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ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『文学賞メッタ斬り!リターンズ』 毒舌の楽しみ
『文学賞メッタ斬り!リターンズ』 毒舌の楽しみ_d0018433_030880.jpg著者:大森豊、豊崎由美 
書名:文学賞メッタ斬り!リターンズ
発行:PARCO出版
斬殺度:★★★★★

物議をかもしたw「文学賞メッタ斬り!」の続編。

「そして最後に、…(島田雅彦の言葉を借り)、わたしたちのいいかげんな与太話や採点に傷ついた方々には深くお詫び申し上げます。御免。(「おわりに」より)」

島田雅彦氏をゲストに迎えてパワーアップ。相変わらず歯に衣着せぬ物言いが心地よいです。

小学館文庫小説賞の河崎愛美「あなたへ」を評して、「脇の甘い比喩を得意になって使いまくる、ちょっと作文が上手い程度の15歳を、いい年こいた大人がちやほやしてどうするよっ… 」ということで点数15点!
2005年上半期芥川賞候補の伊藤たかみ「無花果カレーライス」について、「点数つけると16点くらいですね。…わざわざ印刷して紙面に載せる価値があるんですか、この作品に」との講評。どちらも豊崎さんです。
大森さんも伊藤たかみ氏を「へた」と評していました。
前回ついに芥川賞を受賞したとはいえ、伊藤たかみ作品を読むことはたぶんないだろうと思いますw。

2006年下半期の直木賞予想で東野+恩田のW受賞という読みでは、私も大森さんと一致していたのがちょっと嬉しく思えました。モロにはずれていましたが…。

毒舌だけではなくて、自分のツボにはまったモノを異様に持ち上げるのが可笑しい。
興味を持った作品は青木淳悟「四十日と四十夜のメルヘン」、松尾スズキ「クワイエットルームにようこそ」、中原昌也「点滅……」、鹿島田真希「ナンバーワン・コンストラクション」etc…。

巻末に受賞作を一覧で点数化しています。個人的には、「夜市」は過小、「博士の愛した数式」は過大評価と思いました、

評論家というのは、古今東西の作品に精通していなければならない大変な仕事だとつくづく思いました。続編はまたまた2年後でしょうか。今から期待しています。
by bibliophage | 2006-09-16 01:34 | 評論
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