ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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今年読んだ本 何が1番?
d0018433_17381428.jpg2006年がもうすぐ終わります。あっという間の1年でしたが、サッカーワールドカップ、荒川静香の金メダル、テニスのフェデラー来日など、スポーツのことばかりが印象として残っています。スポーツ以外でも、最後にフセイン死刑という大きなニュースがありました。そういえば首相も交代したのでしたね…w。

さて、今年読んだ中で色々と心に残った本をあげます。

良かった本ベスト5> …読んで損をしないことは確かです。
1) 『チーム・バチスタの栄光』 海堂尊 1/28
2) 『グレート・ギャツビー』 S.フィッツジェラルド、村上春樹訳12/2
3) 『ワイルド・ソウル』 垣根涼介 5/27
4) 『ガール』 奥田英朗 4/19
5) 『文学賞メッタ斬り!リターンズ』 大森豊、豊崎由美 9/16

衝撃を受けた本ベスト5> …ホラーかホームレス系ですね。
1) 『無痛』 久坂部羊 5/22 
2) 『独白するユニバーサル横メルカトル』 平山夢明 12/28 
3) 『今日、ホームレスになった』 増田明利 9/20
4) 『失踪日記』 吾妻ひでお 5/5
5) 『姉飼』 遠藤徹 8/1

(個人的に)期待を裏切られた本ワースト3> …期待し過ぎはいけません。
1) 『ららら科學の子』 矢作俊彦 10/30
2) 『ナイチンゲールの沈黙』 海堂尊 10/15 
3) 『陽気なギャングの日常と襲撃』 伊坂幸太郎 5/17

今年は仕事の忙しさのためか、生来の怠惰な気質が首をもたげたためか、11月から読書速度があがらなくなりました。とても残念。
来年の目標は2日に1冊。できるだけ頑張ろうと思っています。
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by bibliophage | 2006-12-31 17:45 | その他
『独白するユニバーサル横メルカトル』 地図の独り言
d0018433_1403075.jpg著者:平山夢明 
書名:独白するユニバーサル横メルカトル
発行:光文社
衝撃度:★★★★★

「このミス2007」第1位に選ばれた短編集。

<・私は国土地理院発行の地図帳。タクシー運転手の先代に愛用され、その特別な「使命」にまでも密かに協力してまいりました。(表題作)
・ジャングルの中、覚醒剤の生産地へ一攫千金を狙ってやってきたヒロとドブロク。しかし原住民に捕まって、檻の中で絶体絶命の状況に。(「すまじき熱帯」)>

久しぶりに強烈無比な作品に出会いました。
はっきり言って気持ち悪くて、エグい!いったいこれのどこがミステリーなんだ!?

しかしそのキモさの中に、どうしても惹かれてしまう部分があります。
それは、地図が独白するという奇想であったり、人食いの怪物が持つ知性であったり(「Ωの聖餐」)、原住民の会話が変な日本語に聞こえるといったユーモアであったりするのです。

そういったギリギリのところで成立している短編集です。なので、多くの人(特に女性)にとっては生理的に耐えられない可能性があると思われます。
特に、「Ωの聖餐」「すまじき熱帯」「怪物のような顔の…」の3編は凄まじいので、要注意。

本の表紙もかなりインパクトがありますが、まさにこんな感じの内容。ライトノベルの対極に存在するようなダーク&ヘビーノベルです。これから読まれる方はKOされないように、ヘッドギアをつけてどうぞ。
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by bibliophage | 2006-12-28 01:48 | ホラー/SF
『プーねこ』 クールな猫が笑える
d0018433_653134.jpg著者:北道正幸 
書名:プーねこ 1、2巻
発行:講談社(コミック)
シュール度:★★★★☆

コミックアフタヌーン連載のネコギャグ漫画。

<・武蔵野の立派な屋根を好んで生活する少女イラカ。その愛猫はクロベエ。(「イラカの夢」)
・ 捨てネコのニャンプーを拾った小学生芹菜。家ではリストラパパが今日もお料理。(「日和見な日々」)
・ 探偵事務所を構えるネコ、天智小五郎。事件の知らせがあっても、面倒だから弟子ネコのコパヤシ君におまかせ。(「虹色仮面」) >

これは面白かったです(特に第1巻)。
上記のストーリー漫画と4コマ漫画を集めたもので、第1巻は2005年1月販売で、現在15刷と売れています。
可愛い少女とネコの掛け合い漫才のような内容で、ネコが無表情にクールな言葉をつぶやくところがシュールで良いです。
例:ニャンプーが芹菜に、「まあそういわずに頼むよキミ。 ご近所付き合いは最初が肝心なんらぜ」と散歩をねだる場面。

しかし、ギャグ漫画をレベルを保って続けるというのは相当に難しいようで、第2巻はやや失速気味なのが残念でした。

最も爆笑したニャンプーと芹菜ちゃんのシリーズの続きを是非読みたいと思います。
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by bibliophage | 2006-12-25 06:54 | 漫画
『となり町戦争』 2007年2月映画公開
d0018433_23123273.jpg著者:三崎亜記 
書名:となり町戦争
発行:集英社(文庫)
着想度:★★★★☆

小説すばる新人賞のデビュー作、かつ直木賞候補だった作品、早くも文庫化。

<自分の住む舞坂町がとなり町と戦争を始める。広報でそれを知った僕に、偵察業務従事の辞令が届いた。どこで戦闘が起きているのかもわからないのに、発表される戦死者数は増え続けている。次に、となり町に潜入し、役所の香西さんと夫婦として住むという任務が与えられた。それまで戦争の影もみえなかったある夜、電話が鳴って事態は急転した。>


とにかく、発想が凄いですねぇ。お隣の町との戦争。しかも何が戦争なのか全くわからない。

最初の方は、筒井康隆ならこの辺で事件が起きるのに…、とか、これって短編のネタを長編に引き伸ばしてるんじゃないのか…、などとぶつぶつ言いながら読んでいました。
しかし、その淡々と流れるところを我慢して読むと、驚くべき展開が…。
振り返ると、あの淡々が曲者で、作者の意図するところだったとわかりました。

さらに、この作品は文章がとても美しい。特に風景の描写がきめ細かくてきれい。
またユーモアも秀逸。「性的な欲求処理に関する業務」は笑えました。

文庫版のための「別章」も面白かった。説明会で質問していたマジメな彼が誰かわかります。

短編集 『バスジャック』 もとても良かったし、この作者からは目が離せないですね。
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by bibliophage | 2006-12-21 23:16 | その他小説
『御教訓カレンダー2007』 年末恒例
d0018433_7102957.jpg主催:御教訓カレンダー大賞事務局 
書名:御教訓カレンダー2007
発行:PARCO出版
爆笑度:★★★☆☆

審査員:糸井重里、榎本了壱、ゲスト審査員:眞鍋かをり、リリー・フランキー。
32年目を迎えた御教訓(ことわざ、コピーなどのパロディ)

ネットで応募できるようになって投稿は毎年増加。しかし面白さは反比例してやや減少傾向ですねぇ。
この原因は、おそらく一年中投稿できる環境のせいと見ました。できたらとにかく投稿、ということになると、思わず上手い!とうなったり、大爆笑したりする作品はできにくいのではないでしょうか?

それでもクスクス笑えるものはありました。気に入った作品はというと…

・ 子供たちは下のヘアで遊んでいます
・ 体に木を使う -ピノキオ
・ キミはカワイイから鉄だって上げちゃう


などです。

これが面白いと思った方は御教訓のHPへ。  
全くしょうもない、何が面白いの?という方には、このコトバ遊びは不向き。

俺ならもっと面白いのができる、という方はHPで是非投稿を。
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by bibliophage | 2006-12-18 07:14 | ユーモア
『螺鈿迷宮』 森博嗣めざしてる?
d0018433_20574748.jpg著者:海堂尊 
書名:螺鈿迷宮
発行:角川書店
ライトノベル度:★★★☆☆

チーム・バチスタの栄光」の海堂氏、早くも3作目。

<天馬大吉はドロップアウト寸前の東城大医学部留年生。ある日、幼なじみの新聞記者葉子に頼まれて、桜宮病院に潜入取材するはめになる。その病院は、ユニークな終末期医療をおこなうことで知られていたが、最近そこを訪れたまま行方知れずになっている人物がいることがわかった。天馬は、(文字通り)傷だらけになりながら、その病院の秘密を探る。>


ええと、キャラクター小説というのでしょうか、こういったタイプは?
たぶん、キャラを立てたライトミステリということで、森博嗣氏の作品のようなところを狙っているのだと思われます。

中途半端な印象を受けました。
2作目と同じで、謎の提出が遅く出足でもたつくために序盤で読む速度が上がりません。なので、ミステリとしては軽い感じ。
かといってライトノベルとしては、キャラがもう一つぱっとしないというか…。
1、2作目でさんざんほのめかしていた白鳥の部下姫宮がついに登場します。性格がユニークなのはいいのですが、可愛いという描写があまりないので、いわゆる萌えにならない。
また、桜宮病院の双子の女医さんの年令設定がやや高め。

桜宮病院の医療システムについては、とてもユニークで面白い。最後の、因縁話をからめた謎解きも興味深い点がありました。問題はそこまですらすらと読み進めるか、という点ですね。

終わり方は続編をもろに示唆する形でした。果たしてそれが刊行のあかつきには読むことになるのでしょうか…??
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by bibliophage | 2006-12-16 21:00 | ミステリ-
村上春樹氏の「ロング・グッドバイ」をめぐる冒険
AERA今週号の記事「期待vs.心配?春樹のマーロウ」はいたく楽しめました。

サリンジャー「キャッチャー・イン・ザ・ライ」、フィッツジェラルド「グレート・ギャツビー」に続いて、チャンドラー「ロング・グッドバイ」を村上氏が翻訳します。
一字一句訳すので物語の全貌がすっきりすることが期待できる一方、クールなマーロウがスニーカーをはいて自分探しをするのではないかという心配もある、という興味深い指摘がありましたw。

翻訳を出すというだけで刊行前からこれほど話題になることも珍しいですね。村上春樹氏がいかに現代日本の読書家の心をとらえる作家であるかがよくわかります。

村上春樹になりきって「ロング・グッドバイ」の名シーンを「ハルキスト」のお三方が訳す、という企画がまた面白かった。
・「…ギムレットのまともなつくり方も知らないんだな」と彼はくぐもった声で言った。…ギムレットを十全に作ろうと思うなら…(向井万起男氏)
・「やれやれ、最近の女の子ときたら焼酎の飲み方すら知らないんだな」と五反田君は言った。(清水良典氏のパロディ訳)
・彼は薬剤師が薬品を点検するようにグラスを見つめながら、「作り方を知らないんだね、ギムレットの」と…。(松尾貴史氏)

さて、 To say goodbye is to die a little. はどう訳されるのでしょうか?
故清水俊二氏「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」…真ん中ストレート。
向井氏「“さようなら”と言うのは、命を少し削ることだ」…命を削る、とは渋い。
う~む…「さよならを言うときは、ほんの少し息が止まったまんまになるのさ」くらいでいかがでしょうか?

いずれにせよ、楽しみですね、春樹版ハードボイルド。
マーロウが素敵にイメチェンしてくるかもしれないけれども
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by bibliophage | 2006-12-14 01:07 | 雑誌
『パプリカ』 幻夢大戦
d0018433_0284499.jpg著者:筒井康隆 
書名:パプリカ
発行:新潮社(文庫)
迫力イメージ度:★★★★★

アニメ映画、ただ今公開中。

<精神医学研究所に勤める時田と美人セラピスト千葉。2人は、精神治療用機器を用いた分裂病治療の功績でノーベル賞候補にあげられていた。一方、副理事長の乾とその手下小山内は2人のことをねたむ。ある日、時田の開発した新しい治療機器「DCミニ」が盗まれた。それには夢と現実世界を混然とさせる危険な力が付随していた。千葉は美少女夢探偵「パプリカ」に姿を変え、乾の邪悪な企みに立ち向かう。>

これは面白いですねぇ。
てんかん協会との事件で断筆宣言する直前の作品とあって、分裂病の妄想の話などが全開で圧倒的なパワーで迫ってきます。
精神分析的世界観を借りたサイバースペースでの戦いがメインテーマになっています。

乾がどんどん悪性変異を重ねていって怪物化し、夢と現実がつながるようになって、妄想や魔物が出現するところはかなり不気味です。たくさんの日本人形が無表情に笑いながらふらふら歩いたり…。

また、美人研究者千葉と少女の姿のパプリカ、この2人(1人)のセックスアピールが強力です。アニメ映画でどこまで許されることやら…。

最後は夢世界での大戦にもつれこみます。そのドタバタぶりも筒井氏らしいし、イメージ描写能力も素晴らしいの一言です。

これは是非、アニメーションのパプリカに会いに映画館に行かなくては・・・。
→ 映画公式サイト
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by bibliophage | 2006-12-12 00:34 | ホラー/SF
『墨攻』 スーパー傭兵、革離
d0018433_1012325.jpg著者:酒見賢一 
書名:墨攻
発行:新潮社(文庫)
専守防衛度:★★★★☆

「後宮小説」の酒見氏の92年の作品。漫画化に続いて映画化。

<中国の戦国時代。博愛主義の思想家墨子が作った宗教・軍事的結社墨家。趙に攻め込まれている小国の梁へ、墨家から派遣されてやってきた革離。彼はたった一人、不眠不休で人々を指揮し、城の防衛に全精力を傾ける。>

面白かったです。
謎に包まれた存在の墨子に興味を持ち、少ない歴史資料から想像力を屈指してこの話を考え出した酒見氏の小説家としての力量にまず感心しました。

敵の攻撃に対し、色々な手を使って守ります。土を盛って高台を作れば、より高くから弓や石をあびせる。トンネルを掘ってくれば、こちらからもトンネルを作って迎え撃つ。

この辺りの攻防をほとんど一人でやり抜くところが、ゲーム的な感覚で受けて、漫画化された上に、今回アンディ・ラウ主演で映画化(2007年2月公開)されるに至ったのではないかと思います。

劇的な結末は極めて伝統的な形で、伏線がよく効いていました。

解説はためになりましたが、作者あとがきは何でしょう、あれは?

映画も是非観てみたいと思いました。 → 映画公式サイト
あ、その前に作者の「泣き虫弱虫諸葛孔明」も読まなくては…。
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by bibliophage | 2006-12-09 07:36 | その他小説
表紙はフェデラー
d0018433_0473389.jpg今週号のAERAの表紙は、ランキング1位のプロテニスプレーヤー、ロジャー・フェデラー

今年の成績が何と、90勝5敗!!全仏はナダルに譲ったものの、全英、全米、全豪と優勝。
欠点のないオールラウンドプレーヤーで、史上最強と言われています。

何がそんなに凄いのか?
フォアハンドとバックハンドのグラウンドストロークは技術的におそらく歴代最高。幼少時にバトミントンなどを通してあの柔らかいラケットさばきを得たとか。
ボレー、サービス、リターンも現在のトップクラス。メンタル的にも強い。
あと、フットワークが異次元で、空中を移動しているようです。

その実際のプレーをコマ送り。
d0018433_0484613.jpg1. 相手(手前側)のスライスサーブが完璧にフォア外側に炸裂。ノータッチのエースでもおかしくないコース。しかし、フェデラー(向こう側)は届いて返球します。





d0018433_0505394.jpg2. フェデラーのリターンをバックハンドドライブで逆コーナーに打ち返す相手選手。
「もらったぜ!」
フェデラーはサイドラインの位置。






d0018433_054304.jpg3. バックサイドに脱兎のごとくボールを追いかけるフェデラー。ボールよりも速い!








d0018433_112611.jpg4. 追いついてバックハンドドライブでストレートにヒット。










d0018433_124841.jpg5. コーナーぎりぎりに着弾!相手は呆然と立ちすくむのみ。「なんでやねん」
6. フェデラーは涼しい顔。「ミルカ、今の見てくれた?」
解説者「That’s ridiculous(そんなばかな)! Perfect shot! That’s spectacular!」

全く、神業。ぞくぞくさせるプレーです。
試合中、自分のエース級のショットをフェデラーに切り返され、あ然とする相手選手。よく見られる光景で、相手は徐々に戦意を喪失していきます。

フェデラーにはできるだけ長くトップに君臨していて欲しいもの。
是非、来年もAIGオープンで来日してもらって、そのプレーを生でみたいと切に願います。
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by bibliophage | 2006-12-06 01:11 | スポーツ