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ストレスがたまったら本のまとめ買い。結果は積ん読。なんとかしなきゃ…。ということで書評のブログです。ときに音楽や趣味の記事も…。
by bibliophage
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『真夜中のマーチ』 奥田版「陽気なギャング」
『真夜中のマーチ』 奥田版「陽気なギャング」_d0018433_817446.jpg著者:奥田英朗 
書名:真夜中のマーチ
発行:集英社(文庫)
ドタバタ度:★★★☆☆

「空中ブランコ」の奥田氏によるコミカル・クライムノベル。

<ヨコケンは自社主催のお見合いパーティーで、ミタゾウに会った。彼を三田財閥の御曹司と勘違いしたヨコケンは、美女を使って篭絡しようとする。一方、組員のフルテツに脅されて借りさせられたマンションでは、賭場が開かれていた。その上客である画商白鳥は、賭け仲間から絵画への10億円の出資金を集めていた。白鳥を憎むその娘クロチェはその金を奪おうとして、ヨコケン、ミタゾウとともに計画を練る。>

全体的にスピード感があり、会話が面白く、キャラが立っていて、伊坂幸太郎の「陽気なギャング…」を思い浮かべてしまいます。

10億円を狙っているのがクロチェたちだけでなく、フルテツ、中国人詐欺師と3グループがからまる強奪戦になるところが面白い。最後のあたりは展開がハチャメチャで、解説に書かれているようにスラップスティック(ドタバタ)になっているのも興味深かった点でした。

惜しむらくは、ミタゾウのキャラがイマイチつかみきれない点でしょうか。基本的に生マジメな性格でトロいのに、女性好きで、ときに思い切った手に出る。読んでいて、これは逆転の逆転で御曹司なのかと思って、期待していたりもしたのですが…。

「陽気なギャング(1作目)」にはちょっと届かないけれど、悪くない話でした。
by bibliophage | 2006-12-01 08:18 | その他小説
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