ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『話のつまらない男に殺意を覚える』 女性の本音
d0018433_7283476.jpg編集:ドレミファガール 
書名:話のつまらない男に殺意を覚える
発行:小学館
辛辣度:★★★☆☆

ミクシィの人気コミュニティを書籍化。

「だけど、何なの?自分の喋りたいことばっか喋るオレオレトーク。…さらにお会計時、…キッチリ割り勘、7350円取られましたーーー(「はじめに」より)」

若い女性の、男友達、会社の同僚、コンパの相手etcに対する不満・グチを集めてます。

面白いですねぇ。これを読むと、嫌われる男のパターンが非常によくわかる。
断トツの1位:ケチ
2位:自分が偉いと思い込んで話す奴
3位:(自分が好かれていると)勘違いしてる奴。

面白かったエピソード。
・ハチ公前で美人2人に声をかけた学生「遊ばない?オレら早稲田だけど」。…「私たち東大です。」

惜しむらくは、ちょっと内容がワンパターン。あと、エピソードの後に書かれる編者のつっこみがぬるい。
まぁ立ち読みで十分かもしれません。
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# by bibliophage | 2007-01-26 07:29 | ユーモア
『北条時宗』 時宗VSフビライ
d0018433_6295936.jpg著者:さいとう・たかを、原作:高橋克彦 
書名:北条時宗 前・中・後編
発行:リイド社(漫画)SP Wide版 
(画像→はオリジナル版)
ダイナミック度:★★★★☆

北条氏とフビライ兄弟の物語を並列。

<北条時頼は執権に就任したが、同族の北条時幸や有力豪族三浦氏との権力争いは続いた。一方モンゴルでは4代目の皇帝にモンケが着き、フビライは中国方面の総督になっていた。時頼は蒙古の来襲を恐れ、子の時宗にその備えの必要性を説く。フビライはモンケの病死後、5代皇帝となって南宋を滅ぼし、いよいよ日本侵略を決意する。>

鎌倉時代の日本で北条氏の話を中心とし、その一方で世界帝国を築いたモンゴルの英雄たちの物語も並べて進めるという構造がとても面白い。
最後は、蒙古来襲に収束するというわけです。

日本でもモンゴルでも内輪ゲンカ、兄弟ゲンカがあったのですねw。
モンゴルの天幕式住居の絵がとても興味深かった。

人物では、北九州の貿易商の子である謝太郎(高橋氏の創作か)がとても魅力的で、北条氏を助けて忍者のように活躍します。時宗の腹違いの兄時輔もお忍びで宋を訪れるし、この辺の虚構は小説ならではです。

面白かったので420ページX3巻を一気読みしたら、さすがに目がかすみました。
スケールの大きなところに感動です。
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# by bibliophage | 2007-01-23 06:32 | 漫画
『ブレイクスルー・トライアル』 「このミス…」2007大賞受賞
d0018433_1303783.jpg著者:伊園旬 
書名:ブレイクスルー・トライアル
発行:宝島社
画期的度:★★★☆☆

昨年の「チーム・バチスタの栄光」に続く第5回大賞受賞作品。

<大学時代の友人である門脇と丹羽は、IT企業セキュア・ミレニアム社が主催する公開侵入実験コンテストに参加することを決める。研究所の最新セキュリティを突破するトライアルで、賞金は1億円。彼ら以外にも、強盗団の連中がエントリーして、会場はとんでもない状態に陥っていった。>

話題作を続出させる「このミス」大賞。
期待して読みましたが、今回はもう一つでした。

題材は興味深く、キャラも面白いのですが、何せ前半が読みにくい。説明が多くて、テンポが悪く、もう少しで挫折するところでした。
実際のトライアルの描写である後半が面白いだけに、惜しまれるところです。

主人公の門脇が元ミレニアム社の社員だったりするのも違和感が強い。
また、技術者として強盗チームに協力する<蛙>の存在が面白いのに、ここで生じるはずの摩擦が書かれず、いつの間にか消えてしまう。
第3の参加チームの存在感が乏しい。…あげていくと気になる点が多数です。

これから読まれる方は、1.2章は流して、緊迫感のある3章を楽しむのが吉と思います。
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# by bibliophage | 2007-01-20 01:32 | その他小説
『山本勘助』 実在の軍師なのか?
d0018433_1157445.jpg著者:平山優 
書名:山本勘助
発行:講談社
伝説度:★★★★☆

NHK大河ドラマが開始されました。

「本書では、山本勘助について…あえて『(甲陽)軍鑑』にのみ依拠して、詳細に彼の活躍や言動を紹介していきたい。(序章より)」

信玄ファンとしてはほっておけない人物ですが、いやぁ、知らないことばかりでした。
なんと、山本勘助の実在性がずっと疑われていたとは…!

彼についての記述は、武田家家臣の高坂弾正を中心に書き継がれた『甲陽軍鑑』にしかなく、この資料は年代がいい加減なため、近代歴史学においてその価値が否定されていました。したがって、軍師としての山本勘助もその存在が否定されていたようです。

ところが、昭和44年に「市川文書」と呼ばれる資料が発見され、その信玄の手紙の中に「山本管助」の字があって、逆転でその実在性がぐっと高まった、とのこと。よかったですねぇw。

片目であったようですが、片足というのはウソらしく、江戸時代に付け加えられたフィクションのようです。NHKの考証がどうなっているか楽しみなところ。

簡単に年表を作ると、下記のようになります。
36歳(?)まで各地を廻って武者修行→今川義元へ仕官を希望するもかなわず→43歳で武田信玄に仕える→諏訪氏の娘と信玄との縁組みを支持→戸石城で武田軍の窮地を救う→村上義清との戦いの作戦を立案→信玄とともに出家→川中島に海津城を築く→最後の川中島の戦いで戦死(62歳?69歳?)。

未だに謎に包まれた人物:山本勘助ですが、その姿がうっすらと見えてきました。
大河ドラマを見る方にはおすすめです。
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# by bibliophage | 2007-01-14 11:58 | 新書
『使命と魂のリミット』 手練の作品
d0018433_6371942.jpg著者:東野圭吾 
書名:使命と魂のリミット
発行:新潮社
論理性度:★★★★★

「赤い指」に続く東野氏の最新刊。

<父健介が、東都大学で大動脈瘤の手術後に死亡した。当時中学生だった夕紀は、執刀医の医療ミスの疑いを捨てきれないまま、今研修医となって同病院の心臓外科に勤めている。そんな折、病院を爆破する、という警告文が届いた。不安な状況の中、財界の大物に対する心臓外科の大手術が開始された。>

上手いなぁ、という印象でした。
最近、医療モノはちょっと食傷気味でしたが、東野氏の手にかかるとかくも見事なお話が作られてしまうことに感心しました。

父の手術の執刀医、現在の教授である西園。その西園と母との関係。いきなり謎が出てきて、疑念が生まれ、話の内容に引き込まれます。
医療ミスによる被害と車の設計ミスによる被害。最近のトピックを対比させるように話が進んでいきます。

医療の現場についてもよく調べられていると思いました。また。犯人の大掛かりな仕掛けは、理系技術者であった東野氏ならではという感じがします。

最後はタイムリミットサスペンスとなり、思わぬ展開になります。ちょっと都合よく行き過ぎますが、すべての謎に答を出して着地します。この論理性がやはり魅力ですね。
細かいところまで考え抜かれているのにも感心。犯人が本名でホテルを予約した理由など。

当代の人気作家の実力を見せ付けられた作品でした。
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# by bibliophage | 2007-01-11 06:40 | ミステリ-
『シャドウ』 複雑なプロット
d0018433_23282330.jpg著者:道尾秀介 
書名:シャドウ
発行:東京創元社
意外度:★★★★☆

このミス2007 第3位。

<咲枝が癌の再発で亡くなり、夫の洋一郎と小学5年生の息子鳳介が残された。そして、それを追うかのように、咲枝の友人の恵が飛び降り自殺をした。遺書には夫の徹を責める言葉が残されており、娘の亜紀は動顚の余り車にひかれてしまう。その後、洋一郎の言動におかしな点が目立つようになり、鳳介は精神科医の田地に相談をする。>

それにしても複雑なプロットを考えだしたものです。

各章の視点が違う人物のものになっており、同じ出来事も何人かの目で見ると、解釈が変わってくる。その点を上手く利用して謎を仕掛け、ほのめかしを多用して読者を煙に巻く。そういった作者の意図は成功していると思います。

文章もほとんど修辞を使わないシンプルなもので、すらすらと読み進むことができました。
鳳介君の探偵ぶりも良かったです。全体に、とても意外性に富む展開で、飽きることがありませんでした。

残念なのは、意外性を追求する余り、真実に必然性がないこと。もう少し伏線を入れないととても本格とは言えず、TVの2時間推理ドラマみたいに唐突な印象を受けてしまうかもしれません。あぁ、そうだったのか!感が乏しいのです。

面白いのは認めますが、第3位はちょっと買い被り過ぎかな…。
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# by bibliophage | 2007-01-05 23:32 | ミステリ-
『風光る』 少女漫画の醍醐味
d0018433_1231224.jpg著者:渡辺多恵子 
書名:風光る 1~21巻
発行:小学館(コミックス)
キャラ立ち度:★★★★★

超ロングセラー連載の幕末少女漫画。第21巻が最近発売された。

<家族を長州の侍に殺された少女セイは、兄の意志を継ぐべく男装をして壬生浪士組(後の新撰組)に入隊する。命の恩人である沖田総司を想い続けながら、セイは清三郎として、剣の修行を続ける。>

これは相当面白いです。
少女と新撰組のミスマッチは、「セーラー服と機関銃」に通じるところがあります。

d0018433_1241512.jpg内容は歴史を虚実織り交ぜた、堂々たる少女漫画になっています。
メインプロットは、清三郎が恋しているのに、総司がそれを気づかずにやきもきする、というよくあるものです。そこに新撰組の多種多様なキャラクターがからみ、ボーイズラブ(当時の呼び名は衆道)がフィーチャーされて、ハチャメチャな展開となっていきます。

まず、絵がきれい。そして、考証がよくされていて、話の運び方が上手い。また、ジョークのセンスがいい。
d0018433_1233530.gifさらに、キャラがとても魅力的。特に、新撰組3番隊長の斉藤一が、几帳面で無表情、腕が立って、隠密業務をこなし、かつ清三郎を密かに想っている、という人気キャラです。
新しい登場人物としては、18巻後半から出てくる遊び人浮之助が素晴らしい。実はその正体は、○○だったという、遠山の金さんもびっくりの内容。これは驚きました。

現在はコミックフラワーズで連載中。最新21巻の後半は、もう終わりなのかな?と思える展開になっているのが心配ですが、関係する掲示板をみると連載は続いている様子。歴史的にはまだまだ書くネタはあるハズなので、できる限り頑張って続けて欲しいものです。
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# by bibliophage | 2007-01-03 01:26 | 漫画
今年読んだ本 何が1番?
d0018433_17381428.jpg2006年がもうすぐ終わります。あっという間の1年でしたが、サッカーワールドカップ、荒川静香の金メダル、テニスのフェデラー来日など、スポーツのことばかりが印象として残っています。スポーツ以外でも、最後にフセイン死刑という大きなニュースがありました。そういえば首相も交代したのでしたね…w。

さて、今年読んだ中で色々と心に残った本をあげます。

良かった本ベスト5> …読んで損をしないことは確かです。
1) 『チーム・バチスタの栄光』 海堂尊 1/28
2) 『グレート・ギャツビー』 S.フィッツジェラルド、村上春樹訳12/2
3) 『ワイルド・ソウル』 垣根涼介 5/27
4) 『ガール』 奥田英朗 4/19
5) 『文学賞メッタ斬り!リターンズ』 大森豊、豊崎由美 9/16

衝撃を受けた本ベスト5> …ホラーかホームレス系ですね。
1) 『無痛』 久坂部羊 5/22 
2) 『独白するユニバーサル横メルカトル』 平山夢明 12/28 
3) 『今日、ホームレスになった』 増田明利 9/20
4) 『失踪日記』 吾妻ひでお 5/5
5) 『姉飼』 遠藤徹 8/1

(個人的に)期待を裏切られた本ワースト3> …期待し過ぎはいけません。
1) 『ららら科學の子』 矢作俊彦 10/30
2) 『ナイチンゲールの沈黙』 海堂尊 10/15 
3) 『陽気なギャングの日常と襲撃』 伊坂幸太郎 5/17

今年は仕事の忙しさのためか、生来の怠惰な気質が首をもたげたためか、11月から読書速度があがらなくなりました。とても残念。
来年の目標は2日に1冊。できるだけ頑張ろうと思っています。
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# by bibliophage | 2006-12-31 17:45 | その他
『独白するユニバーサル横メルカトル』 地図の独り言
d0018433_1403075.jpg著者:平山夢明 
書名:独白するユニバーサル横メルカトル
発行:光文社
衝撃度:★★★★★

「このミス2007」第1位に選ばれた短編集。

<・私は国土地理院発行の地図帳。タクシー運転手の先代に愛用され、その特別な「使命」にまでも密かに協力してまいりました。(表題作)
・ジャングルの中、覚醒剤の生産地へ一攫千金を狙ってやってきたヒロとドブロク。しかし原住民に捕まって、檻の中で絶体絶命の状況に。(「すまじき熱帯」)>

久しぶりに強烈無比な作品に出会いました。
はっきり言って気持ち悪くて、エグい!いったいこれのどこがミステリーなんだ!?

しかしそのキモさの中に、どうしても惹かれてしまう部分があります。
それは、地図が独白するという奇想であったり、人食いの怪物が持つ知性であったり(「Ωの聖餐」)、原住民の会話が変な日本語に聞こえるといったユーモアであったりするのです。

そういったギリギリのところで成立している短編集です。なので、多くの人(特に女性)にとっては生理的に耐えられない可能性があると思われます。
特に、「Ωの聖餐」「すまじき熱帯」「怪物のような顔の…」の3編は凄まじいので、要注意。

本の表紙もかなりインパクトがありますが、まさにこんな感じの内容。ライトノベルの対極に存在するようなダーク&ヘビーノベルです。これから読まれる方はKOされないように、ヘッドギアをつけてどうぞ。
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# by bibliophage | 2006-12-28 01:48 | ホラー/SF
『プーねこ』 クールな猫が笑える
d0018433_653134.jpg著者:北道正幸 
書名:プーねこ 1、2巻
発行:講談社(コミック)
シュール度:★★★★☆

コミックアフタヌーン連載のネコギャグ漫画。

<・武蔵野の立派な屋根を好んで生活する少女イラカ。その愛猫はクロベエ。(「イラカの夢」)
・ 捨てネコのニャンプーを拾った小学生芹菜。家ではリストラパパが今日もお料理。(「日和見な日々」)
・ 探偵事務所を構えるネコ、天智小五郎。事件の知らせがあっても、面倒だから弟子ネコのコパヤシ君におまかせ。(「虹色仮面」) >

これは面白かったです(特に第1巻)。
上記のストーリー漫画と4コマ漫画を集めたもので、第1巻は2005年1月販売で、現在15刷と売れています。
可愛い少女とネコの掛け合い漫才のような内容で、ネコが無表情にクールな言葉をつぶやくところがシュールで良いです。
例:ニャンプーが芹菜に、「まあそういわずに頼むよキミ。 ご近所付き合いは最初が肝心なんらぜ」と散歩をねだる場面。

しかし、ギャグ漫画をレベルを保って続けるというのは相当に難しいようで、第2巻はやや失速気味なのが残念でした。

最も爆笑したニャンプーと芹菜ちゃんのシリーズの続きを是非読みたいと思います。
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# by bibliophage | 2006-12-25 06:54 | 漫画
『となり町戦争』 2007年2月映画公開
d0018433_23123273.jpg著者:三崎亜記 
書名:となり町戦争
発行:集英社(文庫)
着想度:★★★★☆

小説すばる新人賞のデビュー作、かつ直木賞候補だった作品、早くも文庫化。

<自分の住む舞坂町がとなり町と戦争を始める。広報でそれを知った僕に、偵察業務従事の辞令が届いた。どこで戦闘が起きているのかもわからないのに、発表される戦死者数は増え続けている。次に、となり町に潜入し、役所の香西さんと夫婦として住むという任務が与えられた。それまで戦争の影もみえなかったある夜、電話が鳴って事態は急転した。>


とにかく、発想が凄いですねぇ。お隣の町との戦争。しかも何が戦争なのか全くわからない。

最初の方は、筒井康隆ならこの辺で事件が起きるのに…、とか、これって短編のネタを長編に引き伸ばしてるんじゃないのか…、などとぶつぶつ言いながら読んでいました。
しかし、その淡々と流れるところを我慢して読むと、驚くべき展開が…。
振り返ると、あの淡々が曲者で、作者の意図するところだったとわかりました。

さらに、この作品は文章がとても美しい。特に風景の描写がきめ細かくてきれい。
またユーモアも秀逸。「性的な欲求処理に関する業務」は笑えました。

文庫版のための「別章」も面白かった。説明会で質問していたマジメな彼が誰かわかります。

短編集 『バスジャック』 もとても良かったし、この作者からは目が離せないですね。
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# by bibliophage | 2006-12-21 23:16 | その他小説
『御教訓カレンダー2007』 年末恒例
d0018433_7102957.jpg主催:御教訓カレンダー大賞事務局 
書名:御教訓カレンダー2007
発行:PARCO出版
爆笑度:★★★☆☆

審査員:糸井重里、榎本了壱、ゲスト審査員:眞鍋かをり、リリー・フランキー。
32年目を迎えた御教訓(ことわざ、コピーなどのパロディ)

ネットで応募できるようになって投稿は毎年増加。しかし面白さは反比例してやや減少傾向ですねぇ。
この原因は、おそらく一年中投稿できる環境のせいと見ました。できたらとにかく投稿、ということになると、思わず上手い!とうなったり、大爆笑したりする作品はできにくいのではないでしょうか?

それでもクスクス笑えるものはありました。気に入った作品はというと…

・ 子供たちは下のヘアで遊んでいます
・ 体に木を使う -ピノキオ
・ キミはカワイイから鉄だって上げちゃう


などです。

これが面白いと思った方は御教訓のHPへ。  
全くしょうもない、何が面白いの?という方には、このコトバ遊びは不向き。

俺ならもっと面白いのができる、という方はHPで是非投稿を。
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# by bibliophage | 2006-12-18 07:14 | ユーモア
『螺鈿迷宮』 森博嗣めざしてる?
d0018433_20574748.jpg著者:海堂尊 
書名:螺鈿迷宮
発行:角川書店
ライトノベル度:★★★☆☆

チーム・バチスタの栄光」の海堂氏、早くも3作目。

<天馬大吉はドロップアウト寸前の東城大医学部留年生。ある日、幼なじみの新聞記者葉子に頼まれて、桜宮病院に潜入取材するはめになる。その病院は、ユニークな終末期医療をおこなうことで知られていたが、最近そこを訪れたまま行方知れずになっている人物がいることがわかった。天馬は、(文字通り)傷だらけになりながら、その病院の秘密を探る。>


ええと、キャラクター小説というのでしょうか、こういったタイプは?
たぶん、キャラを立てたライトミステリということで、森博嗣氏の作品のようなところを狙っているのだと思われます。

中途半端な印象を受けました。
2作目と同じで、謎の提出が遅く出足でもたつくために序盤で読む速度が上がりません。なので、ミステリとしては軽い感じ。
かといってライトノベルとしては、キャラがもう一つぱっとしないというか…。
1、2作目でさんざんほのめかしていた白鳥の部下姫宮がついに登場します。性格がユニークなのはいいのですが、可愛いという描写があまりないので、いわゆる萌えにならない。
また、桜宮病院の双子の女医さんの年令設定がやや高め。

桜宮病院の医療システムについては、とてもユニークで面白い。最後の、因縁話をからめた謎解きも興味深い点がありました。問題はそこまですらすらと読み進めるか、という点ですね。

終わり方は続編をもろに示唆する形でした。果たしてそれが刊行のあかつきには読むことになるのでしょうか…??
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# by bibliophage | 2006-12-16 21:00 | ミステリ-
村上春樹氏の「ロング・グッドバイ」をめぐる冒険
AERA今週号の記事「期待vs.心配?春樹のマーロウ」はいたく楽しめました。

サリンジャー「キャッチャー・イン・ザ・ライ」、フィッツジェラルド「グレート・ギャツビー」に続いて、チャンドラー「ロング・グッドバイ」を村上氏が翻訳します。
一字一句訳すので物語の全貌がすっきりすることが期待できる一方、クールなマーロウがスニーカーをはいて自分探しをするのではないかという心配もある、という興味深い指摘がありましたw。

翻訳を出すというだけで刊行前からこれほど話題になることも珍しいですね。村上春樹氏がいかに現代日本の読書家の心をとらえる作家であるかがよくわかります。

村上春樹になりきって「ロング・グッドバイ」の名シーンを「ハルキスト」のお三方が訳す、という企画がまた面白かった。
・「…ギムレットのまともなつくり方も知らないんだな」と彼はくぐもった声で言った。…ギムレットを十全に作ろうと思うなら…(向井万起男氏)
・「やれやれ、最近の女の子ときたら焼酎の飲み方すら知らないんだな」と五反田君は言った。(清水良典氏のパロディ訳)
・彼は薬剤師が薬品を点検するようにグラスを見つめながら、「作り方を知らないんだね、ギムレットの」と…。(松尾貴史氏)

さて、 To say goodbye is to die a little. はどう訳されるのでしょうか?
故清水俊二氏「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」…真ん中ストレート。
向井氏「“さようなら”と言うのは、命を少し削ることだ」…命を削る、とは渋い。
う~む…「さよならを言うときは、ほんの少し息が止まったまんまになるのさ」くらいでいかがでしょうか?

いずれにせよ、楽しみですね、春樹版ハードボイルド。
マーロウが素敵にイメチェンしてくるかもしれないけれども
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# by bibliophage | 2006-12-14 01:07 | 雑誌
『パプリカ』 幻夢大戦
d0018433_0284499.jpg著者:筒井康隆 
書名:パプリカ
発行:新潮社(文庫)
迫力イメージ度:★★★★★

アニメ映画、ただ今公開中。

<精神医学研究所に勤める時田と美人セラピスト千葉。2人は、精神治療用機器を用いた分裂病治療の功績でノーベル賞候補にあげられていた。一方、副理事長の乾とその手下小山内は2人のことをねたむ。ある日、時田の開発した新しい治療機器「DCミニ」が盗まれた。それには夢と現実世界を混然とさせる危険な力が付随していた。千葉は美少女夢探偵「パプリカ」に姿を変え、乾の邪悪な企みに立ち向かう。>

これは面白いですねぇ。
てんかん協会との事件で断筆宣言する直前の作品とあって、分裂病の妄想の話などが全開で圧倒的なパワーで迫ってきます。
精神分析的世界観を借りたサイバースペースでの戦いがメインテーマになっています。

乾がどんどん悪性変異を重ねていって怪物化し、夢と現実がつながるようになって、妄想や魔物が出現するところはかなり不気味です。たくさんの日本人形が無表情に笑いながらふらふら歩いたり…。

また、美人研究者千葉と少女の姿のパプリカ、この2人(1人)のセックスアピールが強力です。アニメ映画でどこまで許されることやら…。

最後は夢世界での大戦にもつれこみます。そのドタバタぶりも筒井氏らしいし、イメージ描写能力も素晴らしいの一言です。

これは是非、アニメーションのパプリカに会いに映画館に行かなくては・・・。
→ 映画公式サイト
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# by bibliophage | 2006-12-12 00:34 | ホラー/SF
『墨攻』 スーパー傭兵、革離
d0018433_1012325.jpg著者:酒見賢一 
書名:墨攻
発行:新潮社(文庫)
専守防衛度:★★★★☆

「後宮小説」の酒見氏の92年の作品。漫画化に続いて映画化。

<中国の戦国時代。博愛主義の思想家墨子が作った宗教・軍事的結社墨家。趙に攻め込まれている小国の梁へ、墨家から派遣されてやってきた革離。彼はたった一人、不眠不休で人々を指揮し、城の防衛に全精力を傾ける。>

面白かったです。
謎に包まれた存在の墨子に興味を持ち、少ない歴史資料から想像力を屈指してこの話を考え出した酒見氏の小説家としての力量にまず感心しました。

敵の攻撃に対し、色々な手を使って守ります。土を盛って高台を作れば、より高くから弓や石をあびせる。トンネルを掘ってくれば、こちらからもトンネルを作って迎え撃つ。

この辺りの攻防をほとんど一人でやり抜くところが、ゲーム的な感覚で受けて、漫画化された上に、今回アンディ・ラウ主演で映画化(2007年2月公開)されるに至ったのではないかと思います。

劇的な結末は極めて伝統的な形で、伏線がよく効いていました。

解説はためになりましたが、作者あとがきは何でしょう、あれは?

映画も是非観てみたいと思いました。 → 映画公式サイト
あ、その前に作者の「泣き虫弱虫諸葛孔明」も読まなくては…。
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# by bibliophage | 2006-12-09 07:36 | その他小説
表紙はフェデラー
d0018433_0473389.jpg今週号のAERAの表紙は、ランキング1位のプロテニスプレーヤー、ロジャー・フェデラー

今年の成績が何と、90勝5敗!!全仏はナダルに譲ったものの、全英、全米、全豪と優勝。
欠点のないオールラウンドプレーヤーで、史上最強と言われています。

何がそんなに凄いのか?
フォアハンドとバックハンドのグラウンドストロークは技術的におそらく歴代最高。幼少時にバトミントンなどを通してあの柔らかいラケットさばきを得たとか。
ボレー、サービス、リターンも現在のトップクラス。メンタル的にも強い。
あと、フットワークが異次元で、空中を移動しているようです。

その実際のプレーをコマ送り。
d0018433_0484613.jpg1. 相手(手前側)のスライスサーブが完璧にフォア外側に炸裂。ノータッチのエースでもおかしくないコース。しかし、フェデラー(向こう側)は届いて返球します。





d0018433_0505394.jpg2. フェデラーのリターンをバックハンドドライブで逆コーナーに打ち返す相手選手。
「もらったぜ!」
フェデラーはサイドラインの位置。






d0018433_054304.jpg3. バックサイドに脱兎のごとくボールを追いかけるフェデラー。ボールよりも速い!








d0018433_112611.jpg4. 追いついてバックハンドドライブでストレートにヒット。










d0018433_124841.jpg5. コーナーぎりぎりに着弾!相手は呆然と立ちすくむのみ。「なんでやねん」
6. フェデラーは涼しい顔。「ミルカ、今の見てくれた?」
解説者「That’s ridiculous(そんなばかな)! Perfect shot! That’s spectacular!」

全く、神業。ぞくぞくさせるプレーです。
試合中、自分のエース級のショットをフェデラーに切り返され、あ然とする相手選手。よく見られる光景で、相手は徐々に戦意を喪失していきます。

フェデラーにはできるだけ長くトップに君臨していて欲しいもの。
是非、来年もAIGオープンで来日してもらって、そのプレーを生でみたいと切に願います。
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# by bibliophage | 2006-12-06 01:11 | スポーツ
『グレート・ギャツビー』 華麗なる翻訳文
d0018433_21393346.jpg著者:スコット・フィッツジェラルド、村上春樹訳 
書名:グレート・ギャツビー
発行:中央公論新社
流麗度:★★★★★

村上春樹氏が20年間目標とした小説を遂に翻訳。

<ニックはニューヨーク郊外ウェスト・エッグの小さな家に住んでいた。その隣には謎の億万長者であるギャツビー氏の邸宅があり、そこでは毎週末、豪華なパーティーが催されていた。ある日、ニックはそのパーティーに招待され、ギャツビーと出会う。そして後日、女友達であるジョーダンを通して、ギャツビーからある頼みごとを持ちかけられる。>

素晴らしい…。
文章の美しさ、悲しいストーリー、訳の巧みさ、村上氏の思い入れの深さ。
本文とあとがきを通して、何度も感激してしまいました。

村上氏はあとがきで、
「もし『グレート・ギャツビー』という作品に巡り会わなかったら、僕はたぶん今とは違う小説を書いていたのではあるまいか…」
「…僕はこの『グレート・ギャツビー』という小説を翻訳することを最終的な目標にし…これまでの翻訳家としての道を歩んできたようなものである。」

というように、その熱き思いを語っています。

本文で特に美しいと思った場面。
・ p171 ギャツビーが色とりどりなシャツを投げ放つ箇所。
・ p272 デイジーのきらびやかな社交の世界。
・ p291-2 ギャツビーを乗せた浮きマットがプールを漂う様子。

村上氏の本書翻訳における2大方針:「現代の物語にする」「文章のリズムを生かす」。
確かに、古臭さは全く感じませんでしたし、流れるように読めてほとんどひっかかりませんでした。You passed!
面白かった訳語。p63「エクトプラズムのようにぼんやり浮遊している…」。
何度かでてくる「あほらしい○○」という表現。
p78 「ケータリング業者から軍団が…」。

ストーリー的には、(ちょっと得体の知れぬ)財産家であるギャツビーのかなわぬ純愛、という所がいいですね。最後デイジーをかばうところは騎士道精神風です。
また、愛する人の帰りを待てずに他の人と結婚する女性という設定からは、『金色夜叉』をちらりと思い浮かべました。

春樹ファンは必読でしょう。彼の作品における文章の美しさが、翻訳者としての並々ならぬ実力の上に存在していることがよ~くわかりました。読む順としては、まずあとがきを、それから本文を、そしてもう一度あとがきを。

今回の訳を読んで、この美しい物語を心から愉しむことができましたし、村上氏がずっと宝物のようにいつくしんできたという理由がよく理解できました。
とにかく、おすすめです、オールド・スポート
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# by bibliophage | 2006-12-02 21:44 | その他小説
『真夜中のマーチ』 奥田版「陽気なギャング」
d0018433_817446.jpg著者:奥田英朗 
書名:真夜中のマーチ
発行:集英社(文庫)
ドタバタ度:★★★☆☆

「空中ブランコ」の奥田氏によるコミカル・クライムノベル。

<ヨコケンは自社主催のお見合いパーティーで、ミタゾウに会った。彼を三田財閥の御曹司と勘違いしたヨコケンは、美女を使って篭絡しようとする。一方、組員のフルテツに脅されて借りさせられたマンションでは、賭場が開かれていた。その上客である画商白鳥は、賭け仲間から絵画への10億円の出資金を集めていた。白鳥を憎むその娘クロチェはその金を奪おうとして、ヨコケン、ミタゾウとともに計画を練る。>

全体的にスピード感があり、会話が面白く、キャラが立っていて、伊坂幸太郎の「陽気なギャング…」を思い浮かべてしまいます。

10億円を狙っているのがクロチェたちだけでなく、フルテツ、中国人詐欺師と3グループがからまる強奪戦になるところが面白い。最後のあたりは展開がハチャメチャで、解説に書かれているようにスラップスティック(ドタバタ)になっているのも興味深かった点でした。

惜しむらくは、ミタゾウのキャラがイマイチつかみきれない点でしょうか。基本的に生マジメな性格でトロいのに、女性好きで、ときに思い切った手に出る。読んでいて、これは逆転の逆転で御曹司なのかと思って、期待していたりもしたのですが…。

「陽気なギャング(1作目)」にはちょっと届かないけれど、悪くない話でした。
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# by bibliophage | 2006-12-01 08:18 | その他小説
ビリー・ジョエルのコンサートに行ってきました♪
d0018433_7221282.jpg1998年のエルトン・ジョンとの共演以来、久々の日本公演。
当日券アリとのことでしたが、東京ドームはアリーナ、1,2階席ともびっしり満員

これは…感動的に素晴らしかったです。
夜7時から2時間、アンコール含めて23曲ぶっ通し。これがあっという間!
大概が耳にしたことのあるヒット曲というのが凄い。

ステージは外野バックスクリーン。私の席は一塁側内野。本物はかなり小さいですが、左右のスクリーンで大写しになっています。予想していたより音は良く、ピアノ、声ともきれいに聞こえました。

ビリー・ジョエル、顔はじいさんになっていましたが、全盛期と変わらぬ声量、パワーでした。
2曲目のMy lifeで会場はもう盛り上がり、Honesty、New York state of mind、Allentown、Don’t ask me whyとヒット曲を連発。「日本でしかやらない」とか何とか言いながらThe Stranger。その後はJust the way you are、Movin’ out、She’s always a woman、etc。
最後、Big shot、It’s still Rock and Roll to me、You may be rightで締めくくりました。
アンコールの最後はPiano manでした。
中では、「シングルになってないが、みんなが楽しくプレイできる」とか言っていたZanzibarが一番印象的でした。
Uptown girlとかLongest timeとか今回やらなかったヒット曲がまだまだ残っているのが凄いですねぇ。

彼こそまさにEntertainerの中のThe Entertainerですね。
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# by bibliophage | 2006-11-29 07:25 | 音楽