四子)の隣に住む同じ年の少年ミミズ。ある日、彼は母親を殺して逃走した。携帯や自転車を奪われたことから、ミミズの遁走を手助けするハメになったトシちゃんと三人の少女(テラウチ、ユウザン、キラリン)。その後、事件は思いがけない展開に陥っていく。>


面白かったです。
少女4人の性格・行動の描き分けから、そのバックストーリーまでとてもリアルです。会話も舞城ばりのスピード感があります。ストーリーが最後に急転しますが、その流れも納得できるものでした。

高校生の少女と少年の苦悩・リビドーなどの描写はとにかく見事でした。
が、それに比して、最後に出てくるキラリンの元カレ(大学生)の手紙って、これは何??
結末を和らげようとする配慮なのか。ここだけがひっかかりました。

巻末の斎藤環氏による桐野作品の解説は、とても参考になりました。
キーは「4人の女」か…。
[PR]
by bibliophage | 2006-04-29 09:36 | その他小説
映画:「かもめ食堂」を観ました
d0018433_1174874.jpg原作は群ようこさん。

<ヘルシンキに開業した小さな日本食レストラン「かもめ食堂」。お客は誰も来ないけれど、サチエ(小林聡美)はめげずに店を続けていく。ある日、アニメおたくのフィンランド人青年が店を訪れ、ガッチャマンの歌詞を質問した。その後、サチエは日本人旅行者のミドリ(片桐はいり)と出会ってその歌詞を教えてもらう。ミドリは食堂で働くことになる。>

すごくゆったりとした展開で、全く自分の好みと違う映画なのですが、終わった後に好印象が残りました。
d0018433_120971.jpg小林聡美さんの存在感と、フィンランドの風景、スローではあるけれどもうまくつながっていく話の進み方が、この映画の良さだと思いました。

映画で出てくる「フィンランドの森」のように、癒やしを感じさせる作品でした。

映画HP 
[PR]
by bibliophage | 2006-04-27 01:20 | 映画
『お庭番平九郎 矢切の渡し』 平九郎、阿波騒動を斬る
d0018433_163335.jpg著者:北川哲史 
書名:お庭番平九郎 矢切の渡し
発行:廣済堂(文庫)
快刀乱麻度:★★★★☆

お庭番の梶原平九郎シリーズ3作目。

<上方で大評判の浄瑠璃「傾城阿波鳴門」と貸本「阿淡夢物語」。どちらも阿波徳島藩の内情に関するものらしい。将軍家治の特命を受け、その内容の真偽を調べる平九郎。しかし、調べは難航し、平九郎の身にも危険が迫る。>

相変わらず、色々な話を関連づけて一つの物語にまとめる手腕は見事だと思います。
今回は、徳島藩の阿波騒動とからむ浄瑠璃と書物にはじまり、それを歌舞伎作品に取り入れようとする仲蔵(平九郎の兄獅子之助の師)、さらにおけい(平九郎の仲間)の店で起きた心中事件、阿波の特産の藍をめぐる商業上の問題、などがからみあって話が進んでいきます。

ただ、ちょっと要素が多すぎてわかりにくいところが散見される印象。また、心中で生き残ったおみつには同情しにくい点、同心である修理の行動がすっきりしない点が若干気になりました。

全体的に読みやすいのは前作と同様です。同シリーズの続編では、主人公の平九郎の一層の活躍を期待します。

浄瑠璃・貸本とも実在するとは知りませんでしたので、勉強になりました。以下に関連するサイトを記します。

・「傾城阿波鳴門」 site1site2
・「阿淡夢物語」 site1site2

北川氏HP
[PR]
by bibliophage | 2006-04-25 01:14 | 時代小説
映画:「プロデューサーズ」を観ました
d0018433_23535884.jpgトニー賞のブロードウェイ・ミュージカルの映画化。

<マックス・ビアリストックは落ち目な演劇プロデューサー。会計士レオ・ブルームが帳簿を調べているのを見ているうちに、「すぐに打ち切りになるような失敗作を上演すれば、出資者にお金を払わずに済む」ことに気づく。だが、最低の脚本と演出家を使った作品「春の日のヒトラー」は、ねらいとは逆に大当たりを取ってしまう。>

正直、面白いと言っていいのか、よくわかりませんでしたw。
マックス役のネイサン・レインが、(特に前半)暑苦しくてちょっと苦手。
ヒトラーかぶれの脚本家フランツ(ウィル・フェレル)の面白さというのも、いかにもアメリカン・ジョークで笑えません。スウェーデンやアイルランド訛りがネタというのも…。

レオとセクシー女優ウーラ(ユマ・サーマン)のダンス場面や、作中劇の「春の…」の舞台は素晴らしく、演出家のゲイの恋人(ロジャー・バート)に存在感がありました。後に進むほど見ていて面白く感じました。

このコメディ映画を十分楽しめるのは、ミュージカル・演劇にかなり精通した人ではないかと思います。

映画HP
[PR]
by bibliophage | 2006-04-23 00:09 | 映画
『ブスの瞳に恋してる』 驚きの赤裸々エッセイ
d0018433_2535040.jpg著者:鈴木おさむ 
書名:ブスの瞳に恋してる
発行:マガジンハウス
衝撃度:★★★★★

原作は5万部突破。ただ今、ドラマ放映中。 

「そして何よりそんなブスな女性のことを本気で愛していると言い張れる。世界の中心で愛を叫べる(「はじめに」より)」

さすがに放送作家というのはスゴイですね~。自分の奥さん(森三中の大島美幸)の放屁とか野グ○とかをそのまんまネタにするのだから…。
しかもちゃんと伏線やオチを入れて書いている。これは、夫婦間で起きたことをひたすら客観視して、笑いを抽出する姿勢がないとできません。そのプロの執念には、ただ感心するのみです。

d0018433_322429.jpg驚くべきシモネタの嵐に、電車の中で我慢できずに何度も笑ってしまいました。
これはさすがに、「原作に忠実に」ドラマを作ることは、不可能!

パート2のエッセイも近日発売予定。

森三中インタビュー
[PR]
by bibliophage | 2006-04-22 03:06 | ユーモア
『ガール』 30代女性への賛歌
d0018433_1165094.jpg著者:奥田英朗 
書名:ガール
発行:講談社
爽快度:★★★★★ 

働く30代女性を描く短編集。

ヒロくん」: 不動産会社に勤める聖子に課長の辞令が下りた。部下に年上の男性が入っている…。
マンション」: 大手生保勤務のゆかり。親友のめぐみがマンションを買ったと聞いて焦る。
ガール」: 由紀子は広告代理店に勤めているが、最近32歳の年令が気になりだした。
ワーキング・マザー」: シングル・マザーの孝子は希望が通って営業部に復帰することになった。
ひと回り」: 営業部の容子の下に新人が入ってきた。しかも、22歳の超イケメンだ。

いや、これは面白い…、伊良部より何倍も。

だまっていてもみんながちやほやしてくれた20代。その時期を過ぎた働き盛りの30代女性の会社での悩み。それを見事に描き出して、彼女たちにエールを送る、そんな素敵な短編が並んでいます。
こんなに上手く女性を描ける男性作家はいないでしょう。

ただ、実際の女性の目からこの本をみたらどうなのか?感想が聞きたいところです。
「現実には、この小説の中の女性たちのようには、(言いたくても)言えない」ものなのかも知れませんが…。
[PR]
by bibliophage | 2006-04-19 11:10 | その他小説
『町長選挙』 伊良部、離島で活躍
d0018433_8191761.jpg著者:奥田英朗 
書名:町長選挙
発行:文芸春秋
傍若無人度:★★★★☆

精神科医伊良部シリーズ短編集第3弾。

<東京都に属する離れ小島、千寿島。ここでは、4年に一度の選挙が、島を二分しておこなわれていた。両陣営の間で悩む派遣公務員の良平。そこに伊良部が赴任し、特養老人ホームがからむ接待攻勢が起きて、事態はさらに混乱していくのだった。(町長選挙)>

表題作の他に、「オーナー」「アンポンマン」「カリスマ稼業」の3作を収録。
この3つはモロに実在の人物のもじり。特に前二つは某元新聞社オーナーと某元カリスマIT社長の言行そのままです。さすがにこれは作家として、どうなのか?。面白いから許しますが…。「カリスマ稼業」は女優の強迫的なダイエットの描き方がさすがに上手いなぁと感心しました。

1作目の『イン・ザ・プール』と比べると伊良部の影が薄いし、上品になったんだと思っていると「町長選挙」で大爆発。接待で食いまくるし、袖の下は受け取るし…。老人・過疎問題までからめて、これは力作です。選挙はどうなるのか、と思っていると…なるほど上手い終わり方でした。

本の表紙もとてもきれいです。
d0018433_8193529.jpg

[PR]
by bibliophage | 2006-04-17 08:23 | その他小説
将棋:名人戦と盤外名人戦
d0018433_9105036.jpg先週4/11と12に第64期名人戦:森内名人対谷川九段の第1局があり、森内名人が先勝しました…orz。谷川九段にとって先手で負けたのはとても痛く、連敗するようだとそのまま寄り切られそうです。何とか、2局目で奮起して欲しいものです。

名人戦開始と同時に盤外の名人戦も大きなニュースになりました。
なんと、主催新聞社が次々回66期から毎日から朝日に変わる予定とのこと。
日本将棋連盟HP 
理由はお金です。
将棋人気は長期低落傾向にあり、棋戦の減少もあって連盟の収支は最近大幅な赤字になっています。そこで、連盟の方から朝日に「スポンサー料を上げてくれたらそちらに移すよん」と話を持ちかけて、朝日がOKしたという経緯です。

毎日はスポニチと共同で王将戦も主催しており、バランス的には悪くないかな、と思います。
ただし、朝日の主催する朝日オープンは5年後に無くなるようで、その時点で1億円以上の損失が生じます。経営のド素人集団の棋士たちなので、いったいどうなることやら…。

一般企業ではまず経営合理化とリストラですね。厳しいようですが、棋士の数を減らす方向というのは必要かも。
日々の精進を怠ったり、年齢的に厳しくなってきた棋士は順位戦でもあっという間に落ちていきます(内藤・森氏は例外)。そんな場合、フリークラスでなく早期引退を奨励するとかしてはどうか…。
あと、女流に頼らず、もっと自分らで普及活動にも励むべき。それに「ヒカルの碁」みたいな漫画で年少者に訴えるべし。

瀬川フィーバーも終わったようだし、連盟の次の一手が期待されるところです。

(現役棋士のblogでのコメント)
渡辺竜王 
大平四段 
遠山四段 
[PR]
by bibliophage | 2006-04-16 09:05 | ゲーム
『不老不死のサイエンス』 クローンからサプリメントまで
d0018433_655384.jpg著者:三井洋司 
書名:不老不死のサイエンス
発行:新潮社
明快度:★★★★★

細胞の老化の専門家が語る、サイエンス・アップ・トゥ・デイト。

「老化や病気を防ぎ、たとえば今のあなたにほぼ近い状態で、200歳まで生きられるとしたら?(「はじめに」より)」

最前線の細胞生物学のトピックスを実にわかりやすく説明してくれます。

第2章:最新の知識編が圧巻です。アポトーシス、テロメア、クローン、活性酸素、(細胞の)不死化などが、ていねいに解説されています。
アシュリーちゃんで有名になった「早老症」もでてきました。

第3章:未来の知識編では、ES細胞からの人工臓器、遺伝子治療や遺伝子ドーピングの話があり、著者流の長寿法が述べられます。サプリメントには否定的で、コエンザイムQ10は化粧品として塗るなら悪くもない、ホルモン治療は癌化のリスクが高過ぎる、となります。
結局のところ、オススメは、マウス実験でも証明された低カロリー食(腹八分目)と赤ワイン一杯、適度な運動とストレスが良い、というやはり常識的な線でした。

ということで、さっそく夕食から低カロリーを実践……しようと思いましたが……なかなか難しいですね。
あと、個人的にはビタミンCを取るのは重要と思っています。
[PR]
by bibliophage | 2006-04-13 06:56 | 新書
「東京マラソン2007」
東京マラソン2007」の大会要項が10日、発表されました。→ yomiuri online

期日:2007年2月18日(日)
コース:(スタート)新宿都庁前→皇居→銀座→浅草→臨海副都心(ゴール)
参加資格:18歳以上男女
制限時間:7時間

アジア最大規模の市民参加レース」というふれこみです。
6/18より申し込み開始。私もエントリーしようと思っています。
10kmレースもありますので、ご参加を検討してみてください。

あ、しかし、(これだけスタート地点との距離があると) ゴール後の荷物・着替えなんかはどうなるんかなぁ…。

大会HP
d0018433_21212310.gif
   
[PR]
by bibliophage | 2006-04-10 21:22 | スポーツ