ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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無敵のフェデラー 全豪で優勝
d0018433_045527.jpgテニスの全豪オープン2007、男子シングルス決勝。
ロジャー・フェデラー(スイス)がフェルナンド・ゴンザレス(チリ)を7-6.6-4.6-4のストレートで下して2年連続の優勝を果たしました。準々決勝でナダルを破ったゴンザレス、確実に強くなっているようです。
d0018433_0454891.jpg何と第1セットでフェデラー相手にセットポイントまで握っています(写真→)。が、善戦も空しく結局フェデラーには10連敗目。
フェデラーはこれでグランドスラム10回目の優勝。1セットも落とさないでの優勝は27年ぶりとのこと。強過ぎますねぇ。

ケーブルTVが見られないので、今回の全豪はYou tubeで観戦w。
ロブレドやロディックと対戦したフェデラーは、バックのスライスを効果的に使い、また積極的にネットに出てボレーを決めていました。
フェデラーにバックハンドのドライブをストレートに打たれると、トッププロでも全く動けずにエースになってしまいます。

フェデラーのフォアとバックのグランドストロークは前人未到の領域に達しつつある感じです。さらにボレー・リターンとも現役最高の技術の持ち主。これだけ穴がないと、どこを攻めたらいいのかわからないでしょうね。

d0018433_047599.jpgフェデラー自身インタビューで、「あと5年くらいは勝ち続けなければいけないと思う」と言っており、どこまで記録が伸びるのか楽しみです。

女子はセレーナ・ウィリアムスがシャラポアを圧倒して優勝。サーブとリターンが凄かった。シャラポアが負けるとニュースの記事が小さくなってしまうのが面白い。やはりニュースヴァリューが違うのですねw。
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by bibliophage | 2007-01-29 00:54 | スポーツ
『逃亡日記』 3匹目のどじょうはいるか?
d0018433_18375117.jpg著者:吾妻ひでお 
書名:逃亡日記
発行:日本文芸社
新奇度:★★★☆☆

失踪日記』の関連本。

「吾妻「てかこれ『失踪日記』の便乗本じゃないのっ」
編集「そうすよ」…
吾妻「皆さんこの本買わなくていいです!漫画だけ立ち読みしてください」
(MANGA 受賞する私より)」

上に書いたように、まさに便乗本ですねw。本人の意志というより出版社とのしがらみで作られた雰囲気です。吾妻先生の写真が見られたし、前と後ろに漫画があったからまあいいか…。

1、2章はベストセラー『失踪日記』の内容について、編集者がインタビューして、それに答える形。すなわち、その復習をしているような内容なので、目新しいことが少ない。
奥様が『失踪され日記』の執筆を依頼されている、というのが笑えた。

3章以降の、生い立ちと漫画家としての履歴は、『うつうつひでお日記』より少し詳しい。
石森正太郎と手塚治虫にあこがれたことが熱く語られていました。
ちばてつやの「あしたのジョー」が、当時流行っていた劇画の影響をモロに受けて絵柄が変わっていった、というのも興味深い。
鴨川つばめのギャグ漫画(「マカロニほうれんそう」)が全く理解できなかった、というのも面白かった。

また、吾妻氏のSFに対する造詣の深さが再認識されました。

結論的には、前後の漫画と3章以降を立ち読みすれば十分と思います。
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by bibliophage | 2007-01-28 18:38 | ユーモア
『話のつまらない男に殺意を覚える』 女性の本音
d0018433_7283476.jpg編集:ドレミファガール 
書名:話のつまらない男に殺意を覚える
発行:小学館
辛辣度:★★★☆☆

ミクシィの人気コミュニティを書籍化。

「だけど、何なの?自分の喋りたいことばっか喋るオレオレトーク。…さらにお会計時、…キッチリ割り勘、7350円取られましたーーー(「はじめに」より)」

若い女性の、男友達、会社の同僚、コンパの相手etcに対する不満・グチを集めてます。

面白いですねぇ。これを読むと、嫌われる男のパターンが非常によくわかる。
断トツの1位:ケチ
2位:自分が偉いと思い込んで話す奴
3位:(自分が好かれていると)勘違いしてる奴。

面白かったエピソード。
・ハチ公前で美人2人に声をかけた学生「遊ばない?オレら早稲田だけど」。…「私たち東大です。」

惜しむらくは、ちょっと内容がワンパターン。あと、エピソードの後に書かれる編者のつっこみがぬるい。
まぁ立ち読みで十分かもしれません。
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by bibliophage | 2007-01-26 07:29 | ユーモア
『北条時宗』 時宗VSフビライ
d0018433_6295936.jpg著者:さいとう・たかを、原作:高橋克彦 
書名:北条時宗 前・中・後編
発行:リイド社(漫画)SP Wide版 
(画像→はオリジナル版)
ダイナミック度:★★★★☆

北条氏とフビライ兄弟の物語を並列。

<北条時頼は執権に就任したが、同族の北条時幸や有力豪族三浦氏との権力争いは続いた。一方モンゴルでは4代目の皇帝にモンケが着き、フビライは中国方面の総督になっていた。時頼は蒙古の来襲を恐れ、子の時宗にその備えの必要性を説く。フビライはモンケの病死後、5代皇帝となって南宋を滅ぼし、いよいよ日本侵略を決意する。>

鎌倉時代の日本で北条氏の話を中心とし、その一方で世界帝国を築いたモンゴルの英雄たちの物語も並べて進めるという構造がとても面白い。
最後は、蒙古来襲に収束するというわけです。

日本でもモンゴルでも内輪ゲンカ、兄弟ゲンカがあったのですねw。
モンゴルの天幕式住居の絵がとても興味深かった。

人物では、北九州の貿易商の子である謝太郎(高橋氏の創作か)がとても魅力的で、北条氏を助けて忍者のように活躍します。時宗の腹違いの兄時輔もお忍びで宋を訪れるし、この辺の虚構は小説ならではです。

面白かったので420ページX3巻を一気読みしたら、さすがに目がかすみました。
スケールの大きなところに感動です。
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by bibliophage | 2007-01-23 06:32 | 漫画
『ブレイクスルー・トライアル』 「このミス…」2007大賞受賞
d0018433_1303783.jpg著者:伊園旬 
書名:ブレイクスルー・トライアル
発行:宝島社
画期的度:★★★☆☆

昨年の「チーム・バチスタの栄光」に続く第5回大賞受賞作品。

<大学時代の友人である門脇と丹羽は、IT企業セキュア・ミレニアム社が主催する公開侵入実験コンテストに参加することを決める。研究所の最新セキュリティを突破するトライアルで、賞金は1億円。彼ら以外にも、強盗団の連中がエントリーして、会場はとんでもない状態に陥っていった。>

話題作を続出させる「このミス」大賞。
期待して読みましたが、今回はもう一つでした。

題材は興味深く、キャラも面白いのですが、何せ前半が読みにくい。説明が多くて、テンポが悪く、もう少しで挫折するところでした。
実際のトライアルの描写である後半が面白いだけに、惜しまれるところです。

主人公の門脇が元ミレニアム社の社員だったりするのも違和感が強い。
また、技術者として強盗チームに協力する<蛙>の存在が面白いのに、ここで生じるはずの摩擦が書かれず、いつの間にか消えてしまう。
第3の参加チームの存在感が乏しい。…あげていくと気になる点が多数です。

これから読まれる方は、1.2章は流して、緊迫感のある3章を楽しむのが吉と思います。
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by bibliophage | 2007-01-20 01:32 | その他小説
『山本勘助』 実在の軍師なのか?
d0018433_1157445.jpg著者:平山優 
書名:山本勘助
発行:講談社
伝説度:★★★★☆

NHK大河ドラマが開始されました。

「本書では、山本勘助について…あえて『(甲陽)軍鑑』にのみ依拠して、詳細に彼の活躍や言動を紹介していきたい。(序章より)」

信玄ファンとしてはほっておけない人物ですが、いやぁ、知らないことばかりでした。
なんと、山本勘助の実在性がずっと疑われていたとは…!

彼についての記述は、武田家家臣の高坂弾正を中心に書き継がれた『甲陽軍鑑』にしかなく、この資料は年代がいい加減なため、近代歴史学においてその価値が否定されていました。したがって、軍師としての山本勘助もその存在が否定されていたようです。

ところが、昭和44年に「市川文書」と呼ばれる資料が発見され、その信玄の手紙の中に「山本管助」の字があって、逆転でその実在性がぐっと高まった、とのこと。よかったですねぇw。

片目であったようですが、片足というのはウソらしく、江戸時代に付け加えられたフィクションのようです。NHKの考証がどうなっているか楽しみなところ。

簡単に年表を作ると、下記のようになります。
36歳(?)まで各地を廻って武者修行→今川義元へ仕官を希望するもかなわず→43歳で武田信玄に仕える→諏訪氏の娘と信玄との縁組みを支持→戸石城で武田軍の窮地を救う→村上義清との戦いの作戦を立案→信玄とともに出家→川中島に海津城を築く→最後の川中島の戦いで戦死(62歳?69歳?)。

未だに謎に包まれた人物:山本勘助ですが、その姿がうっすらと見えてきました。
大河ドラマを見る方にはおすすめです。
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by bibliophage | 2007-01-14 11:58 | 新書
『使命と魂のリミット』 手練の作品
d0018433_6371942.jpg著者:東野圭吾 
書名:使命と魂のリミット
発行:新潮社
論理性度:★★★★★

「赤い指」に続く東野氏の最新刊。

<父健介が、東都大学で大動脈瘤の手術後に死亡した。当時中学生だった夕紀は、執刀医の医療ミスの疑いを捨てきれないまま、今研修医となって同病院の心臓外科に勤めている。そんな折、病院を爆破する、という警告文が届いた。不安な状況の中、財界の大物に対する心臓外科の大手術が開始された。>

上手いなぁ、という印象でした。
最近、医療モノはちょっと食傷気味でしたが、東野氏の手にかかるとかくも見事なお話が作られてしまうことに感心しました。

父の手術の執刀医、現在の教授である西園。その西園と母との関係。いきなり謎が出てきて、疑念が生まれ、話の内容に引き込まれます。
医療ミスによる被害と車の設計ミスによる被害。最近のトピックを対比させるように話が進んでいきます。

医療の現場についてもよく調べられていると思いました。また。犯人の大掛かりな仕掛けは、理系技術者であった東野氏ならではという感じがします。

最後はタイムリミットサスペンスとなり、思わぬ展開になります。ちょっと都合よく行き過ぎますが、すべての謎に答を出して着地します。この論理性がやはり魅力ですね。
細かいところまで考え抜かれているのにも感心。犯人が本名でホテルを予約した理由など。

当代の人気作家の実力を見せ付けられた作品でした。
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by bibliophage | 2007-01-11 06:40 | ミステリ-
『シャドウ』 複雑なプロット
d0018433_23282330.jpg著者:道尾秀介 
書名:シャドウ
発行:東京創元社
意外度:★★★★☆

このミス2007 第3位。

<咲枝が癌の再発で亡くなり、夫の洋一郎と小学5年生の息子鳳介が残された。そして、それを追うかのように、咲枝の友人の恵が飛び降り自殺をした。遺書には夫の徹を責める言葉が残されており、娘の亜紀は動顚の余り車にひかれてしまう。その後、洋一郎の言動におかしな点が目立つようになり、鳳介は精神科医の田地に相談をする。>

それにしても複雑なプロットを考えだしたものです。

各章の視点が違う人物のものになっており、同じ出来事も何人かの目で見ると、解釈が変わってくる。その点を上手く利用して謎を仕掛け、ほのめかしを多用して読者を煙に巻く。そういった作者の意図は成功していると思います。

文章もほとんど修辞を使わないシンプルなもので、すらすらと読み進むことができました。
鳳介君の探偵ぶりも良かったです。全体に、とても意外性に富む展開で、飽きることがありませんでした。

残念なのは、意外性を追求する余り、真実に必然性がないこと。もう少し伏線を入れないととても本格とは言えず、TVの2時間推理ドラマみたいに唐突な印象を受けてしまうかもしれません。あぁ、そうだったのか!感が乏しいのです。

面白いのは認めますが、第3位はちょっと買い被り過ぎかな…。
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by bibliophage | 2007-01-05 23:32 | ミステリ-
『風光る』 少女漫画の醍醐味
d0018433_1231224.jpg著者:渡辺多恵子 
書名:風光る 1~21巻
発行:小学館(コミックス)
キャラ立ち度:★★★★★

超ロングセラー連載の幕末少女漫画。第21巻が最近発売された。

<家族を長州の侍に殺された少女セイは、兄の意志を継ぐべく男装をして壬生浪士組(後の新撰組)に入隊する。命の恩人である沖田総司を想い続けながら、セイは清三郎として、剣の修行を続ける。>

これは相当面白いです。
少女と新撰組のミスマッチは、「セーラー服と機関銃」に通じるところがあります。

d0018433_1241512.jpg内容は歴史を虚実織り交ぜた、堂々たる少女漫画になっています。
メインプロットは、清三郎が恋しているのに、総司がそれを気づかずにやきもきする、というよくあるものです。そこに新撰組の多種多様なキャラクターがからみ、ボーイズラブ(当時の呼び名は衆道)がフィーチャーされて、ハチャメチャな展開となっていきます。

まず、絵がきれい。そして、考証がよくされていて、話の運び方が上手い。また、ジョークのセンスがいい。
d0018433_1233530.gifさらに、キャラがとても魅力的。特に、新撰組3番隊長の斉藤一が、几帳面で無表情、腕が立って、隠密業務をこなし、かつ清三郎を密かに想っている、という人気キャラです。
新しい登場人物としては、18巻後半から出てくる遊び人浮之助が素晴らしい。実はその正体は、○○だったという、遠山の金さんもびっくりの内容。これは驚きました。

現在はコミックフラワーズで連載中。最新21巻の後半は、もう終わりなのかな?と思える展開になっているのが心配ですが、関係する掲示板をみると連載は続いている様子。歴史的にはまだまだ書くネタはあるハズなので、できる限り頑張って続けて欲しいものです。
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by bibliophage | 2007-01-03 01:26 | 漫画