ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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ビリー・ジョエルのコンサートに行ってきました♪
d0018433_7221282.jpg1998年のエルトン・ジョンとの共演以来、久々の日本公演。
当日券アリとのことでしたが、東京ドームはアリーナ、1,2階席ともびっしり満員

これは…感動的に素晴らしかったです。
夜7時から2時間、アンコール含めて23曲ぶっ通し。これがあっという間!
大概が耳にしたことのあるヒット曲というのが凄い。

ステージは外野バックスクリーン。私の席は一塁側内野。本物はかなり小さいですが、左右のスクリーンで大写しになっています。予想していたより音は良く、ピアノ、声ともきれいに聞こえました。

ビリー・ジョエル、顔はじいさんになっていましたが、全盛期と変わらぬ声量、パワーでした。
2曲目のMy lifeで会場はもう盛り上がり、Honesty、New York state of mind、Allentown、Don’t ask me whyとヒット曲を連発。「日本でしかやらない」とか何とか言いながらThe Stranger。その後はJust the way you are、Movin’ out、She’s always a woman、etc。
最後、Big shot、It’s still Rock and Roll to me、You may be rightで締めくくりました。
アンコールの最後はPiano manでした。
中では、「シングルになってないが、みんなが楽しくプレイできる」とか言っていたZanzibarが一番印象的でした。
Uptown girlとかLongest timeとか今回やらなかったヒット曲がまだまだ残っているのが凄いですねぇ。

彼こそまさにEntertainerの中のThe Entertainerですね。
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by bibliophage | 2006-11-29 07:25 | 音楽
『官能小説用語表現辞典』 淫靡さ表現コンテスト
d0018433_20315846.jpg著者:永田守弘 
書名:官能小説用語表現辞典
発行:筑摩書房(文庫)
イマジネーション度:★★★★★ 

複数の雑誌で書評欄に出ていた話題の書。

「官能小説は性欲をかきたてるためのものではなく、もっと感性の深くにある淫心を燃え立たせるものです。(「あとがき」より)」

官能小説に出てくる男性器、女性器、声、などの多彩な表現を網羅していて圧巻です。
各項目に、約700冊(!)の本から抜粋した例文が書かれています。
電車内ではなかなか読み辛い本ですが…w。

気に入った言い回しを以下に記します。
・ おのれのタフボーイを…カトリーヌに埋ずめこみ…
ラブボタン
灼熱の侵入者
よこしまな淫柱
不埒(ふらち)者のリキッドを浴びせかけた 、などなど。

それにしてもよく考え付くなぁと感心。誰にでも書けそうに見えて、実は特殊な能力を必要とする分野。それが官能小説のようです。

作品のタイトルも色々あって笑えましたが、最高なのは「美母(ママ)は変態バニー」。いったいどんな話やねん!

解説の重松清氏いわく、「声に出して読めない日本語」。上手いなぁ…。
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by bibliophage | 2006-11-21 20:33 | 評論
『号泣する準備はできていた』 超絶なる感受性
d0018433_15191440.jpg著者:絵國香織 
書名:号泣する準備はできていた
発行:新潮社(文庫)
感覚度:★★★★★

直木賞受賞短編集。

「隆志から朝、電話があった。木がなくて電飾だけのクリスマスツリーの夢を見たと言う。彼とは旅先で出会って、同棲もしていた。だけど別の女性と仲良くなって、半年前に部屋を出て行った。今でも時々連絡があり、私は隆志のことを忘れられずにいる。(表題作)」

女流作家の作品は正直、不得意です。
「センセイの鞄」とか「博士の愛した数式」とか全くダメでした。

しかし、この短編集はとても良かった。
出てくる女性たちがちょっと暗くて、典型的な幸せ状態にはない所が気にいったのかも知れません。この設定で長編を書いてもおかしくないのに、と思うものが短編になっているので、密度が濃いと感じたからかも知れません。

アマゾンのレビューを見ると点数が低いのにちょっとびっくり。ハーレクインが好きで、安定を好むような女性読者には確かに受けないかも知れませんね。

話が余韻をもって終わるところ。決め細やかな情景描写。アンニュイというか、ちょっとさめたような会話。

この本を読んで、著者は並外れた感受性の持ち主なのだな、と感じました。
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by bibliophage | 2006-11-19 15:20 | その他小説
『人はなぜ危険に近づくのか』 災害に出会ったら
d0018433_23555774.jpg著者:広瀬弘忠 
書名:人はなぜ危険に近づくのか
発行:講談社
常識的度:★★★★☆

災害心理学の専門家による分析。

「興味本位の恐いもの見たさではなく、恐いから見ないという現実逃避でもなく、見るべきものを正しく見ることがどうしても必要なのである。(本文より)」

面白いのですが、読み進むうちにタイトルから期待される内容と少しずつズレ始めます。
内容は大雑把には以下の通り。

第1章:若者と老人のリスク
第2章:先延ばしの危険
第3・4章:自然災害による危険
第5章:恐怖の効用
第6・7章:パニックと凍りつき症候群
第8章:リスクテイクの男女差
第9章:獲得と保存の男女差
第10章:怒りの感受性の男女差
第11・12章:不幸と幸福の心理

8章以降は、「話を聞かない男、地図が読めない女」かと思いましたw。
「男はホルモン的&社会的に闘争することが多く、女より短命」みたいな内容。

経済学や心理学の文献の内容を紹介して説明するところはよかったです。
が、全体にまとまりに欠ける印象と常識的過ぎる内容がやや気になりました。
自殺とかタナトスとかについても少しは触れて欲しいところです。
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by bibliophage | 2006-11-13 23:56 | 新書
『アフターダーク』 胎動のささやかな予兆の物語
d0018433_024572.jpg著者:村上春樹 
書名:アフタ-ダーク
発行:講談社(文庫)
表現力度:★★★★☆

(永遠の)ノーベル賞候補、村上氏2004年の作品。

<デニーズの店内で夜を明かそうとしていた浅井マリ。そこに姉のエリの友人高橋が通りがかって声をかける。彼の知り合いのカオルに頼まれて、マリは中国人娼婦の通訳をする。その娼婦に暴力を振るった白川は、夜中のオフィスで一人ソフトウェアのバグを直す。一方、エリは2ヶ月前から、彼女の部屋で死んだように眠ったままだった。>

大いなる物語の序章という感じでした。

相変わらず、会話が洒落ていて、比喩が特別に鋭くて、音楽の話が絶えず流れている、という春樹流世界が堪能できます。

高橋の会話が特に凄くて、例えば
「僕にはいくつか問題があるけど…あくまで内部的な問題だから、そんなにやすやすと人目につかれると困るんだ。とくに夏休みのプールサイドなんかでさ」
などというのは、読んでいて痺れてしまいます。現実にこんな物言いをする男がいたら、きっとモテモテですねw。
さらに、「世界中の電圧がすっと下降してしまった感じ」だとか、「新しい一日がすぐ近くまでやってきているが、古い一日もまだ重い裾を引きずっている」とか、渋い表現があちこちに認められます。自在の表現力でした。

お話としては、マリと高橋の今後、エリは目覚めるのか、白川の運命は、など謎が続出したまま夜が明けて、尻切れになってしまいました。続きはどうなっているのでしょうか?

ちょっと気になったのはコオロギという女性の話が説教臭いこと。また、関西弁を使わせるのはOKですが、「ぶちまけた話、…」という言い回しはしないですね。「ぶっちゃけた話」の関西訳のつもりでしょうが…。

ともあれ、ノーベル文学賞に一番近い日本人であることは間違いありません。受賞する日が待ち遠しいです。
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by bibliophage | 2006-11-07 23:58 | その他小説
映画「地下鉄(メトロ)に乗って」を観てきました
浅田次郎の同名原作d0018433_1430443.jpgの映画化。

<小沼真次は大企業オーナーの父親佐吉を嫌い、縁を切って中小企業のセールスマンをしていた。ある夜、真次は地下鉄の階段から外に出ると、昭和39年の東京にタイムスリップしてしまう。その日は若くして死んだ兄の命日だった。タイムスリップはその後も繰り返され、恋人のみちこも巻き込んで、戦後、戦中と時間を遡っていった。そこで彼らはアムールという人物と出会う。一方、佐吉は病気のために危篤となっていた。>

面白かった!
原作を読んで展開がわかっていても泣けました。

ネット評がイマイチのようですが、私は十分イケていたと思います。
面白くないと感じる理由としては、出演者が好みでない、またはプロットが完全に理解できていない、などの可能性が考えられます。確かに、原作を知らないと少しわかりにくい点があるかも。
サンデー毎日(だったか?)の評で、出演者に戦争の苦労がにじみ出ていない、とか昔の地下鉄の雰囲気がない、とか書かれていましたが、それは当っていませんねぇ。
ヤミ市や東京オリンピックの時代のセットなどとても良かったです。

堤真一、岡本綾、大沢たかお、皆頑張っていたと思います。
アムールの正体が映画だとすぐにわかってしまうのが残念ですが、これは仕方ないことですね。

トリビアとしては、主人公(堤)の父親の病気が、「肝臓に腫瘍があって、動脈瘤が破裂した」は、(原作と同じく)間違いの可能性があること。おそらく「静脈瘤が破裂」ではないかと思われます。

原作を読んでいてもいなくても楽しめる映画だと思います。
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by bibliophage | 2006-11-05 14:33 | 映画
DVD「猫目小僧」を観ました
d0018433_8264787.jpg「まことちゃん」などで知られる漫画家楳図かずお氏の作品を実写映画化。

<東北の田舎の村に家族と引っ越してきた高校生まゆか。彼女は左の頬にあるアザにコンプレックスを持ち、小学生の弟浩も喘息に悩まされていた。ある日彼らの前に猫のような顔をした少年が現れて、彼らの悩みを解消してくれた。一方、その頃村では、封印を解かれた怪物ギョロリが現れて、人々をゾンビである‘肉球’に変えていった。>

以前、原作マンガを読んで強いインパクトを受けました。ロードショーは行こうとして果たせずでしたが、レンタルビデオ屋で目に付いたので、即借りました。

結構面白かったです。巧拙半ばする、といった印象ですが…。

まゆか(石田未来)が魅力的でした。アザに悩むという設定がいいです。
バカップルが肝試しに廃墟に入って封印を解いてしまう、という展開もよくあるパターンですが悪くありません。

ゾンビの肉球(にくだま)の造形はまあ普通。しかし猫目君のかぶりモノはイマイチ。体型もちょっと大きすぎて、腹が出ていたw。でもこの辺はご愛嬌。最悪は妖怪ギョロリの竹中直人。なんで顔の包帯をはずすのか…。ホラーが一気にお笑いになってしまいました。確かに、笑いと恐怖は近いというのが楳図氏の持論ですが…。

村人が肉球を見る恐ろしさに耐え切れずに自分の目をつぶす、というのは原作にもあった話。原作では、それでも肉球は心の中にイメージとして侵入してきて凄く怖かった。
この映画でも肉球が村人の口の中に手をつっこんで感染?していきますが、ちょっとeroticな印象ですw。
原作では、肉球とは癌である、という凄い結論になっていました。

全体に、恐怖とユーモアが混ざっていて、中途半端というのか、いいバランスというのか。
猫目君の造形をちょっと矯正して続編を作って欲しいものです。

・ 映画公式サイト
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by bibliophage | 2006-11-03 08:33 | 映画